トピックス
- 2018_WMの33・・典型的なトーナメント勝負マッチ・・フリーキック一発で、実力が上のフランスが実質的な勝利を決めた・・(フランスvsウルグアイ、 2-0)・・(2018年7月6日、金曜日)
- そうさ・・・、一発勝負のトーナメントだから・・。
そう・・、互いに、極限の集中力で、決して「過ぎる」ことのない攻守リスクチャレンジもミックスしながら・・っていう、完璧に「安定志向」の勝負マッチが繰り広げられたんだ。
だからこそ・・
そう、セットプレーと(全てのタイプの!)クロスボール「のみ」が、チャンスメイクのリソースだったというわけだ。
あっと・・、ロングスローも、クロスと同様の効果があったね。
とにかく、一発勝負だからこそ、(次のデイフェンスを考えて!?)前後の人数とポジショニングバランスを完璧にマネージしながら、注意深く攻め上がっていく両チームなんだよ。
そこじゃ、美しく勝つためには絶対に欠かせない、積極的にバランスを崩して攻め上がるような(素早い攻守の切り替えと極限ハードワークが大前提になる!?)、チト大きめのリスクは冒さない。
そう、一発勝負ということで、攻め上がる状況での守備ブロックも、「次」を強烈に意識しているんだよ。
だからこそ、両チームともに、効果的カウンターをブチかますことが、ままならないというわけだ。
そりゃ、そうだ。
何せ、両チームともに、「最初から」守備ブロックのバランスが執れているんだからネ。
ということで、クロス(ロングスロー)とセットプレーだけしか「攻め手」がない・・っちゅう、とても静的なゲーム展開がつづいていたんだ。
特にクロスボールは、強烈な戦術サッカーのぶつかり合いだからこそ、アバウトでも、とても効果的なチャンスメイクにつながることがある。
まあ、とはいっても、やはりフランスの方が、イメージをシンクロさせる「意図のあるクロス」を、効果的にブチ込んではいたけれど・・さ。
そして、唐突に・・そう、ゲームの流れからすれば、ホントに唐突に先制ゴールが決まったんだよ。
前半40分のことだった。
グリーズマンのフリーキックから、ヴァランが、一発ヘッドで決めたんだ。
このシーンだけれど・・
そこには、とても深いコノテーション(言外に含蓄される意味)があった。
それは・・
グリーズマンの、狙いすましたフリーキックが、相手ディフェンダーの正面へと、正確に飛んでいったというグラウンド上の現象からスタートした。
でも「それ」には、悪魔の意図が込められていたんだ。
そう、相手ディフェンダーの正面に蹴ることで、その相手の「動き」を止めてしまう・・というワナが仕掛けられたっちゅうわけさ。
そして最後の瞬間、そのウルグアイディフェンダーの眼前を、「白い影」が横切った・・っちゅうわけだ。
その白い影は、ヘディングを叩き込んだフランスのセンターバック、ヴァラン。
彼は、後方から、マークしていたウルグアイ選手を振り切り、(グリーズマンの)眼前に飛んでくるクロスボールに身構えているウルグアイ選手の眼前に飛び出した・・っちゅうわけさ。
そのフリーキックゴールは、グリーズマンとヴァランの、最終勝負イメージが、完璧に「シンクロ」していたからこそのモノだった。
それもまた、トレーニングの賜物っちゅうわけさ。
もう一つ語らせてもらえば・・
そこには、レベルを超えて正確にパス(クロスなど)を送り込める才能キッカーの価値が、大きな注目を集めるバックボーンもあるという視点。
そう、デービッド・ベッカムや中村俊輔、トニー・クロース、そしてグリーズマンなど・・
もちろん、ピルロとか、シャビとか、数え上げればキリがない。だから、ここでは・・
そして・・
後半16分には、それまで、とても不安定なプレーをしていたウルグアイGKムスレラが、致命的なミスを冒し、2失点目を献上してしまった。
ゴールゲッターは、前述したキックの天賦の才、グリーズマン。
それは、ゴール前20メートルくらいから放った、左足のミドル弾だった。
そう、えも言われぬほど美しい「無回転ボール」。
後で、ディスプレイに、そのボールの軌跡が、スローモーションで明確に映し出された。
ものすごい「ブレ球」。
それについては、もうかなり前のことだけれど、ドイツの伝説的スーパーGKのオリバー・カーンと話したコトがあった。
・・オマエには、分からないだろ・・
・・そのブレ球が正面から飛んでくる状況にいなきゃ、その怖さを分かるはずがない・・
・・シュートされたボールが、少しでもブレたら、キーパーは、その何倍ものリアクションが必要になるんだよ・・
・・何せオレ達は、蹴られた次の瞬間には、ボールの軌道をしっかりと把握してアクションしなきゃいけないからな・・
・・でも「それ」が、少しでも変化したら、信じられないほどプレッシャーに襲われるんだ・・
・・だからオレは、そんなブレ球のときは、キャッチしたりパンチング等にトライせず、とにかく、身体のどこかにブツけて、ボールがゴールに入るのを防ぐことを優先するんだ・・
私は、そのウルグアイGKのプレーを観ながら、オリバー・カーンの言葉を思い出していた。
そう、ウルグアイGKムスレラは、その「ブレ球」を手で弾こうとしたんだよ。
そしてパンチしそこね、ボールが、そのままフラフラとウルグアイゴールに転がりこんでいったっちゅうわけだ。
これで、フランスの「2-0」のリード。
もちろんウルグアイは、「バランスを崩して」攻め上がっていく。
そこでは、二つのテーマに注視した。
一つは、そんな展開になったからこそ、フランスが、とても効果的にカウンターをブチかましはじめたっちゅうこと。
まあ、実際にゴールはブチこれなかったけれど、そのカウンターの流れから、少なくとも二つはチャンスを創りだした。
そしてもう一つ・・
それは、フランス守備が、最終ラインとダブルボランチ(カンテとポグバ)で構成する(ベースの!)守備ブロックを中心に、ものすごく安定し、そして堅牢なこと。
ウルグアイは、まったくといっていいほど、フランス守備の「ウラの決定的スペース」を突いていけなかったんだ。
ウルグアイには、彼らが誇る、「二頭ポストプレイヤー」の一角であるカバーニを欠いていたという厳然たる事実が、重くのしかかっていたということなんだろうね。
とにかく私は、チーム総合力として、フランスに一日の長があったと思っていたから、彼らが準決勝に進んで、とても満足していたのでありました。
さて・・これからブラジル対ベルギーの熱戦だ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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