湯浅健二の「J」ワンポイント


2023年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第27節(2023年9月16日、土曜日)

 

サンフレッチェは、攻守にわたって、最高の主体性プレーを魅せつづけた・・その素晴らしい主体性にこそ、ミヒャエル・スキッベの、プロコーチとしての優れた仕事が凝縮されている・・(サンフレッチェvsヴィッセル、2-0)

 

わたしは、「まだ」ミヒャエル・スキッベとは話せていないのだけれど・・

彼のコーチングについて、聞くところによると・・

彼が、できる限り、選手たちの「主体性」を大事にするようなチーム作りをしているとか。

わたしが彼にインタビューをしたのは、いまから20年も前のハナシなのだが(日韓W杯後の、ドイツで行われた国際会議の場)・・

それから彼も、監督として数多くの修羅場をくぐり抜けてきたっちゅうコトなんだろうね。

20年前は、ルディー・フェラー監督の戦術ブレイン(もちろんコーチという肩書きね)として、かなりの存在感を魅せていたっけ。

そこでインタビューしたときは、かなり「戦術ロジック」ばかりを強調してたってな印象が、いまでも残っている。

へへっ・・

でも、そんな(血気盛んな若かりし頃の)ミヒャエルも、その後は、とても「有意義な体感」を積み重ねたっちゅうコトなんだろうね。

ということで・・

このゲームで取り上げたいテーマは、ミヒャエル広島サンフレッチェが魅せつづけた、攻守にわたる、優れた「主体性プレー」。

主体性プレー・・

その大事さについては、ドイツのレジェンドプロコーチ、故ヘネス・ヴァイスヴァイラーから、個人的に、教えを請うたモノさ。

例のダミ声で・・

・・いいか、選手は、ロボットじゃないんだからな・・

・・ゲームがはじまったら、監督ができることは限られている・・

・・だからこそ、選手たちには、主体的に考え、ギリギリまで闘う姿勢を植えつけるんだ・・

とにかく・・

「この」ミヒャエル広島サンフレッチェは、ダゾン試合後インタビューでミヒャエルも語っていたように、本当に素晴らしいサッカーを披露した。

そう、極限の、攻守にわたる主体性プレーの積み重ね。

特に・・

2対0とリードして入った後半。

そこで彼らが魅せつづけた、積極的&攻撃的ボール奪取プロセス(守備)は、得も言われぬほどの美しいハーモニーを奏でていた。

そのハーモニー・・

選手たち一人ひとりが、チームメイトに対して、深い信頼感を抱いているって感じる。

・・オレが、タテへ行ったら、アイツは、かならずカバーリングポジションに入ってくれる・・

・・オレが、ボール奪取勝負をブチかましたら(寄せたら!)、アイツは、必ず、背後をカバーしてくれるし、こぼれ球を拾ってくれる・・

・・等など。

いいね〜〜・・

相手は、大迫勇也、武藤嘉紀を擁する、「あの」強いヴィッセルだからね。

その彼らに、特に後半は、チャンスにつながるような流れを、まったく創りださせなかった。

それは、確実に、次の自信と確信レベルの深化へとつながる。

ミヒャエル・・

アンタは、ホントに良い仕事をしているよ。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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