トピックス
- 2018_WMの32・・まあ、実力的に少し上回る(そして人気も抜群の!)イングランドが準々決勝へ進んだコトで少し安心していた筆者でした・・(イングランドvsコロンビア、 1-1, PK戦=4-3)・・(2018年7月3日、火曜日)
- このゲームだけれど、ものすごく退屈な内容から、延長、PK戦とつづいていくなかで、どんどんとドラマチックな勝負へと成長していったね。
そして最後は、手に汗にぎるほどエキサイティングな勝負マッチになったっちゅうわけだ。
特にPK戦では、具体的なテーマを見出したコトもあったからね。
まあ、「そこ」に至るまでは、変化の少ない退屈な展開だったのも確かな事実だったけれど・・
そんな全体的な「勝負の流れ」だけれど・・
それは、ハリー・ケインの先制PKゴールも含めて、たしかにイングランドに傾いていたんだ。
それでもコロンビアは、最後の最後まで、粘りに粘った。
その粘りを観ながら、「そんな勝負へのこだわり」もまた、これから日本が学ぶべき、大切なモノの一つなんだろうな・・なんて感じていたっけ。
あっと・・、そんな「勝負の流れ」とは一線を画する「ゲームの実質的な内容」だけれど・・
実は、イングランドがイニシアチブを握っているように見えてはいたけれど、私は、実質的なゴール機会という視点では、互角以下だったのしれない・・と思っていたんだ。
何せ、前回コラムでも書いたとおり、イングランドの攻めでは、明らかに「組織コンビネーション・イメージ」に大きな課題が見え隠れしていたわけだから・・。
ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションなどは、まったく観られず、どちらかといったら、個の「ゴリ押し勝負」ばかりが目立っていたんだ。
そして最後は、ハイクロスをハリー・ケイン目掛けて送り込んだり、ジェシー・リンガードやラヒーム・スターリングといったところが、チカラワザの勝負ドリブルで最終勝負を挑んでいったり。
それじゃ、シュートまで行けないだけじゃなく、決定的スペースの攻略だってままならないのも道理だよな・・なんて思っていたんだよ。
とはいっても・・
対するコロンビアも、ハメス・ロドリゲスを欠いていることで(!?)、どうもうまく仕掛けプロセスを回すことが出来ないんだ。
そんななかで、一つだけポジティブなポイントを見出していた・・
そう、ハメスがいると、遠慮して(!?)使われ役に徹さざるを得なかった「フアン・キンテーロ」が、何か、水を得た魚のように活き活きと走り周り、とても頻繁にボールに触りながら、チャンスメイカーとしての存在感を高めていたんだよ。
それこそ、「ケガの光明」っちゅうことだったんだろうね。
でも、そんな活性化したキンテーロをもってしても、うまく仕掛けていけないコロンビアという現実は、動かしがたいモノだったね。
そんなだから、ハリー・ケインに一発PKゴールを決められた後、前への勢いを増していったコロンビアではあったけれど、「あの」強力なイングランド守備ブロックを崩し切れなかったのも当然の成り行きだった。
そして、どんどん時間が過ぎ、後半のロスタイムに入ってしまったんだよ。
その時点でわたしは、荷物を整理しはじめたっちゅうわけさ。
でも・・
そう、まさに、最後の最後に、ドラマが待っていたんだ。
それは、後半ロスタイムの93分にコロンビアが得たコーナーキックシーン。
バルサで活躍するスーパーセンターバックの「ジェリー・ミナ」が、起死回生の同点ゴールをアタマで叩き込んだんだよ。
わたしは、ビックリして、コンピュータを落としそうになった。
狂喜乱舞する、死の淵から生き返ったコロンビア。
そんなだから、延長前半の彼らは、まさに元気と勇気100倍ってな感じで、ものすごく活き活きと攻め上がっていったんだ。
でも・・
そう、逆に、延長後半の彼らは、完全に、その勢いの燃料が切れた。
そして、レギュラータイム全般のように、再びイングランドがイニシアチブを握り、とても惜しいチャンスまで創りだした。
でも、結局は・・
ということで、PK戦・・
その「数字的な内容」については、別のサイトを参照していただくとして、ここでは、両チームのPKのコノテーション(言外に含蓄される意味)として気付いたポイントを、短くレボーとします。
まず、コロンビア・・
最初のファルカオ、クアドラード、ムニエルと、それぞれに蹴ったコースは違っていたけれど、そのキックは、一様に、ゴールの上半分を狙っていたんだ(まあムニエルだけは少し低かったけれどサ)。
それは、ちょっとでも蹴りどころを誤るとバーを越してしまうような、とても危険なキック。
サッカーをやったことがある皆さんは、よくご存じですよね。
でもコロンビアは、明確な意志をもって、ゴール上半分を狙って蹴っていた。
たしかに、そこに蹴られたら、どんな優秀なGKでも、触れないのが当たり前だよね。
多分それは、彼らが、そのキックを、目を閉じていても出来るくらいにトレーニングしたこと証なんだろうな・・。私は、そう思っていました。
それに対してイングランド・・
こちらは、最初のハリー・ケイン、次のラシュフォード、また、相手GKに止められてしまったヘンダーソンにしても、とても鋭く、低いボールを、ゴールの端ゾーン(まさにサイドネット目掛けて!)蹴り込んでいたんだ。
これまた、まさに強烈な意志をもって、正確に「そこ」へ蹴り込んでいたんだよ。
これもまた、眼をつぶってでも「そこ」へ蹴り込めるくらいトレーニングを積んだ証というわけさ。
・・ということで、3人目までで、「3-2」と、コロンビアがリードする展開になったんだ。
でも・・
そう、コロンビア4人目のウリベの蹴った、例によってゴール上半分を狙ったボールは、無情にも、バーを直撃してしまったんだよ。
それは、バーの下側に当たって跳ね返り、ゴールラインの手前の地面を叩いた。
そう、一般的に、そのコースを狙ったときの、もっとも大きな危険が現実になってしまったんだ。
それに対して、イングランド4人目のトリッピアーが蹴ったボールは、前の三人とは違い、高めの強いボールが、ゴール左上角に吸い込まれていった(傾向とし
て彼だけが高めに蹴ったわけだけれど、それは、コロンビアGKが低い弾道のボールを予測していると思ったからかもしれないネ・・へへっ・・)。
とにかく、「凄いネ、イングランド・・」そう感じていた。
これで、「3-3」。
もちろん「そこ」からは、サドンデスだ。
そして、コロンビア5人目のバッカ・・
彼もまた、ゴール上半分を狙った。でも、そのコースは、「センターゾーン」。
このところ、「真ん中」を狙うPKはトレンドだよね。
もちろんイングランドGKピックフォードも、そんな「中央ゾーン狙い」も、何となく視野に入っていたんだろうね。
右へ飛びながらも、中央ゾーンから少しコースが(ピックフォードが飛んだのと同じサイドへ!!)ずれたバッカのPKを、左手1本で弾き出したっちゅうわけだ。
そしてイングランド5人目のダイアーが右足で蹴ったボールが、これまた正確に、左のサイドネットの低い部分に吸い込まれていった・・っちゅうわけさ。
フ〜〜ッ・・
やはり・・、PK戦の方が、何倍も興奮させられたよね。
もちろん、「ある視点」をもって観察していた・・という意味も含めて・・ネ。
ということで、実力的に(少しだけコロンビアを!)上回るイングランドが、準々決勝でスウェーデンと当たることになって、チト安心していた筆者だったのでした。
何せイングランドの人気は、すごいからね。これで大会の盛り上がりも、高みで維持されることでしょうね。
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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