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- 2018_WM雑感の8・・サンクトペテルブルクからモスクワまでの、ネガポジ満載のスーパーな情緒の揺動!?・・へへっ・・(2018年7月11日、水曜日)
- いま、やっと、本当にやっと、モスクワのルジニキ(旧スターリン)スタジアムに到着しました。
でも・・
そう、そのプロセスは、まさに、青息吐息・・ってな体たらくだったんだ。
いや・・、そこでは、とてもポジティブな「心の体験」もあったから、スーパーな情緒の揺動・・ってな感じとも表現できるカネ・・。
へへっ・・
ということで、今朝のこと、昨夜のコラムでも書いたけれど、サンクトペテルブルクからモスクワへは、電車の予約をキャンセルし、「とても高い」フライトを探し出したんですよ。
だから、少し時間ができた(と、そのときは、そう思っていた・・)。
ということで、空港へ向かう前に、エルミタージュ美術館を尋ねようと、散歩がてら、ホテルをチェックアウトして歩きはじめたんです。
地図をみて確認したんだけれど、新幹線の駅から真っ直ぐの大通りをいけば、自動的にエルミタージュ美術館に到着する・・はずだった。
でも・・
そう、いくら歩いても、まったく、それらしき建物が見えてこない。でも、地図を信じて、そのまま歩くこと1時間あまり。
我慢しきれなくなって、道行く方に尋ねることにしたんだよ。そしたら・・
そう、例によって、まったく英語での会話が成り立たないんだ。
でも・・
そう「エルミタージュ」という言葉だけは分かってくれたみたい。
そして、ニコッと笑って、スマホの地図を示してくれたんだ。
そしたら・・
なんと私は、2倍もの距離を「行き過ぎて」いたんだよ。
仕方なく、戻ること30分。やっとエルミタージュ美術館に到着したけれど・・
疲れ切ってしまっただけじゃなく、飛行機に乗るときの様々な「困難」を思いだし、結局、入館するのを諦めることにしたんだ。
飛行場での困難・・
皆さんもご存じのように、まずセキュリティーチェックが、とても厳しくなっている。
それだけじゃなく、W杯期間中ということで、ものすごい人の波なんだ。
あっと・・
それは、空港に入ってからのハナシだった。
その前に・・
そう、エルミタージュ美術館を諦めたトコロからのハナシをスッ飛ばしてしまった・・
ということで、近くの、とても気持ちの良いレストランに腰を落ち着けることにしたんだ。
そこでキャフェオレを頼んだのだけれど、そのフィールドマネージャーが、とても良い感じだったから、彼に、空港までのタクシーを呼んでもらうことにしたんだ。
そこまでは、まさにパーフェクトだったんだよ。
気持ちよいソファーに、美味しいキャフェオレ、そして素晴らしい(英語も解する!)サービス。
でも、そのフィールドマネージャー氏が、こんなことを言うんだ。
・・知り合いが、アルバイトで白タクみたいなコトをやっているんですよ・・
・・私を信用していただけますか?・・空港まで「640ルーブル」です・・
そのとき、そのマネージャーの目を、ジッと見つめ、そして・・
・・もちろん信用しますよ・・その方でお願いします・・
ハナシは決まった。
そしてヒュンダイを駆る、その方の知り合いのクルマに乗り込んだっちゅうわけさ。
でもその知り合いの方、ドライブが、とっても巧い。ホントに、巧い。
そして、まさに、これ以上ないほどスムーズに、サンクトペテルブルクの「プルコヴォ空港」に到着したっちゅうわけだ。
でもそこで、ハッと不安になった。
・・彼はクレジットカードはダメだろうな・・でも今オレは、現金としては「5,000ルーブル」紙幣しかもっていない・・
案の定・・
彼が困った顔で、コチラを見つめるんだよ。
彼は、英語が、そんなに得意ではない。
だから、ものすごく易しい単語だけを、ゆっくりと彼に伝えた。要は・・
・・(自分を指さして)オレ・・この5,000ルーブル紙幣を、両替してくる(そのときは、紙に1,000と書き、そして五本の指を示した)・・オレのことを信用してくれる??・・
状況としては、とても微妙。
彼は、「ここは数分しかクルマを止められないから、いちどグルッと回ってくる。ココで、5分後か10分後に・・」なんていう意志を、カタコトの英語と、身振り手振りで伝えてきた。
その場所にくるまでは、大渋滞だった。にもかかわらず、彼は、一回りして、再びその大渋滞のなかを走ってくるって言うんだよ。
もちろん、互いに相手の目を見入る。そして、「トラスト・ミ〜」と言ったら、ニコッと笑い返してきたっちゅうわけさ。
それで、話は決まった。
そして、手を挙げて、私は、空港の構内へ・・
もちろん空港の構内で、紙幣を両替することなんて、ほとんど不可能だよね。まあ、分かってはいたけれど、とにかくトライするしかない。
彼との約束を破るわけにゃ、絶対にいかないからね。
だから、まず銀行を探しまくったけれど、ない。両替所では、まさに玄関払い。
