湯浅健二の「J」ワンポイント


2022年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第13節(2022年5月13日、金曜日)

 

素晴らしくエキサイティングな動的均衡マッチだった・・堪能した・・でもリカルド浦和レッズは、またしても、微妙に「決め切れない」という課題を乗り越えられなかった・・(レッズvsサンフレッチェ、0-0)

 

レビュー
 
すごかったネ〜・・

まさに、スーパーレベルのダイナミックな動的均衡マッチだった。

その素晴らしさを体感できたコトのバックボーンだけれど、それは・・

そう、ダゾンのカメラワーク(ズーミグワーク)が素晴らしかったからに他ならない。

わたしは、カメラマン、ディレクター諸氏に、心から感謝していました。

ということで・・

ダゾンさんのお陰で、攻守にわたる、ボールがないところでの、両チームの「意識と意志とイメージング」のせめぎ合いまで、しっかりと楽しめたわけさ。

ボール奪取プロセス(守備)にしても、スペース攻略プロセス(攻撃)にしても・・ね。

何せ・・

両チーム選手が、限界レベルの攻守主体性プレーを、互角にブチかまし合ったわけだから。

まあ、とはいっても・・

たしかに、ミヒャエル広島サンフレッチェの方が、前線からのチェイス&チェック(ボールへの寄せ)が、より忠実&ダイナミックではあったけれど・・。

そんなミヒャエル広島サンフレッチェに対して・・

リカルド浦和レッズは、何度も、その協力プレスを、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションで、うまくかわしていくシーンを魅せた。

そのスペース攻略プロセス(攻撃)だけれど・・

ミヒャエル広島も、リカルド浦和レッズに勝るとも劣らない、スペース攻略プロセス(攻撃)での、素晴らしい人とボールの動きを魅せつづけたっけね。

とにかく・・

両チーム監督、リカルド・ロドリゲス、ミヒャエル・スキッベが、ホントに良い仕事をしていると、敬意を込めた拍手をおくっていた筆者なのだよ。

ということで、ゲーム(勝負)展開のキモ・・

それは、まさに、両チームともに、良いスペース攻略プロセス(攻撃)の時間帯を、奪い合うってな、エキサイティング動的均衡マッチだったというコトだよね(あっ、繰り返し)。

とはいっても・・

たしかに、前節(レイソル戦)同様に、「ゴール機会の量と質」という視点では、リカルド浦和レッズに、一日の長があった。

それについては、サンフレッチェGK大迫敬介に、拍手するしかないわけだけれど・・

それでも、決め切れないという「グラウンド上の現象」については、やっぱり、何らかの「課題」が、裏に潜んでいるんだろうね。

理想マイナス現状イコール課題・・ということだから・・

ここでは、決定的なシュートの「コース」が甘かった・・っちゅうことも、課題として挙げられる!?

たしかに、「あのコース」じゃ、大迫敬介に、横っ飛びセービングで弾き出されても仕方なかった。

シュート決定力!?

まあ、そういうことだけれど、さて〜〜・・

このテーマ(シュート決定力)については、「このコラム」もご参照あれ。

あっ、そうそう・・

後半に(交代して)グラウンドに立った、江坂任。

今日の彼のプレーからは、これまで、あまり目立つ(!?)コトのなかった、さまざまな意味合いを内包するハングリーさ(強烈な闘う意志!?)が感じられたっけ。

ボール奪取プロセス(守備)においても、スペース攻略プロセス(攻撃)についても。

それ(強烈な闘う意志!)が、「あの」素晴らしい2本のミドル弾に、込められていた!?

そう、彼は、そんな、並外れたセンスを(神様から!?)授かっているんだ。

これからは、もっと、もっと、積極的&攻撃的に、リスクにチャレンジしよう。

それがあって初めて、彼の天賦の才が花開くんだよ。

あっと、最後に・・

サンフレッチェ広島の新任監督、ミヒャエル・スキッベだけれど・・

彼は、2002年の日韓ワールドカップで準優勝を遂げたドイツ代表のコーチを務めた。

そう、ルディー・フェラーのコーチ(戦術プレイン!)として、素晴らしい仕事を為したんだ。

彼とは、そのワールドカップの後に(2002年7月から8月にかけて)、ドイツ(プロ)サッカーコーチ連盟が主催する国際会議で、知り合った。

そのサッカーコーチ国際会議では、わたしも、彼と一緒に、パネルディスカッションのパネラーとして壇上に登ったっけ。

当時のコラムと、ミヒャエルとのインタビュー記事も、ご参照あれ。

では、また。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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