トピックス
- 2022_WM_7・・雑感と、グループリーグ(G組とH組)・・(2022年11月25日、金曜日)
- ■グループ G & H (スイスvsカメルーン=1-0 & ウルグアイvs韓国=0-0)
この4か国の選手たちは、ほぼ例外なく、欧州の一流プロリーグに所属している。
あっと・・
W杯に参加しているチームのほぼ全員も、そうだよね。
言いたいことは・・
欧州がセンターになったサッカーの国際化は、その内容をも、かなり「同じ傾向のモノ」に収斂させちゃうっちゅうコトなんだ。
この二つの「拮抗マッチ」からも、そのコトを、強く思い起こさせられたっちゅうわけさ。
まあ確かに・・
スイスは、組織的にカメルーンを上回っていたし、ウルグアイでは、「ずば抜けた個性」が目立っていた。
また韓国も、攻守にわたって、いつものように(!)、強烈な「意識と意志とイメージング」を絶対ベースにした、素晴らしくエネルギッシュな闘いを披露した。
でも、全体としては、サッカー内容が「収斂し、高次平準化している・・」っちゅう発想が、繰り返し、湧き上がってくるんだよ。
そう、ハイレベルなロジック・サッカー・・ね。
昔だったら、地域や国よって、サッカーのやり方に「目立った差異」があった。
そう、生活文化的なバックボーンも含む、さまざまな要因による、差異ね。
昔は、シンプルな放り込みとか、(やり過ぎの!?)ドリブル勝負とか、いろいろな意味での「個性あふれる仕掛け」ってなグラウンド上の現象が目立っていたんだよ。
でも、いまでは、全チームが、組織的に「同じ傾向」のサッカーをやっている!?
そう、戦術ロジックベースの、洗練されたサッカー・・ね。
ボール奪取プロセス(守備)にしても、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも・・
攻守の目標を達成しようとする「プロセス・イメージング」が「似通って」きているわけだから、まあ、自然の成り行きではある。
もちろん・・
勝負を分けるファクターは、そんなロジックだけじゃない。
そう、そこじゃ、個の才能や性格といった「パーソナリティー」も、大きく関わってくるんだよ。
でも、今回の「不屈のライオン(カメルーン)」では・・
たしかに、攻守にわたって、スマートな組織的サッカーは展開していたけれど・・
アフリカ勢として初めてベスト8まで駒を進めた1990年イタリア大会での、ロジェ・ミラといった、「違いを生み出せるパーソナリティーという視点では、何かが足りなかった。
ということで・・
ここから登場する、世界トップ候補たちの場合は・・
「読み」ペースの次の勝負アクションの内実など、戦術的な「機微のイメージング」で、微妙に、「違い」を創りだせるんだ。
また、ボール奪取プロセス(守備)では・・
局面デュエルの巧さ、力強さだけじゃなく、チェイス&チェック、マーキングやカバーリング、協力プレスへの集散、そして「最後の半歩というファクター」でも、何かが、一味違う。
そして彼らは、そんな戦術ロジックを超越し、相手との違いを生み出せる「パーソナリティー」も備わっているんだ。
あっ、後は下記・・
■グループH(ポルトガルvsガーナ、3-2)
・・と、そんなコトを考えながらの観戦だったわけだけれど・・
とにかく・・
ロジック的には「収斂」していく傾向にある(全体的な!?)サッカー内容だけれど・・
そこでは、さまざまな、文化とか、個性とか、天賦の才などなどのファクターが、「違いを生み出す」という視点で、とても大きな意味をもってくる!?
・・なんてコトを考えながらの観戦だったけれど・・
とにかく・・
とてもスマートで力強いサッカーを展開するガーナに対して、「候補」のポルトガルは、かなり苦労させられていたんだ。
要は、「あの」ポルトガルにしても、ロジック・ベースのぶつかり合いのなかで、「違い」を、うまく演出し切れなかったということだね。
その、「違いを創りだす」絶対リソースになるべきだった、クリロナ。
でも彼は、そんな期待とは裏腹に、かなり効果的に抑えられていた。
「あの瞬間」を除いてね。
そう、PKを獲得した、「足先の微妙な、もつれ合い」シーン。
とにかく、ものすごく「微妙」な判定ではあった。
ところで、そのレフェリング・・
いまのサッカーでは、まさに、「アナログからデジタルへ・・」ってな、一大革新が進んでいる。
まあ、そんな「デジタライジング傾向」のなかじゃ、「フットボール・コンタクト」ってな現象に、以前の「アナログ的なテイスト」を感じている筆者なのだよ。
そして、「レフェリーのミスジャッジもドラマのうち・・」ってな感じで、昔を懐かしむ。
あ〜あ・・オレも、歳をとっちゃったっちゅうコトか。
とにかく・・
最後は、さまざまなファクターによって「違い」を生み出せるようになったポルトガルの順当勝ちではあった。
あっ・・
タイムアップ数秒前の、ポルトガルGK、ジオゴ・コスタの、注意力を欠いたバカげたミスは、いただけなかったよね。
ボールを手で持って、前へ歩を進めるコスタ。
自分の背後に、ガーナ選手が一人残っているとも知らずに・・
そして、手に持ったボールを地面においてしまうんだよ。
まあ、最後は、事なきを得たけれど・・
そのピンチシーンに、完璧にフリーズした、クリスティアーノ・ロナウドの表情が、このゲームの絶対ハイライトだったっちゅうコトだね。
■グループG(ブラジルvsセルビア、2-0)
たしかにブラジルは、結果につながる「違い」を、自然に(!)生み出せる。
その絶対ベースは、個人で違う天賦の才(攻守にわたる局面プレーでの巧さ!?)だけれど・・
その才能を、価値あるカタチで、グラウンド上で光り輝かせているバックボーンには、「ブラジル」という社会文化も、あるんだよ。
まあ、うまく表現できないけれど・・
彼らは、ボール扱いの「巧さ」を、常に、「楽しみや喜び」を生み出す心の糧にしているんだ。
そのテーマについては、ドイツで知り合ったブラジルのサッカー人(彼は、ブラジルのプロコーチ)とも、何度も話し合ったっけ。
もちろん、具体的な「現象や効果」は、まさに千差万別だから、ハナシは、誰も、それ以上深掘りができない「心の糧」ってなレベルで止まっちゃうけれど・・さ。
それでも、喜びや楽しみがなければ、それはサッカーじゃない・・ってなディスカッションでは、いつも、結論は一致していたよね。
そして、このゲームでも・・
攻守にわたる局面シーンでのブラジル選手たちは、ブラジル的な「楽しみや喜び」が、彼らのサッカーに、確たる「違い」を生み出しているって感じさせてくれた。
もちろん・・
そんな「個の才能による違い」は、攻守にわたる組織サッカーという絶対ベースが、しっかりと整っているからこそ、存分に発揮できる。
そう、組織と個の、得も言われぬほど美しい「融合」。
ブラジルが、強いはずだ。
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- ところで・・
チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。
以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。
彼女については、このページやあのページを参照してください。
私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。
その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。
藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。
「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。
ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。
また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。
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- あっと・・
- 私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」。
- ちょっと、プロモートさせてくださいね。
- この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」。
- とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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