トピックス
- 2018_「J」の雑感(その1)・・まずはアントラーズのイメチェンから・・(2018年3月8日、木曜日)
- アントラーズが、チーム戦術的なイメチェンを果たしつつある・・!?
このテーマについては、まず、昨シーズンの終盤にアップした三つのコラムをご参照ください。
最初は、30節の、マリノスとのアウェー戦。
そのときは、コラムの最後の部分に短くまとめたけれど、いま読み返してみても、ナルホド・・、そんな風にアントラーズのサッカー変化を感じていたんだ〜・・、なんてネ。
次が、32節の、レッズとのホーム戦。
そこで私は、彼らの変化(意志の変容!?)を、より明確に体感しはじめていた。
そして、33節のレイソルとのホームゲームでは、その体感が、確信レベルにまでアップしたっちゅうわけさ。
そんなアントラーズ変化のバックボーン!?
もちろん、それは、大岩剛監督の「意志」に因るよね。
私は、その変化に(それに取り組もうとする!?)勢いが乗っていった背景要因の一つに、第22節の、アウェーでのフロンターレ戦があると思っている。
その敗戦の後の記者会見で、大岩剛監督は、素直にフロンターレサッカーを賞賛していた。
そのコメントには、「シャッポを脱いだ・・」とも取れるニュアンスが込められていたっけ。
そして今シーズン、そんな「アントラーズのイメチェン」が加速しているのさ。
私は、ACLや「J」における、アントラーズパフォーマンスのコノテーション(言外に含蓄される意味)を、かなり注意深く観察しているんだよ。
そして、思った。
こりゃ、本物だ。
その戦術的なコノテーション(言外に含蓄される意味)の詳細については、前述した「Jリーグコラム」で、ある程度は書き綴ったつもりでっせ。
例えば・・
・・リスクチャレンジのないとろこに進化&深化はない・・
・・すべてのサッカーコーチは、美しく勝つことを志向しなければならない・・
・・だからこそ、より積極的にボールを奪いにいかなければならないし、次の攻撃でも、チャンスを見出した誰もが、前方スペースへ飛び出していかなければならない・・
・・そう、積極的にバランスを崩していくサッカー・・
・・だからこそ、素早く、効果的に「次のバランス」を取り戻すための「真のバランス感覚」も養わなきゃいけない・・
・・そして、そんな「積極的で攻撃的なサッカーベクトル」のみが、世界につながる・・
・・等など。
まあ、いまのアントラーズ選手たちが、すべてにおいて、積極的な攻守ハードワークを心がけてチャレンジしている姿を、頼もしく感じていることが言いたかった筆者なのであ〜る。
とにかく、「あのレベルの選手たち」が、「こんな積極チャレンジングサッカー」を始めたら、確実に「世界」との距離が縮まるだろうし、観ている誰もが感銘を受けるでしょ。
そしてアントラーズが、日本サッカーを「正しい方向」へ牽引していくイメージリーダー的な存在へと脱皮していく。
彼らの、プロとしての本当の意味の活躍が、楽しみで仕方ありませんよ。
あっと・・
そういえば、マリノス新任監督のポステコグルーも、同じように、チャレンジャブルで魅力的な攻撃サッカーを志向しているよね。
いいね〜、ホントに。
たしかに、「それ」で勝つのは、より難しい作業にはなる。
でも、プロサッカーにおいて、もっとも大事なファクターは、現場とファンが、希望と期待、そして「際ビジネス」というエンターテインメントからの、非日常の感動を得られることだよね。
そう、選手たちの「モティベーション」に勝る大切な要素はないということサ。
やらされている「戦術サッカー」より、自らハードワークを積極的に探しまくる「解放サッカー」の方が、何倍も、進化&深化のスピードが速いモノなんだよ。
だからこそプロ監督には、様々な「深い」意味合いを内包する「忍耐」が求められるっちゅうわけさ。
そういえば・・
連載をつづけている「商工ジャーナル」で、こんなコラムをアップしたっけ・・。
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サッカー監督にとって、もっとも大事なコーチングエッセンスは?
サッカーは、イレギュラーするボールを、身体のなかで比較的ニブい足をつかってコントロールするという、不確実な要素が満載のスポーツだ。選手は、予測できない変化へ臨機応変に対応するだけではなく、強い意志をもってリスキーな勝負も仕掛けていかなければならない。
何故ここで、リスキーな勝負を強調したかって!? それは、安全なバックパスや横パスをつないでいれば、ミスをしないで済むからだ。そしてサッカーが停滞していく。
リスクチャレンジから逃げたら、チャンスを創りだせないどころか、不確実だからこそ保証されている、楽しさや美しさの絶対的バックボーンである「自由」を失い、進化が止まってしまうのだ。
だから私は、不確実なサッカーを、究極の「意志のボールゲーム」と呼ぶことにしている。
そんな団体ボールゲームは他にはない。だからこそサッカー監督には、選手が主体的に考え、決断し、勇気をもって行動するように、ハイレベルな心理マネージメント「も」求められるのである。
もちろん、どのように守り、どのように攻めるのかといった基本的なチーム戦術は、周到に準備されたミーティングやトレーニングを通じて理解させ、着実に浸透させていかなければならない。
でも、そのチーム戦術に、様々な工夫を凝らしながら命を吹き込んでいくのは選手たち自身。ゲームがはじまってしまえば、監督ができることは多くないのだ。
だからこそ監督は、日頃のトレーニングや心理マネージメントを通じて、選手たちの(優れた社会性も内包する!)自己主張の可能性を発展させる努力を怠って
はならないのである。
もちろん実際の心理マネージメントは、選手それぞれの能力やパーソナリティなどに柔軟に対応しなければならないから、定型はない。
そのミッション目標は唯一。選手を、後ろ向きの(!?)プレー姿勢から解放し、チームのために、自ら考え、不確実であることを恐れない勇気と責任感をもって積極的にアクションしていくような「意志の発展」を助長することだ。
ただし、勇気を高みで安定させるのは簡単ではない。哲学者ニーチェは、勇気を失ったら、生まれてきた意味がないと言うけれど、減退した勇気を回復させるには相当な努力が要るものなのだ。
では、そこでの、もっとも重要なコーチングエッセンスとは?
それは、忍耐。アプローチされる選手の学習(心理)プロセスは千差万別だからこそ、監督は、明快な目標設定と最低限の個別指示、乞われた場合に出す核心のアドバイス以外は、選手たち自身によるトライ&エラー(学習プロセス)に託すのである。
多くの賢人が異口同音に言っている。押しつけない忍耐こそが成功をもたらす。特に、創造性が求められるサッカーにおいては。
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ではまた〜・・
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- ところで・・
チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。
以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。
彼女については、このページやあのページを参照してください。
私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。
その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。
藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。
「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。
ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。
また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。
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- あっと・・
- 私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」。
- ちょっと、プロモートさせてくださいね。
- この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」。
- とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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