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2018_WMの11・・眼前でブチかまされる肉弾戦を観ながら、攻守ハードワークの何たるかと、チーム内のフェアな競争環境整備の難しさに思いを馳せていたっけ・・(ベルギーvsチュニジア、 5-2)・・(2018年6月23日、土曜日)

さて今日は、スタジアム観戦のベルギーvsチュニジア戦からいきましょうか。

ところで、私がもらったメディアシート。

それは、グラウンドから十メートルと離れていない、ベルギーベンチのすぐ裏手だったんだ。

もちろん、両チームの、ボールがないところでの動きの量と質、だまし合いのドラマなどを、俯瞰(ふかん)して確認するのは、とても難しいシートではあったさ。

でも、そんな「現場に近接するシート」からの観戦には、それなりの意味もあったんだ。

いや・・

実は、そんなディスアドバンテージのシートだったからこそ、「そこ」でしか得られない「何か」を積極的に探すことにした・・といった方が正しい表現だね。

そして見出したんだよ。

そう、その、筆舌に尽くしがたい、ボールがないところでのせめぎ合いの臨場感。

何せ、世界の強者どもが、私の目の前で、まさに全力でぶつかり合うんだからネ。

その肉弾戦が発するノイズに、忘れていた感覚を取り戻したように思ったモノさ。

そして、再び思いを巡らせていたんだ。

・・「ホンモノ」の攻守ハードワークの何たるか・・「ホンモノ」の局面デュエルの何たるか・・

そう、バランスを執りながら狙いを定め、チャンスを見計らって、勝負にいく・・

その、「いくときの迫力」が、ベルギーでは、たしかにレベルを超えていた。

そうだね〜・・、「静と動のメリハリ」っていうふうに表現できるかね。

「狙いを定めるプロセス」のイメージング段階と、勝負アクションへ爆発するときの、メリハリ。

ベルギーの「それ」からは、まさに、猛禽類の狩りを彷彿とさせられるじゃないか。

そう、その「静と動のメリハリ」という視点では、ベルギーとチュニジアで、まさに二クラスの違いがあったんだよ。

そう、ベルギーは、「狙うための基本」である、チームメイトたちによる、チェイス&チェックなどの守備ハードワークが、とても効果的だったんだ。

それに対してチュニジアは、まさに「ぬるま湯」。

ベルギーが魅せつづけた、ボール奪取プロセスでの守備ハードワーク。

彼らが、とても効果的に「狙える」のもうなづける。

それこそが、チーム内に深く浸透した「相互信頼」の証っちゅうわけだ。

このコラムでは、ベルギーとチュニジアの間にある「サッカー戦術的な差」というテーマで語ろうとしている。

まあ、守備については、「行く」ときの迫力と実効レベルが、その事前の「準備アクション」によって決まるっちゅうことだね。

そして、次が攻撃。

そこでは、もちろん、両チームの「スペース感覚の差」についてディスカッションしなきゃいけない。

ルカクの3点目シーン・・

そこでは、タテの決定的スペースへ走り抜けるルカクへ、余裕をもってボールをキープしていた右サイドバック、トーマス・ムニエから、相手の股間を抜くスルーパスが出されて勝負あり。

そのシーンに象徴されていたように、ベルギーの攻撃では、仕掛けの起点となるスペースの攻略と、最終勝負で狙いを定める「決定的スペース」が、常に意識され、準備されているんだ。

ベルギー選手たちでは、どのように人とボールを動かして「そこ」を攻略していくかについての「プロセス・イメージ」が、ホントに素晴らしく「シンクロ」していると感じる。

さすがに、世界のベルギーということだね。

対するチュニジア・・

たしかに局面でのボール扱いでは、北アフリカの雄、チュニジアは、上手い。

でも、そこから「個のドリブル勝負」でスペースを突いていくような仕掛けがままならないのだから、もっとしっかりと人とボールを動かす組織プレーを進化させなきゃいけない。

でも・・

まあ、この試合では、「表面的に上手い」世界の二流と、チームとしてまとまった「世界超一流」の差を体感させられたというわけさ。

そう、世界の超一流は、上手いだけじゃなく、攻守ハードワークを決してサボらず、自ら率先して「仕事を探しにいく」んだよ。

そうでなければ、決して、チーム内ヒエラルキーで、確固たるポジションを築けない。

それが築けなければ、「使われる汗かき」に徹するしかない。

それじゃ詰まらない。

だから、競争をフェアに勝ち抜こうと頑張る者がいる。

でも逆に、チーム内ポジションをアップさせるために、汗をかくのではなく、スポンサーなどを活用する「政治力」を行使しようとする輩もいる。

もし現場の責任者たちが、「後者の蛮行」を認めてしまえば、すぐにでもチームは崩壊の危機に立たされてしまうっちゅうわけさ。

いままで私は、そんな危機的な状況を、何度も、当事者として、また第三者として体感してきた。

難しいよね、とても深い意味を内包する「フェアな競争環境」を、健全なカタチで構築し、その心理環境を「高み」で安定させるのは・・。

あっと・・

もちろん今のベルギーには、そんな「健全な心理環境」が、とても高い次元で整っていると思うよ。

またチュニジアにしても、健全な心理環境はあると思う。

でも・・サ、あれだけ足許が上手い選手たちに、攻守ハードワークを積極的に探しつづけせさるのは容易な仕事じゃないからね。

フムフム・・

私は、このゲームでの肉弾戦を体感しながら、そんな、チーム作りの(フェアな心理環境の整備!?)難しさまでも思い出していたんだ。

さて、次は、敬愛に値する「魂の闘い」を披露しつづける韓国が、強いメキシコに挑む勝負マッチだね。

お互いに楽しみましょう。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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