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- 2020_ACL・・典型的な戦術サッカーに「やり込まれた」・・観ていて、フラストレーションばかりが溜まった・・(FC東京vs上海申花、0-1)・・(2020年11月24日、火曜日)
- ・・守備が強い上海申花・・
・・なかなか、攻めきれなかった・・
試合後のインタビューで、安部柊斗が、そんなニュアンスの内容を、絞り出すようにコメントしていた。
まあ、そういうことだったんだろうな〜・・
わたしも、観ている皆さんも、また解説の北沢豪も、そんな、悔しい思いに苛(さいな)まれていたっちゅうコトなんだろうね。
でも、どうして、決定的シュート「まで」いけたシーンが少なかったんだろう・・
その要因の第一は、もちろん、上海申花がブチかましつづけた、パワフルでスピーディー、そして忠実な「守備にあり」だよね。
決してそれは、「ボール奪取プロセス」と呼べるような、創造性にあふれた前向きなプレー内容じゃない。
でも、とにかく、パワフル(&ダーティー!?)でスピーディー、そして抜群に忠実だったのは確かな事実だし、その意味では、拍手をおくる意義はあるよね。
とはいっても、上海申花の攻撃では、見るべきモノは、ほとんどなかった。
いつも書いているように、「ホンモノの自由」がない社会文化では、決して、想像性や創造性は高揚していかない。
だから、上海申花のオフェンスには、スペースを攻略していくための組織ファクター(主体的なアイデアとかイメージング!)に、明確な「限界」がある。
要は、パスレシーブの3人目、4人目の動き(まあ、人とボールの動きの量と質!?)という視点で、足りないトコロだらけなんだよ。
もちろん、個の勝負プロセスでは、たまには良いシーンは創り出すけれど、極端に言えば、彼らには「それしか」ない・・とも言える。
それに対して、FC東京。
前線の外国人スターも含めて、しっかりと、組織プレーと個人での勝負プレー(相互イメージング!)が、とても高い次元でバランスしているんだよ。
まあ、そんな「総合力の差」を明確に意識している韓国人チェ・ガンヒ監督だから、フルコートマンマークを敷いて闘うことにしたんだろうね。
相手の良さを、粘り強く消しつづけて、ワンチャンスに懸ける。
そしてそれが、功を奏した・・ということか。
とにかくFC東京は、彼らの強烈な武器である、ディエゴ・オリヴェイラに代表される「個の勝負」へ、最後まで、うまく持ち込めなかったんだよ。
また、組織パスでの最終勝負プロセスも、上海申花の「忠実なマンマークとカバーリング」によって、その多くが潰されまくった。
そして・・
そう、中村帆高の手が、「自然と伸びて自分に触る」コトを誘うような、上海申花11番ユー・ハンチォオの、とても上手い走り抜け・・!!
まあ、「それ」で勝負あり・・だったね。
たしかに微妙ではあったけれど、ユー・ハンチォオは、ボールに触れないことを意識したのと同時に、中村帆高が「手を出して自分に触る」ことをイメージしていたんでしょ。
そして、(大した物理的なチカラが加わってもいないのに!?)その次の瞬間、大声を出してブッ倒れた。
まあ、「それ」も、経験っちゅうことだね。
とにかく・・
典型的な戦術サッカーに「やり込められる」ゲームは、観ていて、あまり気持ちの良いモノじゃないし、フラストレーションが溜まるよね。
だって・・
そう、そんな、勝つこと「だけ」をターゲットにした戦術サッカーのほとんどは、「美しい質実剛健サッカー」に帰結させられないわけだから・・。
だからこそ、優れたサッカーコーチは・・
「勝ち点」という視点では、(最初は!)後れを取る確率が高い(!?)にも関わらず、選手たちの主体性(強い意志と考えるチカラ!)、そして勇気を発展させられる「解放サッカー」を基盤にチームを創っていくんだよ。
もちろん、チーム&ゲーム戦術という「規制」を基盤にしながらも、選手たちが、そこから「解放」されたリスクチャレンジ「も」志向できるようにモティベートしながら・・。
そう、「あの」イビツァ・オシムがやったようにネ。
あっと・・
もちろん、FC東京の長谷川健太監督は、立派に、その「解放ベクトル」に乗ったサッカーを志向しているさ。
だからこそ、悔しい・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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