湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2021年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第26節(2021年8月25日、水曜日)
- 「新顔」の、チームへの効果的な組み込みにチャレンジするリカルド・・彼は、「本物のインテグレーション」は、やっぱり勝負マッチでなければダメだという事実をよく知っている・・(レッズvsサンフレッチェ、1-0)
- レビュー
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今日、久しぶりにリモート会見を覗いてみたんですよ。
そして質問をするために手を挙げた。
でも、残念ながら、時間が押しているということで質問させてもらえなかった。
えっ!? どんな質問がしたかったのかって!?
そりゃ、何といっても・・
・・リカルドさんがレッズ監督に就任してから、選手が、大きく入れ替わった・・
・・それも、主力級の選手が何人も・・
・・そこで、今もっとも苦労しているコトは?・・
・・また・・
・・この3試合、確かに3連勝はしたけれど、(リカルドさん自身も語っていたように!?)内容的には、そんなに納得できるモノじゃなかった・・
・・わたしは、主力級の新加入選手たちをチームへの組み込んでいくプロセスで、まだ調整中というふうに考えているのだが??・・
・・ってな感じですかネ。
たしかに、このディスカッション・ポイントについてコメントをもらえなかったのは残念だったけれど・・
まあ、これからが、ストロングハンド、リカルド・ロドリゲスのウデの見せ所っちゅうことだね。
それにしても・・
(チームの顔という視点で!?)まったく別物チームになったリカルド浦和レッズ。
そこには、興味深いタレントが目白押しだぜ。
スーパー攻守ハードワーカー(だからこそ信望が厚い!?)明本考浩と伊藤敦樹。
前線からの(爆発的な!!)攻守ハードワークだけではなく、とてもクリエイティブなゲーム&チャンスメイクを魅せつづける小泉佳穂。
やっと、攻守にわたる「効果レベル」をアップさせてきた(攻守ハードワークの何たるかを体感しはじめた!?)江坂任。
デュエルでの「闘う意志」にホンモノ感を漂(ただよ)わせるアレクサンダー・ショルツ。
相変わらずのゴールゲット感性を魅せる(動きの感覚!)キャスパー・ユンカー。
また、スーパードリブラー大久保智明、海外を渡りあるいた放浪の(だからこその強烈な個性の!?)ストライカー木下康介、攻守ハードワークと冷静なゲームメイクを魅せるボランチ平野佑一・・等など。
そんな強者どもの、感性や物理的な能力を、うまくバランスさせながら、チームとして最高パフォーマンスを発揮させる。
そりゃ・・
サッカー内容を、(まだ!!)うまく高みで安定させられないのも、道理だね。
それでもリカルドは・・
そう、彼は、とにかく勝負マッチに、彼らを使う。
もちろんリスク要素はテンコ盛りだろうけれど・・
彼らが、「そこ」で何が出来るか(チームメイトや外部に対するアピール!)によって、「すべて」が決まってくるわけだから、とにかくチャンスを与える。
そう、リカルドは、選手たちの「主体性プレー」こそが重要だって理解しているんだよ。
だからこそ「新顔」を、いきなり、「勝負シーン」にブチ込んでいくんだ。
そして、そこでの「成功と失敗」に対する選手たちのリアクションを観察し、そのコノテーション(言外に含蓄される意味)を探るっちゅうわけだ。
もちろん、リスクは大きいけれど、目指すサッカーがハイレベルだからこそ、チャレンジできる。
そう、美しい質実剛健サッカー・・ね。
その、チャレンジ精神が、いい。
ということで・・「前節」と「前々節」のゲームコラムもご参照あれ。
最後に・・
ダゾンのカメラワーク(ズーミングワーク)。
とても、良かったですよ。
カメラマン(ディレクター)の方々が、(わたしが観たいと思っている!)グラウンド上の現象を同じように「観たい」って思っていることを、ヒシヒシと感じていました。
どうも、お疲れ様でした。
そして、有難うございました。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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