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2019_ACL・・「2-0」にされてからのフッ切れた「解放サッカー」にこそ、いまのレッズが本格的に立ち直るためのエッセンスが詰め込まれている・・(チョンブクvsレッズ、2-1)・・(2019年4月24日、水曜日)

やっと「スイッチ」が入った・・

もちろん、後半立ち上がりのチョンブクに追加ゴールを奪われてからのレッズだよ。

そう、やっと、本当にやっと覚醒したんだ。

それまでのレッズは、もう完璧に、チョンブクに「やられまくって」いたわけだから。

その要因は、なんといっても、局面デュエルで凌駕されてしまったこと。

レッズは、2週間前の第一戦のように、攻守ハードワークとリスクチャレンジという闘う意志のファクターが「落ち着いて」しまっていたんだ。

それじゃ、ボールを奪い返しても、次の仕掛けの流れに乗ろうとする(その流れの勢いをアップさせようとする!!)3人目、4人目の、勇気あふれる押し上げが活性化するはずがない。

そして、レッズの「心の停滞」を見透かしたチョンブクの強者どもが、「ドカンッ!!」ってな爆発音が聞こえそうな鋭い「協力プレス」をブチかまし、ボールを奪い返してしまうんだ。

でも・・

そう、そんなジリ貧の展開から、やっとレッズの闘う意志に「スイッチ」が入るんだ。

後半3分、キム・シヌクにブチ込まれたヘディング追加ゴールによって、レッズの強者どもも、それまでの意志が減退したプレー姿勢から、完璧に解放されたっちゅうわけだ。

そして・・

その後のゲーム展開では、皆さんも観られたとおり、我々が期待して止まない、「いつもの攻撃的レッズ」が甦ったのさ。

このゲームには、初めから、そんな攻撃的な姿勢でゲームに臨んだはずなのに・・

そう、たしかに立ち上がりは、攻撃的なプレー姿勢が目立っていたよね。

もちろん、そんな積極的な攻撃姿勢は、ディフェンス(ボール奪取プロセス)に、如実に現れる。

そう、選手一人ひとりのプレーには、攻守ハードワークとリスクチャレンジを積極的にブチかましていくという覚悟が感じられたんだよ。

でも・・

そう、リカルド・ロペスが放った、スーパーな「ドリブル・ミドル先制弾」が、レッズの荒い鼻息をふさいでしまうんだ。

とはいっても、たしかに・・

その先制ゴールを奪われる前半12分あたりまででも・・

ボールめぐる局面デュエルの内実で、徐々にレッズは、チョンブクのダイナミズムに押され気味になっていったよね。

そして徐々に、立ち上がりの「意志のダイナミズム」が失われ、ゲームのイニシアチブを完璧に握られてしまうんだ。

だから、リカルド・ロペスの先制ミドル弾は、必然の失点だったのかもしれない。

あっと・・

覚醒してからのレッズのサッカーというテーマだった・・

とにかく、その「フッ切れた勝負プレー」は、観ているコチラも、元気と勇気をもらえるような、ダイナミックな「解放サッカー」だったんだ。

それって、チョンブクの「守備の勢い」が落ちてきたから・・!?

まあ、たしかに、「それ」もありそうだけれど・・

いや・・いや・・

それにしても、レッズが覚醒したことで、必然の「ゲーム展開」だったとも言えるよな。

いや、確かに、そうだったに違いないんだよ。

とにかく私は、そんな「ゲームの流れの変容」を観ながら・・

・・そうそう・・要は、不確実ファクターが満載のサッカーは、究極の心理ゲームっちゅうことさ・・

・・だからこそ・・

・・攻守ハードワークとリスクチャレンジこそが、質実剛健サッカーの絶対ベースというわけだ・・

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ちょっと視点を変えて・・

もしかしたら、キム・シヌクに追加ゴールを奪われてからの後半40分間は、レッズ再活性化プロセスにとって、とてつもなく重要な時間だったかもしれない・・というテーマ。

そこでレッズが展開したダイナミックサッカーを観ながら、そんなアイデアまでも、わたしのアタマのなかを駆けめぐっていたんだよ。

例えば、エヴェルトン・・

攻守ハードワークとリスクチャレンジの姿勢が、(何らかの怒りによって!?)格段にアップし、局面デュエルの内実が、何倍もアップしたと感じた。

だから、彼を起点にしたチャンスメイク・プロセスの内実も、それまでの彼のイメージを完璧に凌駕するレベルまで高まった。

山中亮輔・・

やっと、ホントにやっと、彼本来の、勝負ドリブル&危険な強烈クロスを魅せてくれた。

彼自身も、「良いイメージ」を思いだしたかのように、フッ切れた勝負プレーを連発していた。

もちろん、後方からは、青木拓矢が、中盤ディフェンスに奔走するだけじゃなく、攻撃でも効果的なゲームメイクで存在感をアップさせていた。

そんなだから・・

レッズのダイナミズムが、格段にアップするのも道理ってなことになったわけさ。

そして・・

・・鈴木大輔が、危険なオーバーラップを魅せたり、また守備でも、ギリギリの「最後の半歩プレー」が飛び出すことでピンチを救ったり・・

・・交替出場した汰木康也、岩波拓也、アンドリュー・ナバウトも、(たぶん彼らの体感イメージのなかでも!?)ベストプレーを連発する・・

そう、完璧に「解放された」、強烈な闘う意志のプレー。

だからこそ私は、「もしかしたら、この後半のサッカー内容こそが、本格的なレッズ再活性化の明確なトリガーになるんじゃないか・・!?」なんて思っていたわけさ。

そう、ホンモノの質実剛健サッカーを目指して・・

さて、ACLグループリーグは残り2試合。

今節の「北京vsブリーラム」は、ホームの北京が「2-0」の勝利を飾り、勝ち点「7」で、グループ順位を二位にアップさせた(チョンブクは勝ち点9でグループ一位)。

ということで、勝ち点「4」でグループ三位に後退したレッズだけれど、「このレッズ」だったら、必ず決勝トーナメントへ勝ち進むって確信できる。

ガンバレ〜・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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