湯浅健二の「J」ワンポイント


2023年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第33節(2023年11月25日、土曜日)

 

わたしは、吉田孝行ヴィッセルが魅せつづけた、最高の「意志の闘い」を、心から称賛していた・・(ヴィッセルvsグランパス、2-1)

 

試合後、すぐに、数週間前にアップした、ヴィッセル対アントラーズ戦コラムを、読み返した。

そこでも書いたけれど、とにかく、優れたプロコーチ、吉田孝行に対して、サッカー仲間として、心からの称賛と(日本サッカーへの貢献に対する!)感謝の拍手をおくります。

優勝、おめでとうございました。

この「初」優勝については、昨日コラムの最後にも、少し書き添えたっけね。

この、リーグにおける「名前の変化」は、着実に、様々なコノテーション(言外に含蓄する意味)を内包するポジティブエフェクトをもたらすに違いない・・ってね。

あっと・・

ゲームも、簡単に振り返っておきましょうか。

わたしが注目したポイントは、まず、ホームのヴィッセルが、前半10分前後までに「2-0」とリードしたコト。

また、前半のうちに、グランパスのキャスパー・ユンカーが一点を返し、その後も、絶対的ゴール機会を得たという事実も・・ね。

2点リードという状況は、ある意味、危険なんだよ。

すこし安心していた気持ちが、1点差に詰め寄られたとき、大きな「心理的揺動」によって、その後のサッカー内容が、「事実以上」に落ち込んでしまうというケースが多いんだ。

だから、前半の内容を観ながら、こんなコトを思っていた・・

後半、ヴィッセルにとって「震える時間」が、つづくのか・・!?

でも、そんな心配は、杞憂に終わった。

そう、後半がはじまってすぐに・・

優れた心理マネージャー吉田孝行によって(強烈な檄!?)、闘うマインドを取り戻したヴィッセルの、積極的&攻撃的なボール奪取プロセス(守備)が、再び、冴えわたりはじめたんだ。

サッカーでは、ゲーム内容の(ほぼ)全てが、ボール奪取プロセス(守備)の内実によって決まるといっても過言じゃないんだよ。

だからこそ、後半ヴィッセルは、ボール奪取プロセス(守備)の活性化が、その守備以上に、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)をも、ダイナミックに変身させたんだ。

イレギュラーするボールを足であつかうサッカーは、不確実ファクターがテンコ盛り。

だからこそ選手は、自分の判断と決断で、攻守ハードワークとリスクチャレンジ機会を、探しまくらなきゃいけない。

そう、それこそが、究極の「主体性プレー」ね。

プロコーチの仕事のなかで、もっとも大事なモノは、そんな「主体性」を、存分に(最後は選手自身が追い求めるまでに・・)進化&深化させることにあるんだよ。

不確実なサッカーじゃ、自由こそが、もっとも重要な、進化&深化を司(つかさど)る根源ファクターなんだ。

だからこそ、ホンモノの自由がない社会では、決して、サッカーを進化&深化させられない・・!?

へへっ・・

そのテーマについては、世界のレジェンドプロコーチ、故ヘネス・ヴァイスヴァイラーや、故リヌス・ミケルスから、個人的に、厳しく指導されたっけ。

あっと、後半・・

前述したように、ゲームのイニシアチブを握り直し、大迫勇也を中心に(68分の彼自身のゴール機会は、まさに100%!)、何度もゴール機会を創りだしたヴィッセルだったけれど・・

そう、76分には、冷や汗をかくことになる。

右サイドから飛び出した、永井謙佑のファーポストゾーンへのクロス。

それに、飛び込んだ前田直輝のダイレクトシュートが、バーを直撃したんだよ。

わたしは、前述したように、ヴィッセルを応援していたから、もう、完璧にフリーズしてしまった。

それでも・・

そう、ヴィッセルの闘う意志(武藤嘉紀などは、足がつっているにも関わらず全力ダッシュでチェイス&チェックを繰り返していた!)が、最高の結果を呼び込んだ。

それは、まさに、「主体性」の勝利とも言える、素晴らしいストーリーだった。

わたしは、心のなかで、そんなヴィッセルに対して、最高の賛辞をおくっていた。

オメデト〜、吉田孝行ヴィッセル〜・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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