湯浅健二の「J」ワンポイント


2020年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第28節(2020年11月21日、土曜日)

 

こんな、内容と結果(点差)が不一致なゲームも、久しぶりだ・・もちろん、ミハイロ・コンサドーレは、いつものように、美しい質実剛健サッカーを展開したよ・・でも、平岡エスパルスも、とても良かったんだ・・(コンサドーレvsエスパルス、5-1)

 

レビュー
 
それにしても、エスパルス・・

平岡宏章監督になってからの彼らは、たしかに、サッカーが「良く」なっている。

私にゃ、その「改善の内実」について詳しく語れるバックボーンはないけれど・・

やっぱり、(ボールを奪い返すという積極的な意味合いでの!)守備が良くなっているっちゅうコトなんだろうね。

まあ、たしかに・・

この試合じゃ、ミハイロ・コンサドーレに、5点もブチ込まれちゃったわけだけれど・・

でも、それにしても、4点目は別にして、決して、決定的スペースを、組織と個のコラボレーションで「ブチ抜かれた」わけじゃなかったからね。

あっと・・その、良くなっているコンサドーレの守備だけれど・・

私は、守備を、「ボール奪取プロセスだ!」っちゅうふうに、前向き(攻撃的!?)に解釈することが徹底されている・・って、捉えたいネ。

守備の目的は、相手からボールを奪い返すコト。

ゴールを守るというのは、単なる結果(標語!?)にしか過ぎないんだよ。

そんな、守備の本質的な意味合いを理解し徹底する「いまの」エスパルス・・

彼らは、素早く、効果的な「攻守の切り替え」を絶対ベースに、様々な意味合いを内包する「守備ハードワーク」が、結果につながっている・・と思うわけさ。

もちろん、ボール奪取プロセスが素晴らしく機能しているだけじゃなく、最終勝負シーンでの、(忠実マーキングも含めた!)最後の半歩だって、しっかりと「伸び切って」いるしね。

要は・・

不確実なサッカーだからこその絶対的KFS(キー・ファクター・フォー・サクセス)である、自分自身で考え、「勇気」をもって「行動する」という姿勢ね。

そう、絶対ベースである、積極的に攻守ハードワークとリスクチャレンジを「探しまくる」っちゅうプレー姿勢が、クリエイティブに高揚しているということだね。

チームに、正しい自己主張をブチかましつづける雰囲気が充満している!?

そういえば・・

退任が決まっているセレッソのロティーナが、こんなニュアンスの内容を語ったとか。

・・守備をしっかりとやることは、決して、守備的なサッカーをやるということじゃない・・

そう、まさに、その通り。

だからこそ、守備という表現ではなく、ボール奪取プロセスという発想を(選手たちが主体になって!)チームに徹底しなきゃいけないんだよ。

主体的に「イメージングしつづける・・」というプレー姿勢。

そう、不確実なサッカーは、究極の「意志のボールゲーム」なんだよ。

そうそう・・

この「意志」というポイントについて、もう一言・・

それは・・

チーム&ゲーム戦術という、規制的な意味合いを内包する「カタチ」に、(過度に!)入り込み過ぎちゃいけない・・っていう主張。

そうなんだよ。

選手たちが、「カタチ」に囚われ「過ぎ」ちゃったら、確実に「足が止まり気味」になってしまうんだ。

この、戦術的なイメージングと、「解放」された意志の関係性(メカニズム)については、オランダの伝説的スーパーコーチ、故リヌス・ミケルスに、深く、教わった。

だからこそ・・

発想ベースとしての「カタチ」は尊重しながらも・・

実際には、選手たち個々が、攻守の目的を達成するために、瞬間的に変化しつづける状況のなかで(!)、主体的に「工夫」し、勇気をもって「実行」していくというプレー姿勢を「発展させる」ことこそが、もっとも重要な、コーチのタスクなんだ。

あっ・・

スミマセン・・ものすごく脱線してしまった・・

だからこそ・・

そんな、ホンモノの(クリエイティブな!)守備意識を絶対ベースにしようとしている「いまの」エスパルスが、「良い」サッカーへ脱皮しつつあるって主張したいのさ。

結果とは関係なく・・ネ・・

ということで、スーパーな「ミハイロ・コンサドーレ」についても一言。

とにかく、素晴らしい、美しい質実剛健サッカーで、「J」のなかでも、存在感を光り輝かせつづけている彼らは・・

これからも、北海道のアイデンティティ(誇り)として、私も含めて、北海道の皆さんに、元気を届けつづけてくれるに違いありません。

もしかしたら、北海道での「サッカー文化」も、彼らをベースに隆盛を迎えたりして・・

現場をサポートしている優れたコーチングスタッフの皆さん、また野々村芳和社長・・

今後とも、ミハイロ・ペトロヴィッチを、よろしく、お願いしま〜す。

あっと・・

コンサドーレ4点目、5点目の主役として抜群の実効プレーを魅せながら、攻守にわたって左サイドゾーンを支配しつづけた「左足の魔術師」、福森晃斗。

ホント、素晴らしい活躍だった。

私・・

このところ、自分の古巣でもある「東京ヴェルディ」を、追い掛けている(全試合コラム執筆!)んだけれど、「そこ」にも、とても似たタイプの「左足の魔術師」がいるんだ。

そう、福村貴幸。

二人とも、名前の最初が「福」じゃないですか〜・・

それって、何らかの、ポジティブな意味があるのかな〜〜・・

へへっ・・

あっ・・スミマセン・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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