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2017_日本代表トレーニングマッチ・・ブラジルと日本の本質的な差を、天才的なスキルだけじゃなく、トラップの内実にも見た・・(日本vsブラジル、1-3)・・(2017年11月10日、金曜日)

・・あっ、危ない!!・・

そのとき、心のなかで、そう叫んだ。

日本の3失点目(前半36分)。

右サイドでボールを受けた久保裕也が、シュートすることもイメージして、中央ゾーンへドリブルで切れ込んでいったんだよ。

もちろん、とても創造的な、勇気あるリスクチャレンジ。普通だったら・・ネ。

でも私は、三人のブラジル選手たちが魅せた「囲い込みアクション」にも目を奪われ、これはヤバいことになるぞっ・・とも感じていたんだ。

ヤツらは、(たぶん意図的に!?)久保裕也にドリブルで中央ゾーンへ切り込ませ、そして久保裕也のボールコントロールが乱れた瞬間に、一人がアタックしてボールを奪い返したんだ。

このシーンで、もっとも注目しなきゃいけないポイントは、その直前のタイミングで、残りの二人が、次のカウンターのために超速ダッシュをスタートしていた・・ということだ。

そして案の定・・

そのカウンターが、とても「厚かった」からこそ、一度は日本に止められたけれど、サポート攻撃でゴールをブチ込んだというわけだ。

ブラジルは、守備が抜群に強い。

このシーンには、「周り」が、次の攻撃をとても明確にイメージできるというテーマも内包されているよね。

攻撃の強さと守備の強さは、まさに表裏一体なんだよ。

そんな強いディフェンスがあればこそ、攻撃にも、より「確信的なアクション」が生まれるというわけさ。

それも「単発」じゃなく、このカウンターゴールのように、いくつものサポートアクションが、複合的に繰り出される。

世界最高のスキル集団であるブラジル。

彼らのディフェンスが抜群に協力であるからこそ、ボールがないところでの「確信イメージの高揚」が、世界最高のカウンター攻撃を生み出すっちゅうわけだ。

このゲームだけれど・・

後半も含めて、その後のゲーム展開は、コーナーキックから槙野智章が追いかけゴールを奪いはしたけれど、実際には、とても退屈な雰囲気に落ち込んでいったよね。

たしかにハーフタイムでのバイードの指示がツボにはまった部分もあったから日本が少しは盛り返せたんだろうし、交替出場した浅野拓磨の活躍もあった。

まあ、「あの」森岡亮太がが出てくるまでは・・ネ。

たしかに、ダイレクトパスでの仕掛けでは才能を感じさせる。でも、彼の攻守ハードワークは、まさに「アリバイプレー」のオンパレードなんだよ。

私は、周りのチームメイトたちの、森岡亮太のアリバイプレーに対する「内的な怒り」を明確に感じ取っていたっけ。

あっと・・退屈な後半というテーマだった。

そこには、ブラジルの「闘う意志の減退」という事実もあったね。

また、選手がどんどん交替していったことで、両チームともに、「サッカー内容のまとまりレベル」がダウンしていったという側面もあった。

ということで後半については、「ボールがないところでの動きの量と質を伴った組織的なリスクチャレンジがないサッカーは退屈の極みだ・・」と思ったことは事実だったというわけです。

とにかく、このコラムでは、とても興味深いコンテンツが山盛りだった前半の内容にスポットを当てたいと思う次第なのです。

例えば、ブラジルの「巧さ」を体感し、実際に、個人勝負だけじゃなく組織コンビネーションでも、何度もウラの決定的スペースを攻略されたという事実と対峙した日本選手たち。

彼らの「闘う意志」が減退していくのも道理ではあった。

意志の減退・・

それは、守備でのチェイス&チェック(寄せ)や協力プレスの勢いだけじゃなく、攻撃での組織サポートの内実にも、如実に現れてくる。

でも・・

そう、我らが日本代表は、そんな「意志の落ち込み」から、何度も立ち直り、攻守ハードワークとリスクチャレンジの勢いを取り戻していったんだ。

そんな、元気取り戻していった(闘う意志の高揚)プロセスもまた、とても興味深かかった。

それには、もちろん長友佑都や長谷部誠といったベテランによる、心理的&物理的な鼓舞があったに違いない。

でも・・

そう、日本チームが、ボールを奪い返して攻め込んでいく勢いを、あのブラジルの天才連中は、とても巧妙に逆利用し(部分的には、意図的に仕掛けさせて!!)、次の危険なカウンターにつなげてしまうっちゅうわけだ。冒頭で書いたようにネ・・

ところで、日本とブラジルの差・・

もちろん天才的なスキルの差やフィジカルの差は、誰もが認識できたでしょ。

それにプラスして、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが内包するコノテーション(言外に含蓄される意味)の差もあった。

たしかに、様々な視点の差はあった。でも私は、個人戦術的なテクニックに注目したんだよ。

それは、トラップの質。

それに注目したのは、サッカーの根源的な(もっとも重要な!)テクニックが、ボールを止めるトラップの内実にあるから。

私は、その部分で、日本とブラジルの差を、代表的なモノだと感じていたのさ。

このテーマについては、「The Core Column」において、二つのコラム(視点)に分けてディスカッションした。

まず、トラップという根幹テクニックと、それがあるからこその「良い組織サッカーのリズム」というテーマを、バルセロナとフロンターレをモデルにして書いた。そのコラムは「こちら」

また、トラップ&コントロールについては、二軸動作というテーマも含めて、「このコラム」で書いたのでご参照ください。

さて・・

これから、ドイツの友人宅(エッセン)まで300キロを走破しなきゃいけない。

今朝は、3時に起き、オランダ、ベルギーを経由してリールまで到着した。ものすごいトラックの量だった。さすがに、ヨーロッパの物流拠点だね。

もちろん、早朝の5時にもかかわらず、それほど混んでいたのは、今日が金曜日だというコトもあるだろうね。

そう、週末。

ということで、ウィークエンドの混雑がピークに達する午後の遅い時間を避けるために、スタジアムでコラムをフィニッシュした次第。

もちろん、ドイツに帰ったら、友人たちと、イングランド対ドイツ戦をテレビで観ながら、サッカー談義に花を咲かせまっせ。

では、4日後のベルギー戦を楽しみに・・

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ところで・・

私の、とても近しい友人である「カーラ・ライフ」さんが経営する、鎌倉にある「シーキャッスル」というドイツレストラン。

今年、実に「60周年」を迎えたんだよ。

そのシーキャッスルについては、HPはないから、「このページ」や、「あのページ」「こんなページ」、またご自分で検索されたページなどをご参照あれ。そのインプレッションでは、「カーラ」が、とても丸くなっているっちゅうことだけれど・・へへっ・・

また、カーラについては、「My Biography」シリーズでも書いたっけね。

彼女が登場するコラムは、こちら(その1その2その3)ですかね。

とにかく機会があったら、是非、カーラのところで、ドイツ料理に舌鼓を打ってください・・ネ。

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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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