湯浅健二の「J」ワンポイント


2021年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第34節(2021年11月3日、水曜日)

 

リ カルド浦和レッズ・・観る者に、来シーズンの優勝候補としての確かな存在感を魅せつけた・・あっ、鬼木達フロンターレ・・シーズン中の、あんな「妨(さま た)げ」をはね返してリーグ優勝を飾った・・素晴らしい成果だった・・おめでとうございます・・(フロンターレvsレッズ、1-1)

 

レビュー
 

とてもダイナミックで高質な、「美しい質実剛健サッカー」のぶつかり合いだった。

テレビ中継がエネーチケーということで、両チームの、ボールがないところでの「攻守にわたる駆け引き」の内実まで、しっかりと体感できた。

堪能させてもらった。

エネーチケーさん、どうも有難うございました。

そんなスーパーマッチを観ながら・・

両チームが魅せつづけた、素晴らしいボール奪取プロセス(守備)に、心からの舌鼓を打っていた筆者なのだ。

何せ・・

そう、ボールがないところでのマーキングや「その受け渡し」等など、ボール奪取プロセス(守備)での、素晴らしい有機的イメージングの連動性を、心ゆくまで楽しめたんだからね。

それにしても・・

両チームともに、相手の「仕掛けイメージ」について、とことん学習し、正しい、組織的な「守備イメージング」を共有していたと感じ入った。

チェイス&チェック(&受け渡し)やカバーリング、協力プレスへの集散などに代表される「組織ディフェンス」が、小気味よく連動しつづけたんだよ。

また、攻撃においても・・

たしかに、フロンターレが主導権を握るシーンは、レッズに比べて多かった。

とはいっても、彼らの仕掛けプロセスが、これまでのように、「危険なニオイを振りまく・・」ってなトコロまで高まらなかったのも確かな事実。

もちろん、家長昭博やレアンドロ・ダミアンといったスーパー才能による「隠し味プレー」は素晴らしかった。

そう、周りの味方が「そのテイスト」をしっかりと理解し、活用しようとしていたんだよ。

そのことで醸(かも)し出される「危険なニオイ」は、たしかにレベルを超えていた。

でも・・

そう、リカルド浦和レッズは、その「隠し味」に対しても、しっかりと準備を整えていたんだ。

とにかく・・

リカルド浦和レッズが魅せつづけた、危急状況でのギリギリの守備プレーには、素晴らしい「意識と意志とイメージング」がテンコ盛りだったというコトも言いたかった。

ということで・・

両チームともに、スペース攻略からのエキサイティングな最終勝負シーンは、そんなに多くは創りせなかったんだよ。

まあ、高質な「実力チーム」のぶつかり合いだから、スペースを攻略できたら、それが本物のゴール機会に直結するっちゅうわけだから・・ね。

ところで・・

私にとって、このゲームでもっとも大事な(体感)ポイントだったのは・・

「あの」、とても強いフロンターレに対して、リカルド浦和レッズが、着実に、そして高い効果レベルで、内容的に「タメを張れていた」っちゅう事実だったんだ。

・・来シーズンは、リーグ優勝を狙いたい・・

リカルド・ロドリゲスが、そんなニュアンスの内容をコメントしたということだけれど、このゲームを観た人たちは、その発言に、着実な「実」が詰まっているって体感できたはず。

いろいろと紆余曲折はあったけれど・・

とにかく、「美しい質実剛健サッカー」という意味合いで、このレベルまでチームを進化させた優秀なプロコーチ、リカルド・ロドリゲスに対して、賞賛の拍手をおくりたい。

その来シーズン。

鬼木達フロンターレ、ケヴィン横浜マリノス、三浦淳寛ヴィッセル、マッシモ名古屋グランパス、そしてリカルド浦和レッズ・・といった強者チームのせめぎ合い。

いまから楽しみで、仕方ないネ。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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