湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2024年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第27節(2024年8月18日、日曜日に更新)
- 後半のヴェルディが魅せた、素晴らしい「ペースアップ」・・そして、その流れで創りだした、何度かの決定的ゴール機会・・惜しかった・・でも、その結果には、やっぱり、何らかのコノテーション(言外に含蓄される意味)が!?・・(FC東京vsヴェルディ、0-0)
- レビュー
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- やっぱり、積極的&攻撃的なボール奪取プロセス(守備)こそが、ゲーム内容を決める・・
また、それによって、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の内実も、決まってくる。
そして、観客にとっての「楽しみの充実度」も、決まってくる。
この試合には、そんな善循環が、あった。
とにかく・・
両チームともに、攻守にわたって「仕掛け合った」んだよ。
そう、積極的&攻撃的に、攻守の仕事(ハードワーク)を、探しまくったんだ。
だからこそ、ゲームが、エキサイティングに、「成長」していったというわけだ。
もちろん、原則的なタクティクス(チーム戦術)は、あるんだろうけれど・・
それでも、局面プレーは、選手たちの「意識と意志ポテンシャル」に委ねられるからね。
そんなトコロにこそ、指揮官の「意識と意志ポテンシャル」が、表現されるっちゅうわけだ。
オランダ伝説のスーパープロコーチ、故リヌス・ミケルスが、わたしの目をのぞき込むように、こんなコトを、教えてくれた。
・・二つの同格チームが、トレーニングやゲームに、まったく同じ戦術プラニングで臨んだとしよう・・
・・でも、そこでのアウトプットには、雲泥の差が出てしまうモノなんだ・・
・・そう、同じコトをやろうとしているにしても、それを「誰」がやらせているか・・
・・それによって、アウトプットに、何倍もの差が出てきてしまうモノなんだ・・
・・それこそが、プロコーチの醍醐味なんだよ・・
もちろん、ここで、クラモフスキーと城福浩を、比べようとしたわけじゃない。
そうではなく・・
このご両人ともに、素晴らしい心理マネージャーだというコトが言いたかった。
それじゃ、後半になって現出した、ゴール機会の量と質という視点での明確な「差」は??
そう、後半のヴェルディは、何度も、誰もが、「あっ、ゴールだっ!!」って確信するような絶対チャンスを創りだしたんだよ。
そこで、テーマを深める。
それまで、様々な視点で、攻守にわたって、互角のサッカーを展開していた両者だったけれど・・
では、後半になってからの「アウトプットの差」は、どこから・・??
チームリーダーの質??
選手たちの「戦術イメージング」の量と質??
いや、やっぱり、最後は、選手一人ひとりの「意識と意志ポテンシャル」の質によるんだろうね。
そう、主体性プレーの内実・・
そして、そんな、一人ひとりの「心理ダイナミズム」が、チームとして、一つのまとまる。
そうなんだよ・・
やっぱり、選手たちの(チーム一丸となった)意識と意志ポテンシャルこそが、サッカーの内実を決めるっちゅうわけだ。
もちろん、そこには、戦術イメージングという要素もある。
でも、そんな戦術イメージングを具現化するのは、選手一人ひとりの「意識と意志」なわけだ。
だからこそ、「主体性」こそが、究極の「心理ボールゲーム」であるサッカーでは、極めつけに重要ファクターなんだ。
あくまでも、「人」としての、イメージング力、判断力や意志力が問われるっちゅうわけだ。
そして、それが、ボール奪取プロセス(守備)の内実として、グラウンド上に表現される。
とにかく、両チームともに、しっかりとした「主体性プレー」を、魅せつづけていたんだよ。
でも・・
そう、時間の経過とともに、また効果的な選手交代などで、徐々に、ヴェルディの「スピリチュアルな勢い」が、増していくんだ。
そして、アウトプットの内実がレベルアップしていく・・
そんなダイナミズムの源泉は、やっぱり、ボール奪取プロセス(守備)に、あり。
素早く効果的攻守の切り替え(トランジション)、チェイス&チェック(寄せ)、局面デュエル、マーキング&カバーリング、協力プレスへの集散、そして「最後の半歩」などなど。
ヴェルディでは、そんな「主体性ファイト」の心理ファンダメンタルズが、とても充実していたのかもしれない。
そして、そんな「意識と意志ポテンシャル」の充実が、結果につながっていく。
そう、ゴール機会の量と質。
後半では、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)と、その集大成としてのゴール機会で、FC東京を、圧倒した。
まあ、結果は、残念だったけれど・・
それでも、このゲームでも、城福浩ヴェルディは、着実に、進化&深化をつづけているという事実を、体感させてくれた。
頼もしい限りじゃないか。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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