トピックス
- 2018_WM雑感の11(最終回)・・ディスプレイ観戦について・・また軽く、この30日間を、サッカー的に振り返ります・・(2018年7月17日、火曜日)
- さて、今回のW杯も、意義あるサッカー三昧ということになりました。
まあ・・
たしかにスタジアム観戦は、いつもの大会よりは少なめだったけれど・・。
でも逆に、すべてのチームのサッカーを、自分なりに分析できた(学習機会)という意味合いで、意義深かったとも言えそうな感じ・・。
動き回っていたら、そりゃ、観察し、分析できるチームやゲームは限られてくるからね。
とにかくここは、とてつもなく広大なロシアなんだよ。
フ〜〜ッ・・
ということで、スタジアム観戦とディスプレイ観戦の効果的コラボレーションという意義あるサッカー三昧を支えてくれたバックボーン・・
それは、メディアセンターに設置されている、大画面の「4Kテレビ」と、(サッカー好きによる!?)現場カメラワーク・・ってなところですかね。
もちろん・・
スタジアム観戦に比べればディスプレイ観戦は・・
グラウンド全体を俯瞰(ふかん)していなきゃ得られない、ゲームの大きな流れや、各チームの全体的なゲーム戦術イメージングだけじゃなく・・
ボールがないところでの「マークのせめぎ合い」や「フリーランニングの爆発スタート」といった「5秒間のドラマ」が、映像でカバーし切れていなかったという不満は残るよね。
そう、肝心の瞬間に、カメラが「寄り過ぎている」っちゅう不満は、常にあったんだ。
例えば、勝負の流れが「反転」するかもしれない、「攻守切り替えの瞬間」とかね。
そこでは、ボールまわり「だけ」を映すのでは、足りないんだ。
そんな時こそ、逆サイドや、最後尾プレイヤーの爆発スプリントという決定的アクションに秘められる「勝負イメージの意図と意志」を体感できなきゃいけないっちゅうことさ。
そんな小さな不満は残るものの・・
まあ、これまでと比べりゃ、かなりのレベル情報を充足できるディスプレイ観戦ではありました。
________
さて・・
ということで、簡単に、大会全体を「サッカー的に」振り返っておきましょうかね。
まず何といっても・・
そう、ドイツの予選リーグ敗退というショッキングな「事件」。
私は、「ドイツ対メキシコ」に間に合うように日本を後にしたのですが、そこで、グループ敗退の端緒となった敗戦を目撃させられたんだよ(そのコラムや雑感コラムをご覧あれ)。
でもその時は、「脅威と機会は表裏一体・・」という普遍的な概念に基づき、チームのより強固な結束を期待するなど、ドイツ代表に対する信頼は厚かったんだ。
なんといっても、2014年ブラジルW杯での優勝を、現地マラカナン・スタジアムの記者席で体感していたわけだからね。
そりゃ、逆境になればなるほど「強さを発揮するドイツ代表・・」というチームマネージメントに期待するのも道理でしょ。
でも・・
そう、そこからのドイツ代表は、結局は、鳴かず飛ばず。
だから私も、今回のチームを、「世界王者から次の世代への過渡期グループ」というふうに捉えざるを得なくなったっちゅうわけさ。
まあそれは、自分自身に対する「慰め」でもあったんだろうね。
ということで・・
ドイツ以外の大きな期待外れは、やっぱり、アルヘンティーナだったよね。
メッシを、チームの戦術的コアに置き「過ぎた」ことが、敗因の最たるモノだったと思う。
まあ、前回のブラジル大会では、「そのやり方」で、決勝まで駒を進め、南米予選でも勝ち残れたのだから、世の常で、「仕方ない・・」という側面もあるかもしれない。
でも結局は、メッシの(またマスチェラーノやディ・マリアの!?)個人的な衰えに準じて、チーム力もダウンの一途をたどった・・!?
さて〜・・
ただ、そんなアルゼンチンに対して、ブラジルは、負け方のコノテーション(言外に含蓄される意味)がまったく違った。
彼らは、最初から最後まで、チャレンジャブルな美しいサッカーであるにも関わらず、勝負強さも発揮していたんだよ。
だから、彼らの敗退は、サッカーの神様が書いたスクリプトによる、サッカー的な(ツキに見放された!?)結果だった!?
まあ・・そういうコトだったんだろうね。
とにかく彼らは・・
内容と結果を、高い次元でシンクロさせられる、今大会ナンバーワンチームだったんだ。
でも・・
まあ、それもサッカーさ・・
ということで、西野ジャパン・・
彼らについては、試合コラムや雑感コラムで何度も取り上げたから、そちらを参照して下さい。
とにかく、彼らが、日本サッカーをポジティブにデモンストレートしてくれたことに対しては、敬意と感謝しかありません。
あっと・・その他のアジア勢・・
オーストラリアも、イランも、サウジアラビアも、また「強烈な闘う意志」という視点で、韓国も、「アジア」を強くアピールしてくれた・・と思う。
また、モロッコやチュニジア、エジプト(彼らは地中海沿いの北アフリカ!!)、はたまた日本と同グルーブで闘ったセネガルのアフリカ勢も、そのスマートな高質サッカーで、存在感を発揮した。
スマートな高質サッカー・・
もちろん、アフリカ的なフィジカルの強さと足許のテクニックは言うに及ばず、サッカー自体の、攻守にわたる組織マインド(戦術イメージ)も、とても洗練されてきているっちゅうことさ。
それもまた、世界的な国際化と情報化のタマモノっちゅうことなんだろうね。
そして・・
そう、準優勝のクロアチアと三位を勝ち取ったベルギー。
彼らが魅せてくれた、スマートで積極的な攻撃サッカーは、観る者を魅了した。
特に、クロアチア。
彼らは、3試合もつづけて延長戦を戦い、決勝で当たったフランスよりも、休息日が、フルの1日間、少なかったんだよ。
にもかかわらず彼らは・・
まったくといっていいほど、運動量と、攻守ハードワーク(全力スプリントの量と質!)がダウンせずに、最後の最後まで、素晴らしい「美しく勝つサッカー」を魅せつづけてくれた。
彼らを観ていると、パフォーマンスダウンに対して、「疲労」などといった言い訳がまったく通用しなくなる・・なんてコトまで考えてしまう。
出来の悪いサッカーについて、メディアなども含め、安易に「疲労」なんていう言葉を用いて説明しようとすることに、とても大きな違和感を抱いている筆者なのだ。
そう、不確実なファクターが満載のサッカーは、究極の、意志の(心理的な)ボールゲームなんだよ。
ということで・・
何か、気の向くままに「書きなぐった感」があるから、どうしようか迷ったけれど・・
でも、やっぱり、「エイヤッ!!」でアップすることにしました〜・・
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では、次は、帰国した当日(7月18日、水曜日)に埼スタで行われる「J」のナイター、レッズ対グランパス戦をレポートします。
オズワルドさん・・心から楽しみにしていますよ。
それでは皆さん、長い間、お疲れ様でした〜〜・・
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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