湯浅健二の「J」ワンポイント


2016年Jリーグの各ラウンドレビュー

 

第34節(2016年11月3日、木曜日)

 

勝者メンタリティーの浸透・・それ「も」選手層を厚くするバックボーンだ!!・・(レッズvsマリノス、1-1)

 

レビュー
 
嬉しい・・ホントに・・心から・・

何せ、「このタイプのサッカー」が、J-リーグの頂点に立ったんだからね。そりゃ、天にも昇る気持ちになるのも道理でしょ。

あっと・・

J−リーグの頂点・・

まだ、この後に、「2016Jリーグチャンピオンシップ」なんていう興行トーナメントが待っているんだっけ。

まあ、このテーマについては、コラムの末尾に所見を述べてありますし、新連載「The Core Column」で、2013年に、「こんなコラム」を発表しているから、そちらもご覧あれ。

とにかく「それ」は、スポーツのあるべき姿とは似ても似つかない、でっち上げの興行そのものなんだよ。フンッ・・。

ところで、レッズが貫徹し、最高の結果までもぎ取った「このタイプのサッカー」というテーマ。

それについても、新連載「The Core Column」で発表した、「あんなコラム」「こんなコラム」をご一読ください。

要は、攻守にわたる積極的なリスクチャレンジ&ハードワークを絶対的なベースにした、攻撃的で魅力的なサッカーという視点。

そう、美しく勝つ・・というテーマを突き詰めたレッズが、1年を通したリーグで、(勝ち点の=真の!?)チャンピオンに輝いたというわけさ。

また、もう一つ嬉しいコトがあった。

それは、レッズファンの方々が、試合後のスタンドに、「チャンピオン」という人文字を表現してくれたこと。

とにかく、レッズファンの方々が、サッカーを、(人々をリンクする!)スポーツとして愛していることを(その抜群にハイレベルな参加&当事者意識を!)実感できて、とてもハッピーでした。

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ということでゲーム展開だけれど、それには、かなりドキドキさせられた。

そう、前半18分で、既にフロンターレが2点のリードを奪ったという情報が入っていたんですよ。

ということは、このままレッズが引き分けたら、最終成績で逆転されてしまう。

だから、とても優れたダイナミックサッカーで立ち上がりながら、中盤から、ちょっとペースダウンしてしまったレッズの前半は、気が気ではなかったというわけさ。

でも・・

そう、年間(勝ち点)チャンピオンというタイトルには厳しい状況だったにもかかわらず、何か、こう、「確信的な心の平穏」は、感じていた筆者だったんだよ。

・・ダイジョウブ・・いまのレッズだったら、必ずゴールをブチ込んで勝利を引き寄せるさ・・

そんな確信的な心持ち。

たぶん「その背景」には、レッズの勝者メンタリティーが、「実が詰まった本物にまで深化している・・」という確信があったんだろうね。

この勝者メンタリティーというテーマについては、もう何度も、繰り返しピックアップしてきた。

それは、「オレ達が負けるはずがない・・」というマインド表現に集約されるんだろうけれど、そんな心理パワーが、攻守にわたるハードワーク(ボールが無いところでの実効アクション!)の内実に、如実に現れてくるんだよ。

そしてそれが、逆境での、責任感と勇気にあふれたフリーランニングや勝負ドリブル、危急ディフェンス状況でのカバーリングや爆発スライディング等などといった、自己主張リスクチャレンジプレーとなってグラウンド上に現れてくる。

また、そんな勝者メンタリティーは、選手たちのチカラを、大きく押し上げもする。特に、「2列目」の選手たち。

そのメンタリティーがチーム全体に浸透するにしたがって、いままでは「2列目」だった選手たちも、大いなる刺激を受けつづけるっちゅうわけさ。

そして、チーム内の競争環境も、「健康的に」活性化しつづける。

考えてみたら、青木拓矢や高木俊幸、駒井善成などの攻守ハードワークの内実が進化&深化したバックボーンにも、「その」メンタリティーがあったということなんだろうね。

私は、そんなチームの成長を体感しながら、優れた心理マネージャーでもあるミハイロ・ペトロヴィッチに、心からの拍手をおくっていた。

さて・・

まだまだ今シーズンはつづく。

前述したように、これから興行チャンピオンシップがある。

その「興行」については、「クラブワールドカップへチャレンジする権利を奪い取る大会・・」というふうに理解し、全精力をもって臨んでいくのが、正しい姿勢だね。

また、フロンターレと激突する天皇杯もある。

とにかく、いまのレッズだったら、(日本での)三冠どころか、クラブW杯で、オークランドシティー、アトレチコ・ナシオナル(南米王者)を破って決勝へ進出し、「あの」レアル・マドリーと対峙するところまでいけるはずだ・・って確信できちゃうんだよ。

それほど、いまのレッズは充実していると思うわけさ。

でも・・、ホントに良かった。

このコラムを、斜に構えず、素直に書けたことも含めてネ。


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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパックについて、何人かの方から質問されたこともあって、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」のプロモートをさせてもらうことにしました。

この方は、有名メーカーのデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードを内包する「METAS」


とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。

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ところで、ワケの分からない、1.ステージ、2.ステージ、そしてチャンピオンシップ・・という「興行」について。

昨シーズンの「J」は、本当にツキに恵まれた。

何せ、年間最多勝ち点チームというリーグ頂点に立ったサンフレッチェが、「興行チャンピオン」にも輝いたわけだからね。でも、昨シーズンの二位クラブは、ガンバ大阪なんだってサ。要は、「興行チャンピオンシップ準優勝チーム」ということらしい。

まあ、皆さんも感じられている通り、とても、変。まあ、協会側は、この不自然なリーグシステムを「まだ」つづけるつもりらしいけれど・・サ。フンッ。

皆さんもアグリーだと思うけれど、「J」に関わっているサッカー人は、絶対に、『年間最多勝ち点チーム』を目指さなきゃいけないんだよ。

まあ、以前の「2ステージ制」とは違い、昨シーズンから始まった「今回の興行」では、シーズンが終了したとき、『年間最多勝ち点チーム』が一番エライってことになることだけが、救いかな。

ということで、その後のトーナメント(チャンピオンシップ)は、まさに「興行」。

そして「J」の歴史には、『年間最多勝ち点チーム』と『興行チャンピオン』の両方が刻み込まれる(刻み込まれなきゃいけない!)。そうじゃなきゃ、10年、20年後に、「昔」と比べられる、同じ基準のチャンピオンがいなくなっちゃうわけだからね。

だから、サッカー人だけじゃなく、読者の皆さんも、『年間最多勝ち点チーム』をイメージしてシーズンを楽しむべきだと思うわけなのですよ。

この「テーマ」については、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」も参照してください。

そこでは、いかに(目的が歪んだ興行の!)2ステージ制が、世界の主流フットボールネーションが築き上げた「伝統」に逆行しているのかというディスカッションを展開しました。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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