トピックス
- 2018_WMの18・・国際化と情報化によって、世界の「差」は、着実に縮まりつづけている・・その事実を再認識できてハッピーだった・・(ポルトガルvsイラン、 1-1)・・(2018年6月25日、月曜日)
- このゲームの興味は、何といっても、実力アジアNo.1のイランが、現役ヨーロッパチャンピオンのポルトガルに、どの程度「抗して」いけるのか・・というポイントです。
そして・・
そう、イランが、期待していたとおり、立派なサッカーを魅せてくれたんだ。
たしかに、個のチカラで秀でているポルトガルは、組織的な仕掛けがうまくいかなくても、個の勝負でスペースを突いていける。
だから、徐々にポルトガルが、イニシアチブを握る・・という展開になっていくわけさ。
それでも・・
そう、イランは、決してビビることなく、連動する組織ディフェンスを存分に機能させながら、ポルトガルの強力な仕掛けを潰しつづけるんだ。
特に、局面デュエルでのフッ切れた闘いや、ポルトガルの最終勝負を、しっかりと予想しながら、素晴らしい機能性を発揮するカバーリングなど。
素晴らしい。
同じアジア人として、とても誇りに感じていましたよ。
でも・・
そう、前半のロスタイム、右サイドからのシンプルなワンツーで抜け出したクアレスマに、右足のアウトサイドで、左ポスト際のサイドネットに、ズバッとミドル弾をブチ込まれてしまうんだ。
まあ、最後は「個のチカラの差」で勝負を決められた・・ってな感じの先制ゴールではあった。
そして、後半・・
早々にクリスティアーノ・ロナウドへのファールでPKを得たポルトガル。
でも、そのロナウドが蹴ったポールを、イランGKが、ズバッとキャッチしちゃうんだよ。
なんか・・ドラマの予感がしてきた時間帯ではあった。
実際、その後のイランは、「失うモノなど何もない・・」という事実を再認識したことで(!?)、ガンガン攻め上がっていくようになったんだ。
・・「あの」PKが入っていたら、その時点で勝負ありだった・・
・・そうだよ・・もう失うモノなんか、何もないんだ・・
・・そんな状況で、安定プレーなんか志向して結果が出なかったら、後悔が残るだけじゃないか・・
そしてイランが、ヨーロッパチャンピオンのポルトガルに対して、まったくビビることのないフッ切れた闘いを挑んでいくんだ。
そりゃ、局面での攻守デュエルでは、ポルトガルに「やられて」しまうシーンの方が多いさ。
でもイランの強者どもは、やられても、やられても、決してメゲることなく、次、その次のと、攻守ハードワークとリスクチャレンジを、積極的に「探しつづける」んだ。
そう、西野ジャパンのように・・ネ。
もちろん、時間をかけて分析しなきゃいけないけれど・・
わたしは、今回ワールドカップでの特筆ポイントが、サッカー関係者が、世界全体の「チカラの差」が、継続的に縮まってきているという事実を体感しているコトかもしれないと思っているんだよ。
そう、世界的な「国際化」と「情報化」のタマモノっちゅうわけさ。
国際化によって、優れた選手たちが、どんな世界の田舎からでも、世界中の強豪リーグで活躍できる環境が整ってきている。
また、どんなに世界の果てだとしても、テレビやコンピュータ、はたまたスマホなどによる映像情報で、ユース選手たちが、世界の超一流選手たちのプレーを「擬似体感」できる。
イメージトレーニング(真似)こそが、ホンモノの進化を加速させる、もっとも効果的ツールというわけさ。
私は、自分の経験と体感から、その「事実」を知っている。
だからこそ、世界の差は、これからも不可逆的に「縮まり」つづけていくのさ。
でも、もちろん、生活文化とか社会的なシステム、またそれ以外の、複雑な事情によって、その進化にブレーキが掛かってしまうような国や地域はあるでしょ。
でも、世界的な傾向として、「差」が縮まりつづけていることは確かな事実なんだ。
この試合で、その「事実」を体感できたこと、また、アジア最強のイランが、世界の強豪に対して、存分に「抗していける」と体感できたコトで、とてもハッピーだった筆者でした。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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