湯浅健二の「J」ワンポイント


2021年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第14節(2021年5月16日、日曜日)

 

リカルド浦和レッズがブチかました「シンプルな仕掛け」は、違和感を覚えるほどの実効レベルだった・・・・また、キャスパー・ユンカーという特異な感覚のストライカーについても・・(ガンバvsレッズ、0-3)

 

レビュー
 
最初の15分間、ガンバは「意地の攻撃性」を魅せた。

そう、ゲーゲンプレスも含めた「前からプレス守備」をブチかましつづけたんだ。

でも・・

そう、レッズが、そんな前への「勢い」の「逆手」をとるように、とてもシンプルなプロセスの仕掛けから、三つのゴールをブチ込んじゃうんだ。

そんな、リカルド浦和レッズだけれど・・

ガンバが、立ち上がりからブチかましつづけた、ゲーゲンプレスも含む前からプレス守備ベースの「攻勢」を、とても安定したブロック守備で、余裕をもって「受け止め」たよね。

だからこその、素晴らしい「実効パフォーマンス」のシンプルな仕掛けだったわけだ。

それにしても・・

そう、「あの」キャスパー・ユンカー・・

先日、久しぶりにサッカー談義に花を咲かせた大住良之さんは、彼について、こんなコトを言っていたっけね。

あっと・・

実は、(光栄にも!)大住良之さんから、インタビューを受けたんだよ。

その記事は、「Webサッカー批評」をご覧あれ。

その大住さんの、ユンカー評。

・・デビュー二試合目のキャスパー・ユンカーだけれど、(ルヴァンカップと前節マッチで!)二つのシュートチャンスを、二つとも決めちゃったよね・・

・・まあ、まだ攻守の組織プレーという視点では未知数だけれど・・

・・それでも、シュートチャンスをゴールに結びつけるという意味じゃ、まさに、レベルを超えたストライカーって言えるかもしれないね・・

要は、レベルを超えた「決定力」・・

このテーマについては、「The Core Column」シリーズでアップした「こんなコラム」も、ご参照あれ。

キャスパー・ユンカーは、そのコラムに登場する、ディーター・ミュラーが語っていた、「つかみ所のない特異な感覚」を自分のモノにしているということかもしれないね。

ところで・・

立ち上がりのガンバ攻勢を、「余裕」をもって受け止められたリカルド浦和レッズの、ボール奪取プロセス(守備)。

その、とても安定した、効果的に連動しつづけるボール奪取プロセス(守備)は、試合を通じて、衰えるところを知らなかった。

そのエッセンス・・

それは、何といっても、選手たち一人ひとりの「意識と意志の高さ」でしょ。

もちろん、抜群の実効レベルを魅せる、レッズのボール奪取プロセスの基盤には、チームのなかで完璧に共有されている「ボール奪取プロセスのイメージ」がある。

まず、誰も、守備ハードワークをサボらない。

忠実、ダイナミックなチェイス&チェックとカバーリングアクションが、素晴らしく高いレベルで連動する。

そして、その周りでは、忠実なマンマーキングが機能するだけじゃなく、機を見計らった協力プレスをブチかまそうとする「猛禽類の眼」が、鋭く光っている。

だからこそ、周りのチームメイトたちも、次、その次のスペースでのインターセプトを狙うイメージングを、忠実に、主体アクションに結びつけている。

素晴らしく効果的に「連鎖」するボール奪取プロセス(守備)のアクション。

そして、だからこそ、危急状況での「最後の半歩」も、スムーズに出てくる。

この試合では、見事な三つのゴールではなく、リカルド浦和レッズが魅せつづけた、素晴らしく美しく連動するボール奪取プロセス(守備)に舌鼓を打っていた。

それにしても・・

「あの」キャスパー・ユンカーっていう、特異な感覚のストライカーは、日本サッカーに、とても価値のある影響をもたらしてくれるかもしれないね。

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最後に、ダゾン・カメラワーク(ズーミングワーク)についても簡単に・・

とても素晴らしかったですよ。ホントに・・

でも、実は・・

この試合の前には、J2の「ヴェルディvs北九州」もダゾンしていたんだよ。

そして・・

そう、そのカメラワーク(ズーミングワーク)が、あまりにも低級に過ぎたんだ。

だから、閉口し、ものすごいフラストレーションを溜めた状態で、このゲームのダゾン観戦に入ったという次第。

だから、この試合でのカメラワーク(ズーミングワーク)が、殊の外、素晴らしく感じられたのかもしれない・・!?

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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