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2022_WM_17・・ノックアウト_1・・この試合では、「最後の半歩」というファクターの内実に、オランダの歴史と伝統の深さを感じていた・・(オランダvsUSA, 3-1)・・(2022年12月4日、日曜日)

決勝トーナメント1回戦・・

このゲームを観ながら、思った。

これは、たぶん、伝統とか歴史とかいう、捉えどころのないヤツの勝利なんだろうな〜・・

その、心は・・

とても優れた組織サッカーを展開する「勢いのあるアメリカ」だったけれど、その「エネルギー」を、「老練なイメージングとスキル」が、とても巧く「吸収」してしまった・・

あっ、ゴメン・・もっと、分かりにくい表現になってしまった。

要は、攻守にわたって、「ロジックを突き詰めた、よい組織サッカー」を展開しながらも、肝心の最後のトコロで、十分に「気」がまわらなかった・・

そう、オランダにブチ込まれた3点ともに、オランダのラストクロス供給プレイヤーへのカバーリング(チェイス&チェック)、そして、フィニッシャーへのマーキングが、十分じゃなかったんだよ。

「それ」こそが、もっとも重要なポイントであるにも、かかわらず・・ね。

近頃わたしは、「美しい質実剛健サッカー・・」なんていう表現を、頻繁につかっている。

つまり・・

このゲーム(大会)でのアメリカは・・

たしかに「質」は世界レベルに届きそうだったけれど、肝心の、勝負を決める「実」の部分では、まだ足りなかった・・っちゅうことさ。

そう、攻守にわたる、ボールがないところでの「キモ」の部分・・ね。

なかでも、守備における「質と実」のファクター・・

素早く効果的な攻守の切り替え(トランジション)、そこからの爆発的なチェイス&チェックやカバーリング、局面デュエル、マーキング、協力プレスへの集散など、いろいろとある。

でも私は、そのなかで、もっとも重要なのは、「最後の半歩ファクター」だって表現するんだ。

それが、アメリカに、少しだけ、足りなかった。

わたしは、この「最後の半歩」というファクターに・・

ラストクロスや必殺パス、またシュートを、身体を張って「ブロック」するギリギリの守備アクションだけじゃなく・・

その直前でのマーキングやカバーリングの内実で、「最終勝負ポイントやシーン」を、しっかりとアタマに描写できるかどうか(≒イメージングの量と質)という要素も、含めるんだ。

その視点で、次のワールドカップ共催国の一つであるアメリカには、もう一歩の「進化&深化」が求められる・・って思うわけさ。

また、その意味合いで・・

森保一ジャパンが、世界最強フットボールネーションの一つ、スペインと対戦したとき・・

アルバロ・モラータに、ヘディングで先制ゴールをブチかまされたシーンを思いだすんだ。

その失点の「キモ」になったトコロ・・

それは、まず、(スペインの!)右サイドで、バックパスを受けたアスピリクエタが、勝負クロスをブチ込む瞬間への「寄せ」が甘かった(かなりフリーだった!)という、事実。

そしてヘディングを決めたモラータへのマーキングにも、マーカーが、十分に「寄せられていなかった」という反省ポイントがあるんだ。

まあ、その後は(特に最後の20分!!)、森保一ジャパンは、しっかりと、「あの」スペインの「意識と意志とイメージング」の「活性化」を抑えられたわけだけれど・・さ。

あっと、オランダ対アメリカだった。

そうなんだよ、「数字」では、オランダを上回っていたアメリカではあったけれど・・

肝心の「最後の半歩」っちゅうファクターで、オランダの「歴史と伝統」にやられてしまった。

わたしには、そう思えてならなかったわけさ。

あっ・・

伝統と歴史という意味じゃ、1930年にワールドカップがはじまったとき、アメリカは、それに参加し、気を吐いていたっけね。

まあ、当時はまだ、開拓者だったアイルランドやブリティッシュ(アングロサクソン!?)の「文化的なバックボーン」が根強かった頃だから・・

そして、その後、「アメリカ独自の文化」が進展を遂げ、それにつれて、サッカーというスポーツが忘れられていった・・っちゅうコトなんだろうね。

そしていま・・

ホントに徐々にではあるけれど、アメリカでも、サッカーが(再び!)浸透しはじめている。

そして今回のアメリカ代表が、その存在を、世界に知らしめる(思いださせる!?)に十分な闘いを魅せた。

たぶん、4年後の、自国ワールドカップじゃ、より洗練された「美しい質実剛健サッカー」を魅せてくれるに違いありません。

ガンバレ〜、アメリカ〜〜・・


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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