湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2014年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第34節(2014年12月6日、土曜日)
- それでもサッカーはつづく・・(レッズvsグランパス、1-2)
- レビュー
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- そりゃ、ものすごく辛いよ。
常に「ニュートラル」であるべきプロのスポーツジャーナリストとしては、まあ、「あるまじき態度(情緒)」かもしれないけれど・・サ。
何といっても私は、ガンバが(徳島に対して!)決して楽な闘いを展開できないと確信していたからね。それを裏付けるように、0対0。そして「こちら」は、レッズが「1対0」のリード。
また内容でも、(特に後半になって・・)攻守にわたって、とても安定した「勝負サッカー」が展開できているし、追加ゴールのチャンスも作り出せている。
そんなゲーム展開だったから、またまた「安易な!?」期待がふくらんでくるのも無理のないところだったわけです。でも結局は・・。フ〜〜ッ・・。
めくるめく歓喜と奈落の失望が、限界領域で「交錯」しつづけるドラマ・・。
そのテーマについては、先日、第33節の鳥栖対レッズ戦、そして「J1昇格プレーオフ準決勝(ジュビロ対モンテディオ)」について書いた、この「まさか・・コラム」も、ご参照アレ。
そこでは、以前、新連載「The Core Column」において、チャンピオンズリーグで起きた信じられないドラマを書いた「このコラム」へもリンクしたっけ。
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ということで、結局、ミハイロ(ペトロヴィッチ)は、またまた初戴冠を逃すことになった。
記者会見では、「またサンフレッチェから選手を引き抜くのか・・?」とか、「昨シーズンと同様に、今シーズンも、最後の最後で失速した・・そんな現象がつづくということは、根本的な問題があるのではないか・・?」などなど、厳しい質問が飛んだ。
ミハイロは、そんな、ある意味で「悪意」にも似たニュアンスが込められた質問に対しても、極めて冷静に対応していた・・と思う。
フ〜〜ッ・・。
ということで、このコラムのテーマだけれど、レッズに対して抱きつづけていた「勝者メンタリティーの深化」というディスカッションに集中したい。
私は、既にかなり前から(まあ、ブラジルW杯以降ですかネ・・)、シーズン終盤の「紆余曲折」では、チーム全体に浸透し、深まりつづけている「勝者のメンタリティー」が底力を発揮するに違いない・・なんて、書いていた。
たしかに、サッカー内容は、以前とは比べものにならないほど質実剛健に充実してきていたし、ギリギリの勝負でも、決して大きく崩れることはなかった。
そして、何度も、ギリギリの勝負マッチで、しっかりと勝ち切ったり、ギリギリのトコロで同点に追いくといった粘りの勝負強さも魅せられるようになっていた。
でも結局は、かなり「ツキ」に見放されるカタチで(!?)リーグ優勝を逃してしまった。
でも私は、ミハイロ・ペトロヴィッチがリードしてきたサッカーの(チーム戦術の!)ベクトルは、正しいと確信している。
彼らは、「美しく勝つ・・」サッカーだけじゃなく、状況に応じ、(泥臭いほどに!?)しっかりとした「勝負(戦術)サッカー」も操(あやつ)れるほどに成長したと思っているんだよ。
だから、リーグ優勝を逃したからといって、決して「前言撤回」はしない。
レッズの勝者メンタリティーは、着実に進化し、深化している(そして、これからも!)と思うんだよ。
そういえば・・
レッズの勝者メンタリティーについて、「こんなコラム」を書こうとしていたっけ。
レッズが優勝したら発表しようと思っていたコラム。まあ、取り敢えず、添付しておきます。
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「・・それは・・半歩、いつも半歩・・先へ足が伸びることさ・・」
故リヌス・ミケルスが、私の目を正面から見据えて言った。
オランダ伝説のスーパーコーチ。
彼は、世界サッカー史のなかで今でも燦然と輝く、1974年ドイツW杯のオランダ代表を率い、全員守備、全員攻撃を標榜するトータルフットボールの原型を作りあげた。
その彼と、ドイツプロサッカーコーチ連盟主催の国際会議で、ディスカッションしたことがあった。テーマは、「オレ達が負けるはずがない・・」という自信と確信。
そう、勝者のメンタリティー。
はじめは、「シーズンの流れを大きく左右したこの1試合・・」というテーマでコラムを書こうと思っていたけれど、レッズの全ゲームを観察していたわけだから、そう簡単には一つのゲームに絞り込めるはずがない。
ということで、シーズンの行方を決定づけた「このテーマ」という内容のコラムを書くことにした。
