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- 2012_CL_またまたバルサの一発が炸裂した・・(レーヴァークーゼンvsバルセロナ、 1-3)・・(2012年2月15日、水曜日)
- やっぱり、バルサの「ここ一発の爆発」はレベルを超えていた・・
セスク・ファブレガスが雑誌のインタビューで語っていたバルサの守備については「このコラム」で書いた。また、「ボール命」と「独特の動きのリズム」という発想がベースの攻撃については「このコラム」。それ以外でも、「ここ一発のチャンスメイク・・」というテーマで、スペイン国王杯でのバレンシア戦を取りあげた。
ということで、ここでも「バルサのここ一発・・」という視点で簡単にコラムをアップしまっせ。
要は、バルサの「攻め方」に対する明確なイメージと、徹底した実行力(集中力)をもってグラウンドに臨んでくる猛者のディフェンスブロックに対し、一瞬のスキを逃さず「ワンチャンスの爆発」をブチかまし、その多くをゴールに結びつけてしまうバルサ・・っちゅうテーマです。
ボール絡みの仕掛け(まあ・・メッシの勝負ドリブルなど)でも、ボールがないところでの勝負アクション(フリーランニング&ラストパス勝負)でも・・
このゲームでも、集中したポジショニングバランスと素早いボールへの「寄せ」、忠実なマーキング&カバーリングで、流れのなかでは「バルサの仕掛けの動き」を封じていたレーヴァークーゼン守備だったけれど、結局は、バルサがブチかます「ココゾッ!」の一発にやられてしまった。
バルサが叩き込んだ三点ともに、ボールがないところでの勝負の動き(フリーランニング)が決定的なファクターだった。まあ、爆発的な(ショート)カウンター・・
まず、アレックス・サンチェスの先制ゴール場面。そこでは、レーヴァークーゼンが全体的に押し上げていた状況で、何度かルーズボールをヘディングで競り合うシーンがつづいた。
そして最後は、ゴールを決めたアレックス・サンチェスがヘディングで競り勝ち、前方のメッシへパスを送ることに成功する。そしてそれが、勝負の瞬間だった。
ボールがメッシにわたると確信した瞬間、バルサの二人の選手が爆発したのですよ。
ヘディングでパスを送ったアレックス・サンチェスと、すぐ横にいたセスク・ファブレガス。この二人が、まさに脱兎のごとく、全力ダッシュをスタートしたのです。二人とも完璧にフリーで、右サイドの決定的スペースへ飛び出していく。
そして、メッシ。
例によって、自然体のトラップで、浮いているボールをコントロールする。レーヴァークーゼンのディフェンダー三人は、そのアクションに視線と意識を引きつけられている。
レーヴァークーゼンの最後尾プレイヤーは、もちろん、全力スプリントで(彼にとっての)左サイドの決定的スペースへ抜け出そうとしているサンチェスとセスクは見えていたに違いない。でも彼は、メッシが、その体勢で(二人のディフェンダーに寄せられている!)タテパスを出せるとは思わなかったのかもしれない。また彼は、決定的スペースへ抜け出そうとするサンチェスとセスクにしても、そのタイミングでタテパスが出ても、オフサイドになるとも思っていたはず。でも・・
そう、メッシが、レーヴァークーゼン守備のイメージを完璧に凌駕してしまう魔法のタテパスを、完璧なコースに送り込んだのです。「チョ〜ンッ!」という浮き球のタテパス。もちろん左足アウトフロント。強さ、種類、コース、そしてタイミング、どれをとっても、まさに完璧。
そして最後は、アレックス・サンチェスが、飛び出してきたレーヴァークーゼンGKの股間を抜いて、ゴールへのパスを決めた。
2点目もアレックス・サンチェス。
ドリブルで上がってくるセスクに合わせ、右サイドから中央ゾーンへ入っていくアレックス。レーヴァークーゼン守備が、彼に対するマークは受けわたす。でも、サンチェスを受け持つべきセンターバックのマーキング体勢は、サンチェスの足の速さを考えれば、まさに「イージーの極み」だった。案の定、セスク・ファブレガスからのタテパスが出た次の瞬間には、完全に身体一つ遅れてしまっていた。
そしてバルサの3点目。メッシ・・
・・中盤でボールを奪い、間髪入れずにドリブルに入るメッシ・・相手が手を使って止めようとするけれど、そんなプレッシャーをかいくぐってドリブルをつづけ、右サイドの決定的スペースへ飛び出すダニー・アウベスへタテパスを送り込む・・
・・でもメッシは、脇目も振らずに全力でゴール前へ走り抜けていく(最終勝負イメージ描写と強烈な意志のコラボレーション!?)・・そして最後は、ダニー・アウベスからの折り返しをダイレクトシュート!・・まさに、大きなワンツーが成就した、美しい「ここ一発の爆発ゴール」・・
このコラムのポイントは、いくらゲームの(全体的な)流れのなかでは「動きや変化」を抑えられていても、ワンチャンス(相手のスキ)を逃さず、瞬間的にボールがないところでの爆発アクションをスタートさせる忠実な(めげずに高い集中をキープできる!?)天才たち・・っちゅうことですかね。
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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