湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2021年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第13節(2021年5月8日、土曜日)
- 日本サッカーにとっての「価値ある宝物」・・鬼木達フロンターレに乾杯っ!!・・(ガンバvsフロンターレ、0-2)
- レビュー
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- あっ、そうか〜〜っ!!・・
実は・・
このゲームの前に、豊田スタジアムで行われた、グランパス対セレッソの試合もダゾンしていたんですよ。
そして、ハッと、気付いたんだ。
そう、豊田スタジアムでの、ダゾン・カメラワーク(ズーミングワーク)が、おしなべて「寄り過ぎ」だっちゅう事実を。
そのことについては、「このゲーム」や「あのゲーム」のコラムをご参照あれ。
だから、後方からの組み立て段階では、最前線での「駆け引き」を、体感できない。
また、どちらかのチームが攻め込んだ状況でも、寄り過ぎだから、次の勝負スペースや逆サイドゾーンを観察できない。
そして、(いつも同じ!?)カメラマン氏は、ボールの動きに合わせて、カメラを「ぶん回す」。
観ていて、イラつくこと、この上ありませんでした。
決定的な勝負シーンは(真の見所は!?)、ボールが「ないところ」にあるわけだから。
そう、勝負は、ボールがないところで決まるんだよ。
この、豊田スタジアムでのダゾン中継、何とかなりませんかね、ダゾンさん。
あっと、ハナシは変わるけれど・・
このゲームで笛を吹いた、山本雄大レフェリーは、グラウンド上での選手たちとのコミュニケーションも含めて、素晴らしい「仕切り」だった。
だから、少しは、(観戦モティベーション的に!?)救われたのかもしれない。
あっ・・スミマセン・・寄り道が過ぎた。
ということで、ガンバ対フロンターレ。
まず・・
この試合でのダゾン・カメラワーク(ズーミングワーク)が、とても良かったコトは、ハナシの流れからしても、強調しておかなきゃいけないよね。
へへっ・・
だから・・
両チームの、ボールがないところでのプレー(意識と意志とイメージング)の内実まで、しっかりと楽しめた。
特にフロンターレ・・
出して動く・・出して走る・・
そんな、素早く、創造的な「球出し」を(素早いワンタッチ&パスを)積み重ねるフロンターレの、まさに、美しい質実剛健サッカーに舌鼓を打っていた。
そんな、軽快で創造的な人とボールの動きがあるからこそ・・
そう、「ワンツー」を積み重ねる、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが、美しく機能する。
とにかく、心ゆくまで楽しんでいましたよ。
そんな鬼木達フロンターレ・・
彼らについては、これまで、様々な「視点」を駆使して、何とか、うまく表現しようと苦心してきたわけだけれど・・
まあ、彼らの「美しい質実剛健サッカー」を表現するコトについちゃ、「繰り返し」なんて気にせず、書きつづけることにしますよ。
そう、しつこく・・ね。
ということで、まず、ボール奪取プロセス(守備)・・
・・強烈な(主体的な!)意志をブチかます、素早く、効果的な、攻守の切り替え・・
・・そして、素早く攻め上がろうとするガンバの、タテへの展開を、「ゲーゲンプレス」&前からプレスで、ブッタ切ってしまう・・
・・また、その「最初の守備の輪」をスリ抜けられても・・
・・そう、ものすごい勢いの「戻り」をベースに、素早く、ブロック守備を組んじゃう・・
・・とにかく、そんな一連の、アクション(守備ハードワーク)での、忠実で、素早くスムーズな「集散」が、レベルを超えている・・
・・それは・・
・・そう、選手たち自身が、「こうやって相手の攻撃をストップしたい・・ああやってボールを奪い返したいっ!!」って、心から願っているからに他ならない・・
・・まさに、意識と意志とイメージングが、高質にシンクロしたスーパーチームじゃないか・・
・・だからこそ、素晴らしい心理マネージャー鬼木達に、心からの拍手をおくるわけさ・・
また、攻撃では・・
・・とにかく、ワンタッチ(ワントラップ)&パスの「リズム」が、レベルを超えている・・
・・だからチームメイトたちも、次のパスを正確にイメージし、「そこ」へ動ける・・
・・それこそが、出して走る、出して動くの「リズム」を高揚させようとする「意志」の絶対リソースっちゅうこと・・
・・だからこそ、組織で、スペースを攻略できるし、そこからの個の勝負能力(ドリブル勝負)も、最高に有利なカタチでブチかませる・・
攻守のコノテーション(言外に含蓄される意味)の表現としては、まったく足りていないって、不満タラタラなのだけれど、まあ「次」もあるからね。
ところで・・
試合後のダゾンインタビューでレアンドロ・ダミアンが、ものすごく魅力的な微笑みを浮かべながら、こんな大事なコトを言っていた。
・・とにかく、このチームのサッカーは、シュートチャンスを多く創りだせるんだ・・
・・後は、オレが決めるだけ・・
・・この試合でのゴールも、長谷川竜也からの素晴らしく優しいアシストのお陰さ・・
ということで・・
最後に、こんな視点は、いかが??
・・このチームは、ホントに多くの「ポリヴァレントな仕事人」を擁している・・
・・もちろん天才連中は、別にしてネ・・
・・登里享平・・
・・山根視来・・
・・田中碧・・
・・旗手怜央・・
・・等など・・
・・特に、ジョアン・シュミット・・
彼は、この試合でも、ボール奪取プロセスや、攻撃でのゲームメイクなど、素晴らしい活躍を魅せつづけていた。
でも、鬼木達は、そんなシュミットを交代させちゃうんだよ。
二点「しか」リードしていないからね・・
あの「素晴らしい実効レベル」の中盤の攻守メカニズムの機能性に支障をきたしたら、大変なコトになる・・なんて老婆心が湧いたんだ。
でも・・
そう、その後は・・
田中碧、旗手怜央が、攻守にわたって、シュミットを補って余りあるスーパーコンビネーションプレーを披露しつづけた。
ホント、すごいね〜・・
とにかく、日本サッカーにとって「価値ある宝物」である、鬼木達フロンターレに、乾杯っ!!
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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