トピックス
- 2018_ACL・・何か、「堅牢だけれどアグレッシブな守備ブロック」というテーマに、アタマが支配されてしまった・・(アントラーズvs上海、3-1)・・(2018年5月9日、水曜日)
- ・・本当に、彼がそういう発言をしたんですか?・・
・・後で、彼に確認してみます(場内・・軽い笑い)・・
それが、私の質問に対する、アントラーズ大岩剛監督の最初のリアクションだった。
「彼」とは、このゲームでMVPに選ばれた鈴木優磨。そして、その「発言」とは、「守りに入らない・・」というプレー姿勢。
両監督の会見がはじまる前、MVPに選ばれた鈴木優磨に対する記者会見があり、そこで彼が、こんな発言をしていたんだよ。
・・監督は、ゲーム前には、前から、アグレッシブにプレッシングを仕掛けていけ・・決して受け身になるな〜ってモティベートされました・・
・・またハーフタイムにも、絶対に守りに入るな〜って檄を飛ばされました・・
・・(そんな監督の姿勢を受けて!?)そして私も、アウェーの第二戦について、守りに入ったら勝てないと思っているんですよ・・
何か、いいね〜・・
そんな積極的な姿勢(攻守ハードワークとリスクチャレンジ=汗かき仕事=を積極的に探しつづける闘う意志!?)こそが、次の進化&深化の、唯一のリソースなんだ。
その意味合いも含む「アントラーズのイメチェン」というテーマについては、「Jの雑感コラム」で書いたから、そちらをご参照ください。
でも・・
そう、そんな、アグレッシブな積極サッカーを志向しはじめたアントラーズは、昨シーズンの最終節でシーズンチャンピオンのタイトルを失い、そして今シーズンも、結果という視点じゃ、まだ、少し苦しんでいるように見える。
でも、サッカーの内容では、まさに、日本サッカーを(その根源的なイメージ・リソースを!)引っ張っていけるチームにまで、その存在感(レゾンデートル=存在する意義や価値)をアップさせているじゃないか。
だから私は、ここ最近のアントラーズが、やっと、結果を「たぐり寄せられている」コトに、安堵しているんだよ。
この、徐々に、内容と結果が合致しはじめている(!?)というテーマについては、グランパス戦の「Jリーグ・コラム」もご参照あれ。
ということで・・
ここからは、「志向する積極サッカーと結果のバランス・・」というディスカッションを少しだけ。
いつも書いているけれど、アグレッシブなサッカー(イニシアチブを握り、美しく勝つサッカー!?)を志向するチームが、勝つのは、そう簡単な作業じゃないんだよ。
だから、積極プレッシングでボールを奪いかえし、人数を掛けて「スペース攻略」へ向かうようなリスキーサッカーを志向するチームは、様々な意味を内包する「バランス感覚」も深めなきゃいけないんだ。
会見のなかで大岩剛さんは、「リードした後のゲームコントロール・・」というニュアンスの課題を挙げていたね。
そうだね・・。でも、決してそれは、リトリートして守備ブロックを固めるような「受け身で構えたディフェンス」をやる・・ということじゃない。
そうではなく、前回の「フロンターレvsFC東京」のコラムで書いた、長谷川健太が志向している(!?)ような、「守備ブロックを堅牢に組織するけれど、あくまでも攻撃的なディフェンス姿勢は崩さない・・」というニュアンスのアグレッシブ守備を展開するっちゅうことなんだよ。
まあ、このディスカッションは、とても深く、難しい。
長谷川健太は、「カウンター」じゃなく、「ファスト・ブレイク」っちゅう、ソフィスティケイテッドな表現をつかうようにしている・・なんて言っていたっけね。
もちろん彼らは、あくまでも積極的に(前から!)ボールを奪い返すような攻撃的ディフェンスを志向している。
でも、「外観的な見え方」としては、「しっかり守ってカウンターをブチかますサッカー・・」という風に映っても仕方ない。
ものすごく微妙な「ニュアンスの差異」っちゅうことだね。
もちろんFC東京の長谷川健太監督にしても、アントラーズ大岩剛監督にしても、その「あくまでも攻撃的・・」っちゅうニュアンスを選手たちに理解させ、正しいイメージで統一する心理マネージメントに全力を尽くしているんでしょ。
とにかく、この「内容と結果のバランス・・」というテーマは、ものすごく深いっちゅうことだね。
あっと・・
上海上港についても簡単に。
彼らについては、一言、「才能という諸刃の剣」というテーマだけしかアタマに浮かばない。
フッキ、オスカール、エウケソン、アフメドフ・・それに、中国を代表する「個の才能」連中。
彼らのサッカーでは、スペースを攻略していく最後の勝負が、どうしても「個の勝負」に偏ってしまうのも仕方のないことか。
でも、それでは・・
とにかく、全体的なサッカー内容では、(たしかにチカラワザのゴリ押し仕掛けは迫力満点だけれど・・)組織プレーでスペースを攻略していくという視点じゃ、足りないコトの方が目立ってしまっているんだよ。
オスカールのプレーに、「最高のモティベーション」を感じないのも、もしかしたら、そんな事情が背景にあるのかもしれない。
そりゃ、そうだ。
世界の才能が集まったプレミアで、その強者連中が、極限の攻守ハードワーク「も」ブチかましつづけるんだからさ。
とはいっても・・
そう、上海上港が秘める「瞬発力」は、たしかにレベルを超えているよな。
その視点でも(またアグレッシブな守備ブロックという視点でも!?)、アウェーマッチが、いまから楽しみで仕方ありませんよ。
あっ・・、「ジータス」じゃ、ライブで観られないのか?
それって、ダメなんじゃないの!?
何といったって、同じ日テレ系なんだから。そう、少なくとも、同日の夜中の録画放送は義務なんじゃないですか?
ご検討あれ〜〜・・
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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