そう、シーズンを通して深化しつづけた「勝者メンタリティー」。それである。
そして、それを象徴するプレーやゲーム展開をピックアップしようと思ったわけだ。
まず何といっても守備。
開幕のガンバ戦。その前半26分のことだ。ガンバが左サイドから決定的なグラウンダークロスを入れた。フィニッシャーは、佐藤晃大。
そのとき、誰もがガンバの同点ゴールを確信したに違いない。でも最後の瞬間、自分のマークを放り出し、全力でカバーリングへ駆けつけた槙野智章の足が出て、シュートをブロックした。ギリギリのカバーリングプレー。鳥肌が立った。
また第3節のサンフレッチェ戦では、森脇良太が「爆発」した。85分のことだ。
サンフレッチェ青山敏弘から石原直樹へ送り込まれた決定的なダイレクトスルーパス。そのとき森脇良太は、石原直樹よりも後方からスタートし、最後は、シュート体勢にはいった石原直樹を、身体全体で(フェアに!!)潰した。
そう、それこそが、冒頭のリヌス・ミケルスが言った、「半歩先へ足が伸びるプレー」だったのだ。私は、そんな「意志の爆発プレー」にも、今シーズンに臨むレッズ守備の「進化」を感じていた。そして思った。今シーズンのレッズは、「やる」に違いない。
そして攻撃でも、そんな強烈な「意志」を炸裂させる積極(主体)ディフェンスに支えられ、この「半歩先へ足が伸びる勝負プレー」が光り輝きはじめるのである。
ゴールシーンは、多い。でも、私は、第18節のヴィッセル戦で、後半ロスタイムに那須大亮がブチ込んだ、まさに起死回生のヘディング同点ゴールが脳裏を離れない。
そのとき、柏木陽介と那須大亮の目が合った。そして次の瞬間、2人の最終勝負イメージが完璧に「シンクロ」した。
同時に那須大亮は、相手マーカーを惑わすように(大外ゾーンへのクロスを要求するような!?)大袈裟なアクションを入れながら、走り込む方向を急激にチェンジしたのである。
もちろん柏木陽介も、一発勝負スポットは「そこ」しかないと、確信をもって、ニアポスト方向のスペース(実際は中央ゾーン)へスーパークロスを送り込んだというわけだ。
あ・うんの呼吸が生みだした起死回生の同点ヘッド。
感動的だった。そして思った。最後まで決して諦めないプレー態度。ヤツ等の勝者メンタリティーは、もう、「天井知らずの領域に入ったな・・」。
■その頃から私は、レッズの勝者メンタリティーが大きく深化していったと感じていた・・
■勝者メンタリティー・・それは、攻守にわたって、リスクも含めて、自らハードワークを探しつづけられるプレー姿勢・・だから、意志こそが・・
■それこそが、マリノスとのアウェーゲームでの勝利の背景にあった・・
■自信と確信に裏打ちされた、自らハードワークを探しつづけるという積極プレー姿勢。そして、それに支えられた粘り強いゲーム内容・・
■特にマリノス戦で決勝ゴールを挙げてからの15分間のディフェンスは、感動的でさえあった・・
■柏木陽介のロングチェイス・・ボール奪取スポットへ、2人、3人が急行し、躊躇することなくスライディングをブチかます・・
■そしてガンバ戦でも・・
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・・なんて、ガンバ戦も含めて、ポジティブな文章がつづく「はず」だった。でも・・
フ〜〜ッ・・。
まあ、仕方ない。
とにかく私は、ミハイロ・ペトロヴィッチのサッカー(その方向性)を、これからも強くサポートしつづけるつもりです。
舌っ足らずだけれど、チト落胆気味だから、今日のところは、これでご勘弁を。
とにかく、サッカーはつづく・・のです。
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ところで、先日、高円寺のパンディットという「トークライブハウス」で、下記の「ナマ対談本」に絡めて、後藤健生さんと対談をやったんですよ。
アナウンス(事前の告知)が足りず、参加していただいた方は少なかったけれど、その対談全体が、「You Tube」にアップされましたので、お知らせします。
2時間近くも話しまくったのですが、その第一部が「こちら」で、その第2部が「あちら」です。
- また、下記の「ナマ対談本」についても二人で語っている部分があるのですが、編集部が、それを、このように「編集」したのだそうです。まあ、ということで「こちら」もご参照アレ。
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ブラジルW杯に、後藤健生さんと「スカイプ」を介して繰り返したディスカッションをまとめた、ライブ感あふれる「ナマ対談本」が出来上がりました。
その新刊については、「こちら」をご参照ください。ではまた・・
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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