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2016_オリンピック予選(準々決勝)・・勝負師、手倉森誠に乾杯!!・・(日本vsイラン、3-0)・・(2016年1月22日、金曜日)

よ〜〜しっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!

ものすごく「重苦しい」ゲーム展開。また何度か、ギリギリの幸運にも恵まれた。それは、だからこその歓喜の雄叫びだった。

それにしても、スーパーミドルを二発もブチ込んだ中島翔哉。

それまで潰されまくっていたのに・・。

たしかに、先制ゴールを奪われたイランが、ガンガン前へ押し上げはじめたことで、サイドゾーンでの守備が薄くなったこともあった。

でも、中島翔哉の「強烈な意志」が、最後の最後まで、まったく衰えを知らなかったという事実には、とても大事なコノテーション(言外に含蓄される意味)が込められていたと思うんだよ。

あれだけ「潰され」まくったら、少しは意志が「萎えて」しまうものだよね。

でも中島翔哉は、何度、コズかれ、ぶっ倒されてボールを奪われても、決して「積極的なプレー姿勢」を減退させることがなかったし、延長に入っても、リスクチャレンジ(ドリブル突破)への「意志と勢い」に陰りが見えることもなかった。

立派。

その「強烈な意志」こそが、「あの」二つのスーパーミドルの原型にあったと思う。

ところで、潰されまくっていたときの中島翔哉だけれど、イランも、彼のドリブルを、かなり警戒していたという背景があったんだろうね。だからこその(狙いを定めた)協力プレスだった。それが・・

まあ、立派な中島翔哉については、これくらいにしよう。

ということで、プロコーチ手倉森誠の「立派な采配」というテーマに入っていこう。

もちろん彼は、イランの実力を、体感レベルで知っているし、この試合が、「肉を切らせて骨を断つ」ギリギリの闘いになることを、明確にイメージしていた。

だからこそ彼は、自分のなかで確固たる「カタチ」をもっている「勝負師マインド」を、選手たちに移植することに尽力した・・と思う。

私は、手倉森誠の「勝負師マインド」をレスペクトしているんだ。

そう、だからこその素晴らしい心理マネージメント・・っちゅうわけだ。

これまで、あの年代の若武者たちは、ことごとく、「世界」への扉を閉ざされてきた(世界戦へのアジア予選準々決勝で涙を呑んできた!)。

そんな心理・精神的バックグラウンドがあるからこそ、手倉森誠は、選手たちを、こんなふうに突き放し、鼓舞したに違いないと思うのだ。

・・オマエたちにしたって、このまま負け犬で終われないと思っているはずだ・・「世界へのキップ」を、自分たち自身でつかみ取ってみろ・・そこじゃ、誰も助けてくれない・・自分たち自身が、限界を「超えて」闘うなかで奪い取るしかないんだ・・

そしてイラン戦。

とにかくベンチは、「我慢、我慢・・」という心境だったに違いない。

前半のゲーム展開。

たしかに、日本がイニシアチブを握っているように見える。でも実際には、一発ロングとカウンター、はたまたセットプレーという危険な武器をもっているイランの方に、勝負の流れという視点で分があった。

そして後半。

それまで満を持していた(!?)イランが、攻勢に出てくるんだ。

彼らのディフェンスは、ものすごく忠実でパワフル(ハード)なだけじゃなく、巧く、そして適当に「ダーティー」でもある。そう、生活文化に根ざしたプレー姿勢!?

そしてイランは、そんなハイレベルな「連動(プレス)ディフェンス」をベースに、ゲームの(そして勝負の!!)イニシアチブまで握ってしまうんだよ。

後半の多くの時間帯では、気が気じゃなかった。バー直撃のヘディングシュートまでブチかまされたからね。でも・・

そう、ちょっとネガティブな雰囲気に落ち込みかけていたゲーム展開のなかで、「タメにタメていた」勝負師、手倉森誠が動くんだよ。

まず、久保裕也に代えて浅野拓磨を投入。それは、後半37分のことだった。

そして、その2分後に、浅野拓磨の、スピーディーで力強いトラップ&コントロール&ターンからのスルーパスを受けた矢島慎也が抜け出し、決定的なグラウンダークロスを送り込むんだ。

それは、久しぶりのビッグチャンスだった。そして、(そのチャンスメイクのニオイによって!!)日本チームが徐々に元気を取り戻していったんだよ。

そして後半43分には、矢島慎也に代えて(先発の予定だった!?)豊川雄太がグラウンドに送り込まれたっちゅう具合。

勝負師、手倉森誠は、延長までイメージして「我慢を重ねて」いたに違いない。

だからこそ、後半の終了間際で、「勝負を決められる2枚のジョーカー」を送り込んだ!?

ちょっとポジティブに捉えすぎかもしれないけれど、とにかく、その采配がピタリと当たったコトだけは確かな事実だからね。

それにしても、交替してグラウンドに立ち、最前線で動き回り、攻守にわたって実効プレーを積み重ねただけじゃなく、決勝ゴールまで決めちゃった豊川雄太。

素晴らしい「意識と意志」だった。

まさに、手倉森誠の「勝負師マインド」が乗り移った・・っちゅうグラウンド上の現象じゃないか。

とにかく、この試合で日本の若武者たちが魅せつづけた「粘りの闘い」に、手倉森誠の「勝負師マインド」を投影していた筆者だったのですよ。

でも・・

そう、本当の勝負は、ここからなんだよ。

準決勝の相手は、イラクかUAE。

日本は「中3日」であるのに対して、相手は「中2日」。確かに有利ではあるけれど、でも、まあ、ここまで来たら・・。

とにかく、お互い、めくるめく歓喜と奈落の失望ドラマを、とことん楽しみましょう。

PS:これからは、「The Core Column」と「My Biography」も、注力してアップしていきまっせ。

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 最後に「告知」です。

 どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

  自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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