湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第36節(2024年11月10日、日曜日)

 

さすがに、リーグ優勝がかかった勝負マッチ、ヴィッセルもサンフレッチェも、ギリギリの「心の闘い」をブチかました・・堪能した・・(ヴェルディvsヴィッセル、1-1)、(レッズvsサンフレッチェ、3-0)

 

レビュー
 
優勝を争う2チームの勝負マッチを、短く、まとめます。

――――-

まず、ヴィッセル・・

ボール奪取プロセス(守備)における、最高「熱量」のぶつかり合い・・

まず、そんな印象が、脳裏に焼き付いた。

そして、だからこそ・・

そう、そんなギリギリ勝負シーンでの、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)で、いかに、相手のプレスを、かわし、「次」につなげられるか・・

それが、テーマになるわけだ。

そして・・

そんな状況だからこそ、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが、決定的に重要な意味をもってくる。

でも・・

そう、相手は、ボールホルダーだけじゃなく、常に、次のパスレシーバーを狙っているんだ。

両チームともに・・ね。

それが、相手の人とボールの動きと、「そのリズム」を視野にいれた、「協力プレスの集散」っていうテーマの骨子というわけさ。

とにかく・・

その視点でも、両チームともに、しっかりと、相手の「人とボールの動き」と「そのリズム」に対応するように、ボール奪取プロセス(守備)を、機能させつづけているというわけだ。

サスガだね。

とにかく・・

両チーム監督の「優れた仕事」に、心からの称賛と感謝の拍手を、おくりたいね。

特に、今シーズン「J2」から昇格し、気を吐いている、城福浩ヴェルディ。

わたしも、彼らが、ここまで、「良いサッカー」で、成績も残せるとは、正直、思っていなかった。

この勝負マッチでの同点ゴールも、含めて・・ね。

城福浩は、ホントに、素晴らしい仕事を積み重ねていると思う。

最後に・・

ヴィッセルの、(年増の!?)突貫小僧、武藤嘉紀。

彼の、積極的&攻撃的プレー姿勢を象徴するシーン・・

ヴェルディが、よいカタチでボールを奪い返し、そのまま、よいカタチで、カウンターをブチかまそうとしていた。

誰もが、「これはヴェルディのビッグチャンスになる」って、確信した、チャンスシーン。

でも、そんな状況で、一人の「白い選手」が、猛然と、カウンターを仕掛けようとするヴェルディ選手にアタックを仕掛け、ボールを奪い返してしまったんだ。

その白い選手こそ・・

攻守にわたって、粘りのハードワークを積み重ねながら、「ここぞっ!」のチャンスで、決定的な仕事をブチかましつづけた、武藤嘉紀。

インテリだし、強烈な「意識と意志ポテンシャル」を、内に秘めている。

わたしは、ヴィッセル吉田孝行が、彼に(また大迫勇也にも!?)大いに助けられていると、思っている。

そう、監督にとって、武藤嘉紀(大迫勇也)は、グラウンド上の「エクステンション・ハンド」なんだ。

素晴らしいリーダーじゃないか。

さて、前半は、ここまで、後から、ミヒャエル広島サンフレッチェについて、レポートします。

―――――――

さて、そのサンフレッチェ(対レッズのアウェー戦)・・

ゴール数からすれば、まさに完敗のように見える。

でも、ゴール機会を創りだした仕掛けプロセスも含めた「全体的なゲーム内容」からすれば・・

ミヒャエル広島サンフレッチェにとって、まさに、悔しい敗戦っちゅうことになるんだろうね。

そういえば、前述のヴィッセルにしても・・

後半ロスタイムに同点ゴールを叩き込まれたっけ。

これって、リーグ優勝のプレッシャー!?

微妙な「情緒」だけれど・・

それは、プレッシャーなんかじゃなく、単純に、「これが、神様スクリプトのサッカー」だって表現するのが、正解のようにも感じる。

それにしても・・

前半から、何回、両チームは、決定的「ゴール機会」を創りだしただろうか。

また、微妙なジャッジも含めた、ドラマ性。

まあ、それらを総合すれば・・

この勝負マッチが、「神様のいたずら」だったってな印象を、ことさらに、否定する必要もないかな・・

・・なんてね。

ということで・・

これで、イメチェン(!?)のゼルビアも含めて、上位4(5!?)チームが、残り2試合で、しのぎを削るってなリーグ展開になってきた。

皆さんも、最後の2試合を、とことん楽しもうじゃありませんか。

============

最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





[トップページ ] [湯浅健二です。 ] [トピックス(New)]
[Jデータベース ] [ Jワンポイント ] [海外情報 ]