湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2015年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第27節(2015年9月11日、金曜日)
- まあ、(マリノス戦とは逆の意味で!)こんなコトもあるさ・・ってな勝負マッチではありました・・(レッズvsレイソル、1-0)
- レビュー
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- ・・本当に素晴らしいサッカー内容だった・・それでも、もし「あのまま」引き分けで終わっていたら、どうだったんだろうか??・・
うん・・。これは良い問いかけだったと思う。それは、田村修一さんの質問だった。
それに対してミハイロが、こんなニュアンスの内容をコメントしていたっけ。曰く・・
・・もし引き分けに終わった場合!?・・それでもサッカーはつづく・・それでシーズンの通算勝ち点チャンピオンの望みが潰(つい)えてしまうわけじゃない・・
・・とにかく我々は、最後まで全力で闘うだけだ・・もしシーズンの通算勝ち点チャンピオンの座を逃しても、かならずチャンピオンシップでは優勝に絡む・・いまの我々には、それだけの実力が備わっていると確信している・・
そう、レッズは、とても良いチームになっている。
良いチーム・・
言うまでもなく、それは、素晴らしく充実した(そして魅力的な!)サッカーの内容で、結果まで「たぐり寄せられる」ような、ホンモノの実力(勝者メンタリティー!?)を備えたチームのことだよ。
ということで、今日のレイソル戦・・
皆さんもご覧になった通り(田村修一さんや大住良之さんの質問にもあったように!)、レッズは、サッカーの内容で、完璧にレイソルを凌駕した(シュート数では、18対6)。
ホントに素晴らしい「闘う意志のサッカー」だった。
私は、「そのバックボーン」を、先日のナビスコカップ準々決勝第二戦、ホームでのアルビレックス戦で(特に後半!!)ブチかました「スーパーな闘う意志のサッカー」に探し出したいと思う。
そこでブチかましたスーパーサッカーによって、チーム内の、良いサッカーに対する「意識と意志」が、ものすごく高揚し、そして高みで維持されたと思うんだよ。
いや、それは、「自分たちのピークへの感覚」を思い出した・・という現象だったのかもしれない。
これまで私は、レッズのサッカーが、高みで安定していると書いてきた。
そのことは、大敗したマリノス戦でも変わらなかった。
もちろん、少し「迷い」は出てきていたし、その迷いのために、ボールがないところでの動きの量と質(破壊的なコンビネーションの絶対的ベース!!)が、たしかに、少しダウンしてきている・・という印象はあったけれど・・ね。
でも、ベーシックな基盤は、しっかりとキープできていると思っていたんだ。でも・・
そう、ナビスコカップ準々決勝第一戦、無様な敗北を喫したアウェーでのアルビレックス戦。それは、とても、とてもショッキングな出来事だった。
攻守にわたり、まさに受け身で消極的なアリバイプレーのオンパレードだったからね。でも・・
そう、選手たちも、そのゲーム内容にショックを受けたんだよ(私は、そう確信している!!・・そのゲームレポートは「こちら」!)。
そして、そこでブチかまされた「強烈な刺激」が、ナビスコカップ準々決勝第二戦、ホームでの「3-0」という素晴らしいサッカーにつながり、そこで蓄えられた爆発エネルギーが、今日のレイソル戦に向けて「増幅しつづけた」っちゅうわけだ。
このレイソル戦では、ミハイロも言っていたけれど、ボールがないところでの動きの量と質が素晴らしかったし、選手たちの、リスクチャレンジ姿勢(闘う意志!!)も賞賛に値する。
やっぱり、不確実な要素がテンコ盛りのサッカーじゃ、とにかく攻守にわたって、積極的に、自分から「リスキーな仕事」を探しつづけなきゃダメなんだよ。
・・攻撃では、味方の仕掛けの流れに「乗っかるだけ」・・とか、リスキーなタテへの仕掛けパスにチャレンジするのではなく、横パスに「逃げ」ちゃったりする・・
・・また守備でも、ボール奪取勝負をブチかませるのに、その相手パスレシーバーへ(ボールホルダーへ!)寄せる「だけ」だったり、120パーセントの全力
スプリントで戻らなきゃ(走り込む相手をマークしなきゃ)いけないのに、「ぬるま湯」の戻りでシュートを打たれちゃったり・・
・・まさにそれは、愚劣なアリバイ守備だよね・・等など・・
そんなプレー姿勢は、特にプロじゃ、あり得ない「罪」でしょ。
何せサッカーじゃ、攻守にわたって、「リスクチャレンジへ行かなきゃ」、ミスをすることはないし、そこそこの安定プレーという評価も得やすいからね。
でも、それじゃ・・
このテーマについては、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」や「あのコラム」もご参照ください。
論理コラムだけじゃなく、イビツァ・オシムが残したモノ・・なんていうテーマもありまっせ。
あっと、脱線。
ということで、ゲームを完璧に支配しつづけるレッズ・・というテーマだった。そう彼らは、完璧にゲームを支配し、決定的チャンスを作りつづけたんだ。
それでも、ゴール「だけ」は決められない、決まらない。
そして、そんなことをしているうちに、前半ロスタイムにゃ、まさに「ワンチャンス!!」っちゅう大ピンチに陥ってしまうんだよ。
そう、キム・チャンスのヘディングシュート場面。
僅かに右ポストを外れていったから事なきを得たけれど、もし決められていたら・・。フ〜〜・・
あっと・・、それだけじゃなく、後半29分には、レッズの守備連係ミスを突いたレイソルCF工藤壮人に、右ポストを直撃するシュートまで打たれちゃった。
誰もがフリーズしたに違いない完璧な「二つの大ピンチ」。でも、ツキに恵まれて命拾いした。
そして・・
まあ、(大敗したマリノス戦コラムの導入部に使ったの同じ表現だけれど・・へへっ!)こんなコトもあるさ・・ってな勝負マッチではありました。
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ところで、ワケの分からない、1.ステージ、2.ステージ・・という「興行」について。
メディアは、「1.ステージ優勝」なんていうテーマで盛り上がっている。
でも・・ね・・
皆さんもご存じのように、「J」に関わっているサッカー人は、絶対に、『年間最多勝ち点チーム』を目指さなきゃいけないんだよ。
以前の「2ステージ制」とは違い、今シーズンからの「それ」では、シーズンが終了したとき、『年間最多勝ち点チーム』が一番エライってことになるはずだからね。
その後のトーナメントは、まさに「興行」。
そして「J」の歴史には、『年間最多勝ち点チーム』と『興行チャンピオン』の両方が刻み込まれる。そうじゃなきゃ、10年、20年後に、「昔」と比べられる、同じ基準のチャンピオンがいなくなっちゃうからね。
だから、「J」に関わっているサッカー人は、そして読者の皆さんも、『年間最多勝ち点チーム』をイメージしてシーズンを楽しむっちゅうわけだ。
この「テーマ」については、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」も参照してください。そこじゃ、いかに2ステージ制が、世界の主流フットボールネーションが築き上げた「伝統」に逆行しているのかというディスカッションを展開しました。
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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