湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2021年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第18節(2021年6月20日、日曜日)
- 最高のエキサイティング動的均衡マッチだった・・まあ、底力ではリカルド浦和レッズに一日の長ありだけれど、そんな強いレッズに、臆することなく120%のプレーをブチかまし尽くした浮嶋敏ベルマーレにも乾杯!!・・(レッズvsベルマーレ、2-3)
- レビュー
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- 浮嶋敏ベルマーレ・・
まさに(主体的に!!)掴み取った「粘りの大逆転劇」に、目を見張った。
とにかく、浮嶋敏ベルマーレに対しては、賞賛の言葉しかない(彼らについては、リーグのガンバ戦コラムもご参照あれ)。
ゲーム・・
まさに、期待通りの「動的なダイナミック均衡マッチ」ってな様相を呈していた。
何せ、両チームの選手たちが、攻守ハードワークとリスクチャレンジのチャンスを、自ら(主体的に!)探しまくっていたわけだからね。
そう、一人の例外もなく、両チームの全員が、攻守にわたって、瞬間的に、具体的な「イメージング」を脳裏に描きつづけ、そして勇気をもって実行していたんだよ。
この、「イメージング」っていう分かりにくいテーマについては、今朝アップした、「EURO_2020_コラム」も、ご参照あれ。
とにかく、両チーム選手たちの、自らすすんで、攻守の「汗かき仕事」までも探し尽くそうとするプレー姿勢には感動させられた。
選手たちの「意識と意志とイメージング」を極限まで高揚させている両チーム監督に対しては、日本のサッカー人の端くれとして、敬意と感謝の意を表します。
ホントに、両チームは、素晴らしくトレーニングされた「良いチーム」だ。
とはいっても・・
そう、皆さんも観られたとおり、「底力や地力、総合力」ってな視点じゃ、リカルド浦和レッズに一日の長あり・・だよね。
それにしても、両チームがブチかましつづけた、まさに「主体性の極み」ってな感じのボール奪取プロセス(守備)。
決して、リトリートする(ブロック守備を組む!?)わけじゃない。
そうではなく、両チームともに、「ゲーゲンプレス」も含めた前からプレス守備を、最後の最後まで貫きとおしたんだ。
そこで繰り出される・・
チェイス&チェック、カバーリング、ボールがないところでの忠実マーキングやインターセプトアクション、協力プレスへの選手たちの集散、また、極限シーンで伸ばし切る「最後の半歩」等など。
とにかく、そんなボール奪取プロセス要素が、ものすごく緊密に、そして有機的に「連動」しつづけていた。
両チームともに・・ね。
堪能した・・
あっと・・
ということで、ここからは、リカルド浦和レッズの個別選手について、簡単に・・
まず、何といっても、キャスパー先生。
以前、ポストプレーに課題あり(!?)なんて書いたコトがあったかもしれない・・
前言撤回!!
彼は、スーパーストライカーというだけじゃなく、素晴らしいスピードとパワーを兼ね備えたチャンスメイカーでもある。
でも、この試合では、スーパーストライカーとしての「質」が際立っていたけれどネ。
とはいっても私は、最終勝負プロセスのなかで魅せつづけた、効果的に「ボールを動かすセンス」にも脱帽していたっけね。
それ以外にも・・
(最終ラインの!?)古株選手たち、伊藤敦樹、明本考浩、小泉佳穂といった常連については、まさに(これまでの)イメージ通りの「高質プレー」を魅せてくれたよね。
でも、一人だけ、大久保智明についてだけは、明確なプレー印象がなかったんだよ。
それが・・
そう、この試合での、実効ある(勇気あるチャレンジプレーの!)大活躍。
特に後半・・
キャスパー先生と組んで創りだした、二つの「ゴール機会」シーンには、特別な意味合いが込められていたって感じていた。
そう、「コイツは使えるし、頼れる・・」っていう強烈なポジティブ印象。
とにかく、リカルド浦和レッズは、着々と、進化&深化ベクトルの「中身」を充実させつづけていると感じる。
頼もしい限りじゃないか。
今シーズンの終盤には、何らかの「眩い光」を放っている姿が思い浮かぶ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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