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2019_ACL1回戦・・やっぱりウルサンは、とても強いチームだった・・それと、レッズの「規制と解放のバランス」というテーマも少しだけ・・(レッズvsウルサン、1-2)・・(2019年6月19日、水曜日)
				
   
   
   
   
			 
			
・・オメ〜ら、前半は、死んだふりしやがって・・
    
わたしは、会見での、ウルサン監督キム・ドフンのハナシを聞きながら、心のなかで、毒づいていましたよ。
    
それほど、ウルサンの前半と後半とでは、サッカー内容が(選手たちの意識と意志が!?)まったく別物だったんだよ。
    
前半は、完璧なブロック守備を敷き、たまにカウンターを仕掛けていく・・ってな、どちらかといったら安定志向のサッカー。
    
もちろん、たまに繰り出すカウンターに、ものすごく危険なニオイがプンプンしていたことは、言うまでもないけれど・・さ。
    
それが後半になったら・・
    
グループリーグのサッカー内容から、とても強く、良いチームだって私がイメージしていた通りの、強者サッカーをブチかましはじめたんだ。
    
まあ、たぶん・・
    
ゲームに臨むチームに対して、キム・ドフン監督は、こんな「イメージ創り」をしたんでしょ・・
    
・・アウェーゲームだから、前半は、安定志向でいこう・・
    
・・ってね。
    
もちろん、絶対に失点はしないように・・ってな意識付けも含めて・・ね。
    
そんなだから、チームのプレー意識が、「過度」に安定ディフェンスへ向かうベクトルに引っ張られるのも道理だよね。
    
失点しないように・・失点しないように・・
    
でも・・
    
そう、そんなウルサンが、杉本健勇に、ヘディング一発を決められてしまうんだよ。
    
それは、前半37分の出来事だった。
    
でも・・
    
そう、その5分後には、逆にウルサンが、見事な同点ヘディングゴールをブチ込んじゃうんだ。
    
ところで、その、両チームのゴールだけれど・・
    
杉本健勇のヘディングゴールは、右サイドから青木拓矢が送り込んだ、まさに「狙いすました」ピンポイントクロスを決めたモノだった。
    
そしてウルサンのゴールは・・
    
左サイドをドリブルで駆け上がった「イ・グノ」が、これまた「狙いすましたピンポイントクロス」を、ファーサイドへ送り込み、それを、「チュ・ミンギュ」が、あり得ない「高さ」のスーパーヘディングで、逆のサイドネットに突き刺した。
    
西川周作は、もちろん、ノーチャンス。
    
それもまた、見事な、ホントに見事なヘディングゴールではあった。
    
私は、そんな、「似通ったヘディングゴール」シーンを観ながら、こんなコトを考えていた。
    
・・やっぱり、流れからや、セットプレーからの「クロス(ハイボール・ラストパス)」は、ピンポイントな正確性がイノチだな・・
    
・・もちろん、なかで待つ(走り込む!)フィニッシャーがイメージする最終勝負スポットと、完璧に一致していることが大前提だけれど・・さ・・
    
とにかく、「あの」二つのヘディングゴールは、刺激が強すぎたんだよ。
    
フムフム・・
    
ということでゲーム・・
    
そう、前述したように、後半のウルサンは、(貴重なアウェーゴールを奪って同点にしたこともあって!?)積極的に攻め上がってきたんだ。
    
そう、私がイメージする、「強いウルサン」が、そこには、いた。
    
やっぱり彼らは優れたチームだ。
    
そして、決勝ゴールを叩き込んで「勝ち点3」を持ち帰ることになったっちゅうわけだ。
    
そんな良いチームのウルサンに対して、レッズは・・
    
守備は、そこそこ機能していたと思う。でも、攻撃が・・
    
そう、ボールがないところでの「動き」の量と質が、とても低レベルなんだ。
    
だから、ボールは動くけれど、まさに足許パスのオンパレード・・
    
それじゃ、ウルサン守備ブロックのウラスペースを突いていけるはずがない。
    
もちろん、青木拓矢と杉本健勇の「最終勝負スポットイメージ」がシンクロした先制ゴールは素晴らしかった。
    
でも、それ以外は、人とボールの動き(そのリズム)は、まさに鳴かず飛ばずだったんだ。
    
そんな減退サッカーを観ながら、こんなことを考えていた。
    
・・もしかしたら、大槻毅監督は、ゲーム戦術をカチッと決めすぎているんじゃないか!?・・
    
・・そんな規制&制限(戦術)サッカーだから、ボールがないところでの動きにも勢いが乗っていかないのかもしれない・・
    
・・何せ、スペースを自分たちで創ったり、それを積極的に探すんじゃなく、カタチからゲームに入っていくんだから・・
    
・・ドイツの伝説的スーパープロコーチ、故ヘネス・ヴァイスヴァイラーが、私の目をのぞき込みながら、こんなコトを言った・・
    
・・いいか・・決して、カタチからゲームに入っていったらダメだぞ・・
    
・・そうではなく、まず守備(ボール奪取プロセス)において、全力で仕事を探すんだ・・
    
・・そうすれば、次の攻撃も、流れがよくなるはずだ・・
    
・・また、リヌス・ミケルスも、これまた、私の眼を見据えながら、こんなことを言った・・
    
・・いいか、バランス(戦術タスクとポジショニング等)は、自分から崩していくためにあるんだぞ・・
    
・・積極的にバランスを崩していくことこそが、優れたサッカーの大前提なんだ・・
    
・・そしてボールを失った次の瞬間から、全力ハードワーク(チェイスやマーキング等)に積極的に入っていくんだ・・
    
・・そう、崩れた守備バランスを、なるべく早く、効率的に「再構築」するためにね・・
    
なんか、いろいろな「深〜い、示唆」があるでしょ。
    
そうそう・・
    
前述したように、何か、カタチに「後ろ髪を引かれていた」レッズも・・
    
後半36分に、カウンターからブチ込まれた決勝ゴールの後からは、まさに、積極的にバランスを崩しながら、ギリギリの、仕掛けリスクチャレンジをブチかましつづけていたよね。
    
それは、まさに「解放サッカー」と呼べる、ダイナミックな魅力的なモノだった。
    
その時間帯のレッズの仕掛けは、これまでみた大槻毅レッズのなかで、もっとも危険なニオイを放っていた・・と思う。
    
もちろん・・
    
ゲーム戦術(サッカーの戦術的プラニング≒チームのイメージ造り)は大事だよ。
    
でも「その規制ニュアンス」が強すぎたら、確実に、サッカーが縮こまってしまう。
    
だからこそ・・
    
心理マネージャーとしての監督には、そんな「規律の厳守」と、「主体的な自己解放」の、高次元バランスを志向すべきなんだよ。
    
それが、うまく回れば、かならず、理想的な「美しい質実剛健サッカー」に近づける創造性ベクトルに乗れるはずさ。
    
ということで、大槻毅レッズも、これからということなんだろうね。
    
とにかく、期待しましょう。
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最後に「告知」です。
    
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
    
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
     
  - そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
    
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
    
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
    
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
     
  - まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
 
   
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				 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
			
			
			
			
			
			
			
			
				 追伸:わたしは
”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
			
			
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				 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
			
				 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
			
				 
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
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