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- 2022_日本代表(親善)・・森保一ジャパンは、素晴らしく美しい、組織と個がバランスした質実剛健サッカー(!!)を魅せた・・また、「惜しい天才」鎌田大地についても、簡単に・・(日本vsパラグアイ、4-1)・・(2022年6月2日、木曜日)
- やっぱり・・
テーマは、ボール奪取プロセス(守備)の内実しかないよね。
それも・・
すべての守備ファクターへの、主体的な「爆発プレー」の内実ね。
その守備ファクター・・
攻守の切り替え(トランジション)、チェイス&チェック、局面デュエル、マーキングやカバーリング、協力プレスへの集散、そして最終勝負シーンでの「最後の半歩」・・等など。
そんな守備ファクターでの「爆発の実効性」こそが、W杯本大会での、もっとも重要なKFS(キー・ファクター・フォア・サクセス)っちゅうわけだ。
何せ・・
そう、本大会グループリークで対峙するのは、「あの」ドイツとスペインなんだから・・
ということで・・
いかに、積極的&攻撃的にボールを奪い返せるか・・
換言すれば、相手の、ボール周りのプレーだけじゃなく、ボールがないところでの「動き」を、いかに効果的に封じ込めるか・・
それが、まさに、生死を分けるキーポイントになるっちゅうわけだ。
あっと、試合・・
今日の相手は、ワールドカップ本大会を逃したとはいえ、南米の古豪パラグアイだからね、そう簡単には抑え切れるわけがない。
でも、我らが森保一ジャパンは・・
素晴らしいボール奪取プロセス(守備)の機能性を絶対ベースに、全体的には、さまざまな意味合いを内包する「イニシアチブ」を、最後の最後までグリップできていた。
もちろん・・
その、ボール奪取プロセス(守備)が素晴らしかったからこそ・・
次のスペース攻略プロセス(攻撃)における人とボールの動き(組織プレー)を加速させられた・・
そして、そのことで、うまくスペースを攻略できたからこそ、堂安律、三笘薫に代表される個の勝負も、「より」効果的に、ブチかましていけた。
特に、原口元気・・
このゲームでの彼は、攻守ハードワークと創造性プレー(浅野拓磨の先制弾、三笘薫の3点目でのスーパーアシストなど!!)など、際立ったパフォーマンスをブチかました。
ということで・・
この日の森保一ジャパンは、攻守にわたって、南米の強豪パラグアイを圧倒したんだ。
素晴らしく美しい、組織と個がバランスした質実剛健サッカー(!!)だった。
ということで、最後に・・
そう、鎌田大地。
仕掛け(最終勝負での)センスは、たしかに群を抜いている。
でも、彼のセンス、やっぱり、「広がり」が十分じゃない。
要は、限定されたカタチに「はまらなければ」結果には、つながり難いということ。
アイントラハト・フランクフルト。
今シーズン、ヨーロッパリーグで優勝を遂げた。
その決勝メンバーには、鎌田大地と長谷部誠も名を連ねた。
誇らしい気持ち・・
でも・・
そう、そこで「も」、鎌田大地という、ある意味の「天才」を秘めた選手が、ツボにはまったプレーができる領域が、とても「狭い」と感じさせられた。
また彼の場合・・
前線からのチェイス&チェックやカバーリングで、まったくといっていいほど、爆発が、ない。
要は、彼のプレー姿勢が、積極的&攻撃的に、全力で、局面デュエルを探しまくるかといったら、まあ、その真逆だっちゅうことだ。
もちろん・・
そう、チームメイトたちは、そんな鎌田大地のマインドを、よく理解している。
だから、彼の、前線からのボール奪取プロセス(守備)には、まったく期待しない。
そして、次のスペース攻略プロセス(仕掛け)では、できるかぎり、鎌田大地が得意な「カタチ」に持ち込もうとする。
そう、チームメイトたちは、鎌田大地の「効果的な活用の仕方」をしっかりと理解しているっちゅうことだ。
だからこそ、前線からの「ディフェンスの爆発プレー」には、まったく期待しない。
そして、ひたすら、鎌田大地のサボりをカバーし、次の仕掛けで、彼の「天賦の才」を、うまく活用し切ろうとするわけだ。
それが、フランクフルトでは、まあ、ある程度は、うまく機能していたっちゅうわけだ。
鎌田大地については、ドイツの友人たちと話すことがあるけれど、まあ最後の結論は、同じように収斂されちゃう。
そう、チーム全体が、鎌田大地の「取説」をうまく理解して初めて、その「天賦の才」が活かされる。
でも・・
そう、力に大きな差のない、アジア最終予選という「ホンモノの闘いの場」では、特に、ボール奪取プロセス(守備)での「爆発プレー」の内実が問われることになるんだよ。
それも・・
そう、一人の例外もなく・・ね。
アジア最終予選、ホームでのオマーン戦。
私は、その敗戦では、鎌田大地が、戦犯の「隠れた主役」だったとすることに躊躇しない。
彼の、テレンコ、テレンコってな怠惰なチェイス&チェックやカバーリング(相手のタテパスをまったく抑えられない!!)が、いかに、後方のチームメイトたちの「怒り」を買ったことか。
特に・・
そう、本大会での相手は、「あの」ドイツとスペインだからね。
そこで、一人でも、ボール奪取プロセス(守備)で爆発できない(しない)選手がいたら、そりゃ、チームのモラルは地に落ちちゃう。
もちろん、勝てる可能性だって、地に落ちちゃうに違いない。
あっと・・
とにかく私は、これまで・・
多くの、ほんとうに多くの「天賦の才」が、進化しきれずに消えていった歴史を、体感しつづけているんだよ。
だからこそ・・
そう、鎌田大地には、心を入れ替え、攻守ハードワークとリスクチャレンジが内包する、サッカーの本質的な「価値と魅力」を見つめ直して欲しいって、心から、願うわけさ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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