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2018_ルヴァンカップ・・前半と後半で、まったく別ものゲームになった・・何で??・・(FC東京vsマリノス、2-2)・・(2018年4月18日、水曜日)

・・動きが少ない・・攻守アクションのテンポが遅い・・とにかく前半のサッカーには大いに不満だ・・

会見場の席に着いたマリノス監督、アンジェ・ポステコグルーが、開口一番、前半のサッカー内容への不満をぶちまけた。

たしかに・・アグリー・・

前半のマリノスは、FC東京が、どちらかといったら「闘い方を明確にプランした戦術サッカー」を指向していたこともあって、とても苦労させられたよね。

この「戦術サッカー」という視点については、長谷川健太監督も、小さく頷いていたっけネ。

そう、FC東京は、マリノスがブチかます攻撃サッカーの「人とボールの動き」を寸断することを意図してプレーしたんだ。

そして、横パスやタテパスに狙いをさだめてアタックし、そこでボールを奪取するやいなや、超速カウンターをブチかましていったんだ。

そして、先制ゴールだけじゃなく、2本、3本と、ゴール機会を創りだしつづけたんだよ。

まあ、先制ゴールは、味方ディフェンダーとGKがクラッシュするといったマリノスの自滅だったけれど、その後のFC東京のカウンターは、素晴らしくクリエイティブなモノだった。

というわけで、前述したように、マリノス監督ポステコグルーにとって、そんな展開は、許容できるモノじゃなかったというわけさ。

実はわたしも、ポステコグルーが言っていたように、選手たちの「闘う意志」が大きくダウンしていたことが、その要因だったのかもしれないと感じていた。

そう、だから、人の動きの量と質がダウンすることで、ボールの動き(パス)も減退し、結局は、FC東京が仕掛ける効果的インターセプトの餌食になるシーンが増えたっちゅうわけだ。

でも・・

そう、後半は、まったく別モノへと、ゲームが変容していくんだ。

マリノスが、彼ら本来の、人とボールが活発に「動き」つづけるダイナミックな攻撃サッカーで、FC東京を押し込みはじめたんだよ。

彼らは、ボールを奪われた瞬間に、これ以上ないほど素早く攻守を切り替え、そして、まさに全力のフルスプリントで、FC東京のボールを追い掛けたんだ(チェイス&チェック!)。

そして・・

ここが勝負の分かれ目になるワケだけれど、とにかくマリノス選手は、「どんなことをしても、FC東京のタテへの動きを止めるんだ!!」っちゅう覚悟のエネルギーを放散していた。

もちろん、そんなハードな「局面デュエル」は、多くのケースでファールにはなった。でも、それで、FC東京のタテへの動きはストップできたんだ。

わたしは、この、覚悟のチェイス&チェックがチーム全体のダイナミズムを何倍にも引き上げたと感じていた。

そしてマリノスは、まさに正当な報酬としてのドローを勝ち取ったというわけだ。

とにかく、この試合での、前半と後半のゲーム内容コノテーション(言外に含蓄される意味)の変容は、興味深いコト、この上なかった・・ということが言いたかった。

最後に、二つのテーマを書き添えます・・

一つは、ポステコグルーが主張した、「サッカーは本物の心理ゲーム・・」という視点。

彼の表現ニュアンスは、こんな感じだったですかね・・

・・すべてのゲームを全力でプレーすることが大事・・

・・それがなければ、理想とするサッカーには近づけない・・

・・要は、意識と意志の問題だ・・

・・気持ちの持ち方で、サッカーはガラリと変わるんだよ・・

・・だからこそ、情熱をもってサッカーに取り組むことが大切なんだ・・

いいね〜、ポステコグルー。ファンになりそうだよ。

そしてもう一つ・・

それは、どんどん良くなっている「長谷川FC東京」というテーマ。

わたしは、このところのFC東京は、ダゾンでしか観られていないけれど、それでも、彼らの、とてもインプレッシブな進化は、明確に体感していた。

そう、全体的な攻守ハードワークの量と質が、格段にアップしているんだよ。

それにつれて、連動するコンビネーションをベースにする攻撃でも、しっかりとスペースを突いていけるようになっている。

また、久保建英という希代の才能に対する、ゲームでの使われ方という視点も含めた「コーチング内容」についても、それが、とても効果的にマネージされているコトを体感できる。

それは、もちろん、長谷川健太という「ストロングハンド」の為せるワザ。

とにかく、長谷川健太もまた、とても良い仕事をしている。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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