湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2024年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第35節(2024年10月30日、水曜日)
- 両チームの、ボール奪取プロセス(守備)コンテンツ(闘う意志)自体は、主体性という視点でも、とてもダイナミックだったけれど、結局、両チームともに、その「壁」を破るトコロまで攻めきれなかった・・(マリノスvsレッズ、0-0)
- レビュー
-
- ジョン・ハッチンソン横浜マリノス・・
天皇杯、準決勝での、悔しい敗戦から、なか二日の、レッズとのリーグ戦。
そりゃ、厳しいスケジュールさ。
それでも、ジョン・ハッチンソン横浜マリノスは、最後の最後まで、しっかりと闘い抜いた。
とても立派なパフォーマンスではあった。
対する、マチェイ・スコルジャ浦和レッズ・・
彼らが秘めるキャパ(個の能力の総体)からしたら、まだまだ、本調子とは言い難い。
まあ、マチェイ・スコルジャの「構想」が、しっかりと固まれば、おのずと、チームの「フォーム」もアップしてくるとは思うけれど・・
そんな勝負マッチを観ながら、特に、マリノスの「立派な闘う姿勢」を肌身に感じながら、まず、こんなコトを考えていた。
やっぱり、ボール奪取プロセス(守備)だよ・・
特に、チェイス&チェック(寄せ)。
そう、それこそが、もっとも大事な、守備ハードワークなんだ。
その内実によって、イニシアチブの趨勢が、決まってしまうといっても過言じゃない。
特に前半は、マリノスの「寄せ」が、素晴らしく忠実で、クリエイティブだった。
それによって、レッズの、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)が、まさに、単発で寸詰まりに、押し込まれつづけてしまうんだ。
とはいっても、たしかに・・
前半のラスト時間帯では、そんなゲームの流れに、明確な「変化」は、訪れた。
そう、レッズのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の実効レベル(イニシアチブ)が、大幅にアップしたんだ。
その「変化」は、もちろん、マリノスの、「寄せ」の「熱量」が、落ち着いてきたコトが大きかったわけだけれど・・
それ以外でも・・
レッズのサミュエル・グスタフソンの「ボール絡みプレー」の量と質のアップもまた、その「変化」の大きなバックボーンとして言及したい。
このゲームでの、サミュエル・グスタフソンの「フォーム」・・
それは、ボール奪取プロセス(守備)に奔走しなければならなかったこともあって(!?)、前節からすれば、ダウンしたけれど・・
それでも、レッズの全体的なサッカー内容がアップするにしたがって(要は、より活発に、人とボールが動くようになってから!?)、彼のパフォーマンスも、リカバーしていったんだよ。
でも、そんなサミュエルも、後半18分に、チアゴ・サンタナと交替し、グラウンドを去ってしまう。
その後は、両チームともに、何回かは、ゴール機会を創りだしはしたけれど・・
結局、そのままタイムアップ・・
そのとき、両チームの多くの選手が、グラウンドに倒れ込んだ。
彼らは、攻守ハードワークとリスクチャレンジという「クリエイティブ・ワーク」を、全力で、主体的に(!!)探しまくっていたわけだから・・
だから、グラウンドに倒れ込んだプロ選手としての「自覚」からすれば、納得のいく「疲労感」だっただろうね。
そう、ギリギリの「主体的な闘い」だったからこその、満足感・・
お疲れ様でした・・
このゲームについては、レッズ選手たちを個々に採りあげることは、止めにしよう。
チームとしての「サッカー内容」によって、個々のパフォーマンスに、雲泥の差が出てしまうモノだからサ。
============
最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
-
===============
重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
==============
ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
-
-
-
-