湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第29節(2024年9月1日、日曜日)

 

コンサドーレ選手諸君に言いたい・・もし最終目的を遂げられなかったとしても・・この、主体的な、限界を極めた「闘いの体感」は、必ずや、諸君の将来にとって、掛け替えのない「何か」として、「心」を支えてくれるに違いない・・(コンサドーレvsフロンターレ、2-0)

 

レビュー
 
えっ、ウソッ!?

青木亮太の先制ゴールだけじゃなく、鈴木武蔵がブチ込んだ追加ゴールシーンでも・・

そんな、頓狂な声が出てしまった。

もちろん、ガッツボーズも「後追い」したけれど・・

皆さんもご覧になった通り、フロンターレは、とてもチカラのある強いチームだ。

後半、家長昭博が放った、「二つ」の、絶対的ゴールチャンスもあったけれど・・

特に前半は、イニシアチブという視点で、フロンターレの後塵を拝しつづけたんだ。

そんなだったから、ミハイロ札幌コンサドーレが、ブチ込んだ二つの(起死回生の!?)ゴールへの唐突感が、ハンパなかったんだよ。

スミマセンね、ミハイロ、そして杉浦大輔さん・・

ところで、「先制ゴール」からのゲーム内容の「変化」だけれど・・

そう、青木亮太が先制ゴールをブチ込んでからというもの、コンサドーレが、一段も二段もシフトアップしたんだよ。

とにかく、そこでの、攻守にわたる「熱量」が、ハンパなく上昇しつづけたんだ。

じゃ、それまでは・・??

チト微妙なニュアンスだけれど・・

局面デュエルの内実は、瞬間的な「意識と意志ポテンシャル」に、拠って決まるよね。

「そこ」までのコンサドーレの「意識と意志ポテンシャル」は、「突き抜けて」いなかったんだよ。

それが・・

そう、「ゴール」という・・

いや、もっと言えば・・

「勝ち点3」が手に入るという、「超」のつくポジティブ刺激によって、「足」に注入されるエネルギーが、何倍にも膨れ上がったんだ。

もちろん、ボール奪取プロセス(守備)において・・ね。

だから、チェイス&チェック(寄せ)だけじゃなく、局面デュエル、マーキングやカバーリンクへブチ込まれる「熱量」にしても、もう、次元を超えるほど、高まったというわけだ。

そんなエネルギーの「迸り」は、もちろん、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、活きてくる。

わたしは、鈴木武蔵がブチ込んだ、スーパーヘディングシュートだけじゃなく、青木亮太のスーパークロスにしても(!)・・

何らかの「スピリチュアルエネルギーの迸り」によって起こった、と、感じていた。

素晴らしい二つのゴールではあった。

ところで、ミハイロ札幌コンサドーレ・・

基本的に、優れた、美しい質実剛健サッカーを展開する彼らだけれど・・

逆に・・

ものすごく、「勝負弱い」ところもあった。

わたしは、コラムのなかで、そのバックボーンを、こんなふうに表現したことがあった。

・・ボール奪取プロセス(守備)における、肝心の「最終勝負シーン」での集中が足りない・・

・・わたしは、「最後の半歩」って表現するけれど・・

・・そんな、相手の次の仕掛けに対するイメージングが、弱い・・

・・また、ボールがないところでの最終勝負シーンでも、「諦める」のが早すぎる・・

・・そんなニュアンスの内容を、指摘したことがあったんだよ。

それが・・

そう、リーグ展開のなかで、完璧に「追い詰められて」からのヤツらは・・

そんな「中途半端なプレー」など、微塵も感じさせないほどの「心理・精神パワー」を、魅せつづけているんだ。

だからこそ、わたしは・・

基本的には「チカラのあるコンサドーレ」だからこそ、心理・精神パワーが充実すれば、J1残留の可能性は、まさに「無限大だ〜〜っ!!」なんて、主張しているんだ。

そして、このところのリーグ展開を観ながら、その主張を、反芻しているっちゅうわけさ。

とにかく、いまのミハイロ札幌コンサドーレは・・

チーム全員でブチかましつづける、攻守ハードワークとリスクチャレンジ姿勢が、一皮も、二皮も剥けたって感じる。

そのテーマについては・・

・・攻守にわたって、まさに大車輪の「爆発プレー」を魅せつづけた、駒井善成とか青木亮太、はたまた、交替出場したキャプテン荒野拓馬といった強者だけじゃなく・・

・・まさに、一人の例外もない「全員」が、攻守ハードワークとリスクチャレンジを、自ら、探しまくっていたと、高く評価できる。

わたしは・・

そんな、レベルを超えた「闘う意識と意志」に支えられた「主体性プレー」に舌つづみを打っていた。

何か、チト、情緒的に「過ぎる」書き方だとは思うけれど・・

たまにゃ、いいじゃん・・

オレも、この勝利を、心から祝福したいし、喜んでいるんだよ。

ということで、最後に、コンサドーレ選手諸君に言いたい。

・・もし最終目的を遂げられなかったとしても・・

・・この、主体的な、限界を極めた「闘いの体感」は、必ず、諸君の将来にとって、掛け替えのない「何か」として、「心」を支えてくれるでしょう・・

追伸:ドイツ時代の良き友人であり、ドイツサッカーの、世界的プロモートに大きく貢献した、クリストフ・ダウムが天に召された。彼との良き時間に、思いを馳せている筆者なのです。合掌・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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