湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第21節(2024年6月30日、日曜日)

 

前節につづいて、この試合でもレッズが魅せつづけた、素晴らしいサッカーに、「ここからのリーグ戦」に対する期待の高まりは、もう抑えようがないじゃないか・・(レッズvsジュビロ、3-0)

 

レビュー
 
この、ヘグモ浦和レッズが完勝を収めたゲームでは、「個人」に、注目しようか。

まず、武田英寿。

前半は、センター2列目に入ったけれど・・

プレーの実効レベルをアップさせるのに四苦八苦するんだ。

「そこ」での良いプレーの「ニュアンス」が、うまく把握できていない!?

彼の、受け身で消極的なプレーを観ながら、そんな印象をもっていた。

センター2列目・・

「そこ」は、基本的に、攻守にわたって、「何をやってもいい」っちゅうポジションでしょ。

そう、自分のイメージングを主体にしてね。

でも武田英寿は、「周り」に、気を遣いすぎていた。

チームメイトを使いまくるとか、テメーが中心になって(自己主張して!)周りを「動かす」ような、積極的&攻撃的なタイプのプレーとは、かけ離れていたんだよ。

そう、リーダーシップが、まったく見えなかったんだ。

それが・・

そう、後半なって、渡邊凌磨と、ポジションを入れ替わってからは、水を得た魚になった。

左サイドライン際での、突貫小僧ドリブルとか、ソコからの、勝負クロスとか。

その実効レベルは、前半とは、まさに雲泥の差だった。

その、渡邊凌磨と武田英寿の、「立ち位置の入れ替え」は、ヘグモの指示だったんでしょ。

それは、武田英寿の「パーソナリティ」を理解した、ヘグモの、ナイス・マネージメントだったと思う。

ところで・・

その「入れ替え」で、センター2列目に入った、渡邊凌磨だけれど・・

これまた、水を得た魚のように、実効レベルが、倍増した。

センター2列目は、やっぱり、確固たるリーダーシップのマインド(生意気さ!?)を備えたプレイヤーの指定席なんだよ。

その意味で、若い(!?)武田英寿は、まだまだ、それに対する「自信と確信レベル」が十分じゃないっちゅうことだったんだろうか?

そんな武田英寿だったけれど、その「左足」は、すごいの一言だったよね。

まさに、左足の魔術師。

そんな、こんなで・・

もしかしたら、渡邊凌磨と武田英寿の「イメージ」が、浸透しちゃったりして・・。

いやいや、そんなことはない。

彼らの、選手としての、ポリヴァレントな(!!)イメージ拡張性は、まさに無限なんだよ。

武田英寿は、年上の(!?)渡邊凌磨が魅せた、「主体性ある生意気さ」を見習うべきだね。

へへっ・・

さて、ということで、ソルバッケン。

まだまだ、「ミスをしたくない」ってな、受け身で消極的な「プレー姿勢」に終始している。

たぶん・・

そう、これまで出場したゲームで、彼の得意技である「またぎフェイント」が、まったく通用しないことで、自信を失ってしまった「感」が強いんだよ、

だから、潜在的なチカラは十分なのに、ボールをもっても、決して、勝負ドリブルを仕掛けていけなくなってしまった。

サッカーは、究極の心理ボールゲーム・・

彼の自信なげなプレーを観ながら、そんなサッカーの真実を、再び、噛みしめていた。

次が・・

岩尾憲の、徳島ヴォルティスへの移籍によって、キャプテンを務めることになった(!?)伊藤敦樹。

攻守の「実効プレー」の内実が、目に見えてアップしていると感じる。

たぶん・・

そう、渡邊凌磨のように、「テメーのイメージング」に、味方を、合わ「させる」ような、より積極的&攻撃的なプレー姿勢へと、進化&深化しているっちゅうコトなんだろうね。

もちろん、その背景に、安居海渡の、攻守にわたる、とても安定した忠実サポートプレーがあるコトも、しっかりと再認識しなきゃいけないけれど・・。

また、言うまでもないけれど・・

最終ラインの、「ど」安定した実効プレーも、伊藤敦樹の、攻守にわたるクリエイティブプレー(攻守ハードワークとリスクチャレンジ)の、心理的なバックボーンだよね。

とにかく・・

チト、遅きに失した感はあるけれど・・

前節につづいて、この試合でもレッズが魅せつづけた、素晴らしいサッカーに、「ここからのリーグ戦」に対する期待の高まりは、もう抑えようがないじゃないか。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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