トピックス
- 2021_J2_
第32節・・イニシアチブが、両チームのあいだで揺動しつづけるという興味深いグラウンド上の現象・・そして最後の時間帯に両チームが魅せた、これまた興
味深い、勝負の綾(あや)・・(レノファ山口vsヴェルディ、1-2)・・(2021年10月3日、日曜日)
- ホント、アタマにくるネ。
なんで、サッカーの「メカニズム」が分かっていないカメラマンを使うんだろ。
このところ、ダゾンのカメラワーク(ズーミングワーク)に不満が溜まるようなゲームが増えてきているんですよ。
このテーマについては、昨日の「ヴィッセル対レッズ」戦コラムもご参照あれ。
サッカーでは、ボールまわりのプレーなどは、サッカーが内包するドラマの、ほんの一部分にしか過ぎません。
サッカーは、パスゲーム。だから、出し手ばかりにズームアップして、どうするんだろ。
そうではなく、ボールを画面の端っこに置き、最前線での、攻守の(ボールがないところでの!)せめぎ合いまでカメラで捉えて欲しいのですよ。
いまは、ダゾンも含めて、世界中のサッカーが観られる。
そこでの主流は、ズームを引くことで、グラウンド上の現象を俯瞰(ふかん)して観られるカメラワーク(ズーミングワーク)なんですよ。
そう、まさに、スタジアムで観戦しているかのように・・ね。
とにかく・・
ダゾンさんには、カメラワーク(ズーミングワーク)のコンセプトを、しっかりとディレクション(コントロール!)することを、節にお願いします。
あっとゲーム・・
堀孝史ヴェルディが、久しぶりのアウェー勝利を挙げた。
正直、とても嬉しかったですよ。
でも・・
そう、相手のレノファ山口「も」、とても立派なサッカーを魅せたから、彼らに対しても、しっかりと賞賛の拍手をおくらなければいけません。
ところで、最初のテーマ・・
イニシアチブが、前後半を通じ、両チームの間で「揺動」しつづけた現象。
そう、ゲームの主導権が、あっちにいったり、こっちにきたり・・
なかなか魅力的な、動的に均衡したダイナミック勝負マッチだったんだよ。
ところで、イニシアチブ。
そのバックボーンは、やっぱり、ボール奪取プロセス(守備)の内実にあり。
それも・・
そう、守備ハードワークの典型である、チェイス&チェック(寄せ)ね。
ソレがしっかりと出来ているか否か・・
それによって、ボールがないところでのマーキングやカバーリング、協力プレスへの人の集散マネージメント、はたまた、危急状況での「最後の半歩」等などの「実効性」が決まるといっても過言じゃない。
でも、その「寄せ」は、とてもキツい仕事だから、そうは、アップテンポでつづけられない。
そして・・
そう、両チームのボール奪取プロセス(守備)の勢いが、行ったり来たりするっちゅうわけだ。
もちろん「そんな揺動現象」は、両チームの「意識と闘う意志」が、高みで安定していたからに他ならない。
ダゾン解説の中島浩司も言っていたように・・
このゲームでは、ゴールという「ポジティブ刺激」が大きなキッカケになって、両チームのボール奪取プロセスの「勢い」が大きく揺れ動いたんだ。
最初は、レノファ山口の先制ゴール。
その後、しばらくのあいだ、彼らのボール奪取プロセスの勢いがアップテンポで安定し、ゲームの流れを支配した。
でも、その後はヴェルディも持ち直していった。
そして、後半3分に梶川諒太がブチ込んだ同点ゴールで、ヴェルディが、イニシアチブを掌握することになるんだよ。
そして、その「雰囲気」に乗った(!?)佐藤優平が、ありったけの勇気と激情を炸裂させるかのようなスーパーミドル弾(決勝ゴール)をブチ込んだっちゅうわけだ。
でも・・
その後は、追いかける「ホームの」レノファ山口が、「負けられない・・」という意識ベースの強烈な闘う意志を前面に押し出しはじめる。
そう、最後の15分あたりからのレノファ山口は、まさに「鬼神の勢い」で、同点ゴールを奪おうと、怒濤の勢いで攻め込んでいったんだよ。
押し込まれるヴェルディ。
そんな展開を観ながら、ハタと考えた。
・・どうして、「あの」強いヴェルディが、あんなに無様に押し込まれつづけてしまうんだ??・・
そうだね〜・・
不確実なファクターが満載のサッカーは、究極の「心理ゲーム」でもあるんだよ。
勇気と激情を迸(ほとばし)らせながら、前へ、前へと攻め上がっていくレノファ山口。
その勢いは、たしかに、レベルを超えていた。
もちろん、その勢いの主な(物理的)バックボーンは、「人の動き」だよ。
・・ハイボールを入れる・・
・・競り合いで、こぼれたボールに最初に追いつく、レノファ選手・・
・・また、ヘディングで流した先にも、レノファ選手が走り込んでいる・・
アバウトでも何でも、ボールを競り合うレノファ選手たちは、確信しているんだよ。
・・このハイボール(パス)をヘディングで流せば、かならず、「そこ」にチームメイトが走り込んでくれている・・
そんな確信こそが、ゲーム終盤にレノファが魅せた、レベルを超えた仕掛けの勢いの源泉だった。
そして、最後のテーマ・・
そんな、レベルを超えた「前への勢い」によって押し込まれ気味になるヴェルディ。
ボールを奪い返しても、「蹴り返す」ばかりで、また直ぐにボールを失い、押し込まれる・・
そんなジリ貧の展開(擬似の悪魔のサイクル!?)に落ち込んでいたヴェルディだったけれど・・
そう、やっと、自分たちのなかでボールをキープできる状況を創りだせたんだ。
そして・・
そう、彼らは、レノファ山口ゴールの左コーナーフラッグ周辺ゾーンで、ボールをキープしちゃうんだよ。
交替でグラウンドに立った山本理仁と佐藤優平、また佐藤凌我や新井瑞希といった、スキルフルな連中が、うまくボールを、そのコーナーゾーンに押し込んじゃう。
レノファ選手たちも、簡単にはボールを奪い返せない。
そんな局所の展開は、たぶん、2分くらいあったと思う。
そして・・
そう、そこからの「心理的な揺動」が興味深かったんだ。
そんな時間が、レノファ選手たちの「意識と意志」を落ち着かせちゃったんだよ。
そして、残り1分半となってからは、それまでレノファが爆発させつづけた「激烈な攻撃の意志」は、霧散してしまうことになる。
それは、ヴェルディが魅せた・・
これ以上ないほどクレバーでスマートな、「勝ちゲームをまとめる、最後の締め」だった。
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- ところで・・
チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。
以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。
彼女については、このページやあのページを参照してください。
私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。
その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。
藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。
「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。
ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。
また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。
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- あっと・・
- 私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」。
- ちょっと、プロモートさせてくださいね。
- この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」。
- とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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