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2017_ACL(準々決勝の1)・・スーパーなフロンターレに心からの拍手を!・・(フロンターレvsレッズ、3-1)・・(2017年8月23日、水曜日)

この結果が、如実に、このゲームでの両チームの「実力の差」を現していたと、フロターレの強さを賞賛するのがフェアだと思う。

もちろん、わたしが使う「結果」という表現には、数字的なリザルトだけじゃなく、戦術的、心理的な部分も含めた「サッカー内容」も含まれる。

そう、ちょっとショッキングなくらいレッズが「やられまくった」んだ。

レッズの、そんなゲームを観るのは、かなり久しぶりのような気がする。

数字的な結果「だけ」ならアントラーズも含むけれど、これまで「数字と内容」という両面でレッズを凌駕したのは、フロンターレとガンバ、そしてレイソルくらいだったんじゃないだろうか。

そう、「美しく勝つこと」を志向する、未来志向のリスクチャレンジャーたち。

あっと・・ハナシが逸れそうになった・・

とにかく・・

意識と意志の強さを絶対的ベースにする「攻守ハードワークの量と質」で、フロンターレが、完璧にレッズを圧倒したという事実を、しっかりと見つめ直すことにしましょう。

たしかに2点目をブチ込んでからの20分ほどは(武藤雄樹の追いかけゴールも含めて!)レッズが盛り返す時間帯はあった。

ということで、内容を見つめ直すための「視点」・・

要は、それまでのレッズが落ち込んでいた消極的な「体たらくサッカー」と、前述の20分の積極サッカーでは、いったい何が違っていたんだろうか・・という視点。

私は、その違いのコノテーション(言外に含蓄される意味)の本質を、ディフェンスの内実というテーマに求めたいと思っているんですよ。

要は、二点をリードするまでのフロンターレが、より積極的に「ボールを奪い返す」ディフェンスをブチかましていたということです。

それに対してレッズは、まさに、受け身で消極的な、リアクション守備を展開してしまっていた。

それじゃ、いくらボールを奪い返しても、積極的に人数を掛けて攻め上がれるはずもない。

何せ、選手たち全員が、「すぐにボールを失っちゃうよ・・」ってなネガティブ心理から、まったく開放されていなかったわけだから・・。

だからこそ、リーダー(グラウンド上の刺激ジェネレーター)が必要なんだよ。

このテーマについては、「The Core Column」で書いた「このコラム」をご参照あれ。

さて・・

次には、こんな疑問テーマに取り組もうと思う。

本当に、フロンターレとレッズの間には、「こんなに大きな実力差」が出来てしまったのかい??

結論から言ったら、まったく「そんなこと」はない・・と断言します。

ここじゃ、(この試合で生じた!?)タラレバの要素には、まったく触れません。

そうではなく、サッカーがホンモノの心理ゲームだという大原則に立ち返るのが肝要だと思うのですよ。

そう、選手たちのフォーム(物理的・心理的な状態)によって、まったく違ったサッカー(ゲーム内容)になると確信するわけさ。

私は、世界中で、サッカーが「軟体の生き物」だということを体感している。

そう、ホンモノの組織ゲームであるサッカーだからこそ、一人でも、本当に一人でも、チェイス&チェックやマーキングなどの守備ハードワークをサボったり、連動ディフェンスの流れに乗らなかったりしたら、即、チームプレーが崩壊しちゃう。

そりゃ、そうだ。

ボールがないところで、フルスプリントで上がってくる相手を、チームメイトが最後までマークして戻ってくれるはずだと確信しながら「次のカバーリング」に急行していたとき、その相手が、最後までフリーで、決定的スペースへ入り込んじゃったら・・

それじゃ、チームメイトに対する信頼は地に落ちちゃうし、次の守備アクションの大前提が崩れたり、不安感に苛まれるようになっちゃう。

攻撃だって、「そこ」に走り込んでくれているはずだとパスを出したら、いない・・とかね。

そんなことが重なったら、決してリスクチャレンジのパスなんて、送り込まなくなるでしょ。そして、横パスに逃げちゃうようになる。

そして、チームが崩壊する・・

もちろんレッズは、そこまで重症じゃないし、次のリーグ戦だけじゃなく、フロンターレとのリターンマッチでも、まったく違った勇姿を魅せてくれるでしょ。

そう、それがサッカーなんだよ。

チト、まとまりに欠けるけれど、とにかく期待しましょう。

さて・・

それにしてもフロンターレ・・というテーマ・・

攻守ハードワークが満載された、本当にスーパーな組織サッカーをブチかました。

まさに、トータルフットボールと呼ぶに相応しい。

MVPに選出された小林悠だけじゃなく、エドゥアルド・ネットとか牛若丸(中村憲剛)、大島僚太や阿部浩之などなど、全員が、攻守ハードワークを積極的に「探していた」。

鬼木達監督のストロングハンドが見える、見える。

そしてもう一人。何といっても、家長昭博。

ものすごい才能に恵まれているから、私は、世界を目指すために、「もっと・・もっと・・攻守ハードワークを・・」なんて要求しちゃうけれど、実際は、フロンターレ攻撃のキーマンの一人として、抜群の機能性を発揮しはじめているんだよ。

後方から、ネットと大島僚太、そして中村憲剛。このタテ横斜めの、攻守ハードワーク・コンビネーションの機能性が、本当に素晴らしい。

そう、「あの」抜群に勝負強いアントラーズを一敗地にまみれさせたスーパーサッカー

いまのフロンターレは、完璧に、日本サッカーのイメージリーダーになっている。

全てのメディアは、そのことを世界へ向けて発信しなきゃいけないと思うよ。

私も、外国のエキスパート連中に聞かれるたびに、勝負強さのアントラーズと並んで、美しく勝つサッカーという「内容のフロンターレ」を強くアピールするようにしているのさ(もちろんレッズのコトも強くアピールしているよ!)。

何か、思いつくままに、書きなぐってしまった・・

ということで、今日は、こんなところで・・


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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