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2011_J_プレシーズンマッチ・・まだまだ新生レッズのチーム戦術が見えてこない_その2・・(栃木vsR, 0-1)・・(2011年2月27日、日曜日)

さて〜〜・・どうだろうかネ・・これじゃ、「前後左右が分断」したステレオタイプのサッカーになってしまう!?・・まあ、そんなことはないとは思うけれど・・hopefully・・フ〜〜・・

 聞くところによると、ゼリコ・ペトロヴィッチは、サイドゾーンを起点とした仕掛けプロセスを強調しているとか。だからといって、左右のサイドハーフ(田中達也とマゾーラ)は、自分のサイドゾーンに張り付きすぎじゃネ〜〜か!? さて〜〜・・

 このプレシーズンマッチについては、素晴らしい「質実剛健マネージメント」を魅せつける松田浩監督によって率いられる栃木SCではなく、レッズを中心にレポートします。悪しからず・・

 でも、栃木SCについても一言だけ。

 とにかく、彼らがブチかます質実剛健サッカーは、攻守にわたり、一つのユニットとして素晴らしい機能性を魅せつづけた。特に、ボール奪取イメージが明確にシンクロしつづける組織ディフェンスは秀逸。組織的な(互いのポジショニング)バランスを基盤に、相手のボールの「動き」を明確にイメージした(次のボールの動きを予測した)チェイス&チェックと次のアクションが連動しつづける。ホントに、見応え十分でした。松田浩監督のウデに拍手・・です。

 ということでレッズ。人が動かないね〜〜・・。これじゃ、ダイレクトパスを連動させるダイナミックなコンビネーションが出てこないのも道理だよ。そりゃ、そうだ。何せ、選手たちが、自分の基本ポジションに「張り付き過ぎている」んだからね。

 いつも書いているように、これからのサッカーの絶対的ベースは、なんといっても組織プレーなんだよ。守備においても、攻撃においても。だからわたしは、攻守にわたって、ボールがないところでのアクションの量と質に注目し、それを評価の中心に据える。そう・・バルセロナのサッカーを絶対的な評価基準としてね。

 要は、攻撃では、人とボールが動きつづけるダイナミックなコンビネーション(ダイレクトパスをうまく活用しながら、局面で数的に優位な状況を作りつづける組織プレー)を積み重ねていくなかで、ボールを相手守備の「薄いゾーン」へ効率的に運び、そこで「個の才能」を光り輝かせる・・っちゅうのが、正しい基本コンセプトだということです。

 そんな基本的なアイデアがあってはじめて、個の才能も『最大限に』活かすことができる。

 ・・人とボールを動かしながら相手ディフェンスブロックを「攪乱」することでスペースを作り出す・・そしてそこを、組織コンビネーションと、(この試合で原口元気が魅せつづけたような!?)危険な爆発ドリブル勝負が高い次元でコラボレートした最終勝負を仕掛けていく・・とかネ・・

 でも、この試合でレッズが展開した攻撃からは、先日の、アルディージャとのプレシーズンマッチ同様に、組織コンビネーションのニオイを嗅ぎ取ることすら出来なかった。

 目立ったのは、後半から登場した原口元気。良くなっているとは聞いていたけれど、ものすごく「粘り強い局面勝負」を繰り広げるなど、以前の「受け身で淡泊な雰囲気」が霧散したと感じた。

 もしかしたら、そのポジティブな現象は、ゼリコ・ペトロヴィッチが推し進める「サイドからの個の局面勝負」を前面に押し出す攻撃コンセプトによって引き出された!? まあ・・もしかしたら・・

 たしかに、いまのレッズの仕掛けイメージでは、それしか攻め手がないわけだから、原口元気だけじゃなく、田中達也にしてもセルヒオにしても、「エイヤッ!」っちゅう、フッ切れたドリブル勝負を仕掛けていくしかないよね。

 とにかく、全体的な運動量(イメージの総量)が、昨シーズンと比べて半分以下になった・・っちゅう印象だね。それは、「数的に優位な状況を作り出して仕掛けていく、ダイレクトパスを主体にした組織コンビネーションを演出するためのアクションの量と質・・」とか、「組織コンビネーションに対するイメージの量と質(!?)・・」なんて表現できるかもね。

 とても微妙なのだけれど、私は、「簡単に出来るようにはならないのだから(次元の高いプレーが出来るようにまでには時間と労力がかかるから)やり方を制限した方が、より高い確率で勝利に近づけるだろう・・」という考え方には、アグリー(同意)できません。もちろんゼリコ・ペトロヴィッチが、そのように考えているかは分からないけれど・・ね。

 皆さんもご存じの通り、わたしの絶対的なコンセプトは、「理想型はポジションなしのサッカー・・」というものです。ゴールキーパーを除いた全てのフィールドプレイヤーは、攻守にわたり、優れた運動量を絶対的なベースに、その時点で「やるべきこと」を全力で「やる」・・という方向性です。

 ・・もちろん、そんな「ポジション無しのサッカー」を実現することは不可能・・だから、様々な妥協をする・・でも、その妥協の「方向性」がとても重要な意味をもつ・・そこで、「勝負寄り」に妥協していくのか、「美しさの発展・・」という方向性も志向しながら妥協していくのか・・リスクチャレンジのないところに発展も(美しさも)ない・・のです・・

 まあ・・要は、「自由と規制のバランス」をどこにもうけるのかというコンセプトレベルのハナシですよね。それは、美しさと勝負強さのバランスを「どこ」に置くのか・・という発想とも言える。

 もちろん、ゼリコ・ペトロヴィッチのサッカーを(この段階で)予断をもって語るのはアンフェアだよね。とにかく、待ちましょう。

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 またまた、出版の告知です。

 今回は、後藤健生さんとW杯を語りあった対談本。現地と東京をつなぎ、何度も「生の声」を送りつづけました。

 悦びにあふれた生の声を、ご堪能ください。発売翌日には重版が決まったとか。それも、一万部の増刷。その重版分も、すでに店頭に(ネット書店に)並んだそうな。その本に関する告知記事は「こちら」です。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。

 4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。

 出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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