最後の希望になったトコロ。それは、何か、とにかく現金を扱っているカウンターのようなところ。税金リファンドのカウンターなのかな・・
「両替は、許されていません・・出来ません・・」
カウンターの彼女は、そう、ニベもない。
こちらは、時間がないから、まさに焦りまくっている。構内に入るために、セキュリティーチェックまで受けたのに・・。
だから・・
「スミマセン・・本当に困っているんです・・タクシーは現金しかダメで、たしかに私のミスなんですが、私は大きな紙幣しか持っていないんです・・たしか
に、このまま逃げても、私が誰かも分からないわけだから、何も起きないでしょ・・でも、それでは私は、一生このことで苦しむことになるんです・・」
あっと・・その部署にいた人たちは、全員、英語を解するんだ。
そして・・みんな、私のハナシに耳を傾けている。
そのときの私の表情は、かなり切迫していたに違いない。
周りで聞いていた同僚の女性たちも、深刻な表情をしはじめた。
その担当してくれた彼女も、周りから注目されているから、規則を破るわけにゃいかない。
とても、とても、困った。
そのとき・・
その彼女の上司と思(おぼ)しき年配の女性が、ゆっくりと近づいてきたんだ。
そして、何事か、ロシア語で、指示を出した。
そしたら、その担当の彼女の表情が、本当に「ホッ・・」と緩み、ニコッと微笑んでから、両替してくれたんだよ。
もちろん、私は、彼女たちに、まさに最敬礼で、感謝した。
また、そこを離れてからも、再び手を振って感謝した。
そしたら、その部署の全員が(ほとんどが女性!)手を振り返してくれたんだ。
そのときの感性については、ご想像にお任せしますよ。
ホントに素晴らしい体験だった。
そして・・
そう、例の白タクのドライバーの方を探しに、再び構内から出たんだ。
でも、来ない・・
10分待っても、15分待っても、来ない。
もしかしたら、「どうせ乗り逃げされたに違いないサ・・」などと諦めて帰路についたのかもしれない。
でも、私は、待った。
そして20分ほど経過したときのことだ。
なんと、大渋滞の後ろのほうのヒュンダイの運転手が手を大きく振っているじゃないか。
彼だ・・
こちらは、もう飛び上がらんばかりの勢いで、車道に飛び出し、彼のヒュンダイに向かっていった。
そして・・
要求されたのは「650ルーブル」だったけれど、もちろん「1,000ルーブル札」を彼に手渡し、しっかりと握手をしながら、「スパシーバッ!!」ってネ。
それもまた、感動的な体感シーンだった。
もし彼が、諦めて姿を現さなかったら、もしかしたら、エルミタージュ美術館の例のキャフェまでとって返したかもしれない。
いや、たぶん、空港からタクシーをチャーターして、そうした。
そのままじゃ、まともな情緒でゲームを観ることなんて出来やしない。
とにかく・・
ホントに、良かった。
でも・・
そう、その後のフライトが、まさに最悪だったんだよ。
ロシアのローカル航空会社。それも、7割は、例の「アジアの大国」の方々だ。
もしかしたら、そのフライトは、彼らにチャーターされていたのかもしれない。でも、空いてる席がムダだから・・と、それを埋めるためにネットに載せた・・!?
そりゃ、分からないけれど、とにかく・・
それだけじゃなく、出発が1時間半も遅れ、到着したモスクワのシェレメーチエヴォ国際空港では、その敷地の、まさに端っこの駐機場まで「タクシーイング」していったんだよ。
到着が1時間半も遅れたにもかかわらず、着陸してから、その駐機場まで20分。また、そこでバスに乗り換えて、再び20分。
それは、時間的に焦りまくっていた私にとって、まさに、「心理鍛錬シチュエーション」そのものだった。
・・ダメだったら仕方ない・・現状は、誰にも変えられない・・とにかく今は、その事実を受け容れ、落ち着いて、冷静に言動しよう・・
ドイツで叩き込まれた社会的行動規範。
そのときも、「それ」を思い出して努力するモノの、やっぱり、憤りや変な興奮エネルギーばかりが先に出てくるんだ。
ホント、だらしない・・
そして、ギリギリで間に合った後は・・もちろん自責の念にかられまくる・・
自分自身に対する落胆レベルの深いコト、深いコト・・
落ち込んだよ・・ホントに・・
とはいっても、そんなネガティブな情緒を和らげてくれた経験もあった。
そう、例の白タク運転手や、両替してくれた彼女たちとの、心の触れあい。
それは、本当に、素晴らしい体験ではあった。
あっと・・あと20分ほどで、イングランド対クロアチアの勝負マッチがスタートする。
さて〜〜・・
・・ってな感じで、ものすごい勢いでキーボードをぶっ叩きつづけた筆者だったのであ〜る。
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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