湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2023年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第34節(2023年12月3日、日曜日)
- 素晴らしく、美しく、魅力的(積極的&攻撃的)なサッカーを魅せたミハイロ札幌コンサドーレだったけれど・・そうだな〜、まだ「勝負」という視点じゃ、課題が残っているっちゅうコトか・・(コンサドーレvsレッズ、0-2)
- あらら〜・・
このゲームのタイムアップ後、すぐに、レッズと「三位の座」を争うサンフレッチェの最終戦に、ダゾンのチャンネルを切り替えた。
そう、アビスパ対サンフレッチェ。
そのとき(94分)は、「まだ」ドローだった。
ロスタイムも残り1分(まあ結局は、ロスタイムは5分じゃなく、10分カウントになった!)・・
そして、その直後・・
サンフレッチェのコーナーキック崩れの状況から送り込まれたクロスボールを、荒木隼人が、ヘッドで、うまく流し込むというシーンを目撃させられたっちゅうワケだ。
それが決勝ゴールになった。
ということで、結局、ミヒャエル広島サンフレッチェが、昨シーズンにつづけて三位の栄冠を獲得した。
あっと、コンサドーレ対レッズ・・
たしかにミハイロは、二つのゴールを奪われ、悔しい敗戦を喫してしまったけれど・・
彼らの、いつものような(!!)、素晴らしい「意識と意志パワー」が込められた、攻守にわたる、抜群の「主体性プレー」が、活き活きと花咲いていた
そのサッカーは、まさに称賛に値する。
わたしは・・
ミハイロ札幌コンサドーレが展開するサッカーこそが、さまざまなコノテーション(言外に含蓄する意味)を内包する、日本が目指すべきベクトルを示唆しているって思っている。
それこそが、選手たちをして、もっとも大きなモティベーションでもあるわけだ。
あっと・・
もちろん、マリノス、フロンターレ、ヴィッセル、サンフレッチェ、レッズといった面々が志向するサッカーも、そのベクトル上にあるよね、言うまでもないけれど。
とはいっても・・
そう、ミハイロがイメージするサッカーが、いかに「美しく、魅力的なのか・・」というディスカッションとは別に、そこに、「勝負」という視点が加わらなければならないと思っている。
まあ、ここで、大仰なディスカッションを展開しようとは思わないけれど・・
要は、ボール奪取プロセス(守備)と、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)のバランスね。
人数を掛け、とても美しく、魅力的な「人とボールの動き」をベースに、とても効果的なスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)を展開するミハイロ。
でも、課題としては・・
そう、その流れを「絶対ベース」として、次には、もっと、もっと、ボール奪取プロセス(守備)を充実させなきゃいけないと思うわけさ。
そう、「あの」イビツァ・オシムが、日本サッカー界に誇示したようにね。
あっと、その意味で・・
たしかに、ミハイロ札幌コンサドーレは、充実したステップを踏んでいる。
それでも、更なる進化&深化が、求められる・・というニュアンスが言いたかった。
とても難しいんだよ・・
美しさと、勝負強さを併存させるコトは・・
だから、サッカーの進化&深化のプロセスでは、変な、「勝つことだけをターゲットにする戦術サッカー」が、大手を振って、存在感を発揮してしまうフェーズだってある。
わたしは、1970年代から、いままで、ドイツサッカーと、深く、関わっている。
そのなかで、「勝つことだけ・・」ってな戦術サッカーだって、何度も、体感した。
でも、そんな流れは・・
常に、サッカーの進化&深化を「追求するグッドウィル」によって、ブレーキが掛けられるんだ。
そう、そこにゃ・・
理想イメージをもって、そんな「変なベクトルの戦術サッカー」をやろうとする連中を、厳しく糾弾する、強烈な影響力をもったオピニオンリーダーが、いるものなんだ。
1990年代、わたしは、そんな、ドイツサッカー界全体を巻き込むような、激しい「コンフロンテーション」を体感し、その「闘いの現場」も体感させてもらった。
わたしにとって、ものすごく価値のある経験だった。
まあ、いまの日本じゃ、そんな、「変に偏った戦術サッカー」がハバを利かせるコトはないとは、思うけれど・・さ。
あっと最後に・・
「現場」について、言いたかったコトは・・
戦術的な「原則メカニズム」に対する、「主体的な理解プロセス」をスタートラインに・・
グラウンド上での「具体的なプレーイメージング」は、原則的なチーム戦術をベースに、選手それぞれが、「主体的に」探しつづけなければならない・・ということ。
ということで・・
お互い、積極的&攻撃的なサッカーを目指して頑張りましょう。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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