湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第15節(2024年5月19日、日曜日)

 

わたしにとっては、衝撃的な、ゼルビアの(そのイメージの!!)大変容ということになった・・これからは、彼らに対しても、美しい質実剛健サッカーという視点で、追いかけることにしよう・・(ゼルビアvsヴェルディ、5-0)

 

レビュー
 
へ〜〜・・

わたしにとっては、衝撃的にビックリさせられる、ゲームになった。

ゲームを追いながら、考えさせられていたモノさ。

こんな、「イメチェン現象も、あるんだな〜〜・・」なんてネ。

それほど、町田ゼルビアのサッカーに対して(私のアタマのなかに構築されていたイメージを変えなければならなくなったコトに対して!)驚いていたんだよ。

このゲーム・・

ホームのゼルビアが、5点もブチ込んで、勝ち点3を、とてもフェアに(!!)勝ち取った。

そこには、しっかりと確認しておかなければならない事実がある。

それは・・

ゼルビアがブチ込んだ5ゴールは、ヴェルディとのゲーム内容を、とてもフェアに「反映」していたということ。

ゼルビアは、ビックリするほど高質なサッカーを展開したんだ。

そして、フェアに勝負強くもあった。

それは、まさに、美しい質実剛健サッカー、そのものだった。

もちろん、その絶対ベースは、ボール奪取プロセス(守備)。

彼らの、チェイス&チェック(寄せ)の勢いだれけれど・・

たしかに後半になったら、少しはダウンしたけれど、その忠実アクションの「内実」には、まったく陰りが、感じられなかったんだ。

その、前半・・

ヴェルディは、ゼルビアの「前からプレス」によって、まったくといっていいほど、人とボールを動かせなかった。

そりゃ、そうだ。

ゼルビアは、ヴェルディのボールホルダーだけじゃなく、次、その次のパスレシーバーまで、徹底的に視野に入れつづけていたんだからネ。

もちろん、ゼルビア守備の、二つ目の真骨頂である、局面デュエルの内実も、いつもの通り、ものすごく激しく、効果的だった。

でも、そこでも、わたしの中で、少しだけイメチェンしたって感じていた。

そのデュエル自体が、以前のように、「ファール当たり前」ってな感じではなく、よりニュートラルに(フェアに)なったとも感じたんだよ。

フ〜〜ン・・

ところで、後半・・

わたしは、ヴェルディの「変身」に、期待していたんだ。

でも、結局は、ゲームの流れの「大勢」を、大きく動かすことは、叶わなかった。

そう、ゼルビアの「徹底サッカー」が、最後の最後まで、猛威をふるいつづけ、追加ゴールまでもブチ込まれてしまったんだ。

とにかく私は、ゼルビアの大変身に、シャッポを脱がざるを得なかった。

そして、もちろん・・

同じサッカー仲間として、このチームを創りあげたプロコーチ、黒田剛に対して、心からの称賛と感謝の拍手をおくるコトも、忘れなかった。

あっと、もう一つ・・

そう、ゼルビアが繰り出しつづけたスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)・・

そこでも、彼らの「変化」は、明白だったんだよ。

もちろん、オ・セフンの「アタマ」は活用するけれど、そのプロセスでは、しっかりと人とボールを動かしながら、創造的に、スペースを攻略するシーンも、創りだした。

まあ・・

この試合については、城福浩ヴェルディについてコメントすることは、止めにしよう。

とにかく、このゲームを見終わったとき・・

黒田剛ゼルビアが、これから、「どこまで躍進しつづけるのか」ってな興味が、強くなっていた。

彼らの、超絶の徹底サッカーが、どこまで、「美しい質実剛健サッカー」へ、近づいていくのか。

これからは、彼らの徹底サッカーを観察しながら、徹底的な「主体性プレーのエッセンス」も、見出すコトにしますよ。

あ〜〜、ビックリした。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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