湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第5節(2024年3月30日、土曜日)

 

いや、ホント、優れたプロコーチ長谷部茂利は、とても良い(勝負強い!)チームを創っているじゃないか・・でも終わってみれば、内容的に「順当」な結果ではあったけれど・・(レッズvsアビスパ、2-1)

 

レビュー
 
このゲーム・・

何にフォーカスしようか・・

やっぱり、まず・・

「とても勝負強い」長谷部茂利アビスパの、主体的で、クリエイティブ(創造的)な、ボール奪取プロセス(守備)を、まず採りあげたいね。

何せ・・

そう、アビスパ選手たちは、常に「次」を「予測」しながら、そこで必要とされる「仕事」を、主体的に「探し」つづけていたわけだから・・。

以前、レッズ監督だったドイツ人プロコーチ、フォルカー・フィンケが持ち込んだ、こんな表現があったっけね。

ボール・オリエンテッドなプレー(創造力!?)を磨け・・

要は、次、その次「ボールの動き」を、しっかりと考え・予測・描写し、「その勝負所でのデュエル」に、より実効レベル高く、絡みつづける・・っちゅうコトね。

そう、ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても。

たとえば、攻守の切り替え・・

自分たちがボールを失うと感じた、次の瞬間には、素早く「次のアクション」に入んだ。

だからこそ、効果的で素早い攻守の切り替えが可能になるし、ゲーゲンプレス(プレスバック)も、より効果的に、ブチかましていける。

微妙だけれど・・

長谷部茂利アビスパでは、そんな「主体的な予測イメージング」が、常に、脳内で回りつづけているって感じるのさ。

だからこそ・・

そう、チェイス&チェック(寄せ)、マーキング&カバーリング、協力プレスの集散などが、とても効果的&機能的に、動きつづけるんだ。

私は、そんな「機能」全体を、「最後の半歩ファクター」という言葉で、表現するわけさ。

まあ、局面デュエルでは、個々のフィジカル&スキル&サイコロジカル(気持ちの強さ)等が問われるわけで、このテーマとは、少し「外れ」るかもしれない。

とにかく・・

わたしは、長谷部茂利アビスパが展開した、「スマートな機能性あふれる」ボール奪取プロセス(守備)に、舌つづみを打っていたんだ。

あっと、マティアス・ヘグモ浦和レッズ・・

ホントに、よく逆転した。

相手は、前述したように、守備が、とてもハイレベルだからね。

もちろん、ゴール機会(攻撃&仕掛け)という視点では、レッズに、一日以上の長があったコトは、一目瞭然だけれど・・

それでも、アビスパの「最後の半歩ファクター」は、組織と個が、うまくバランスした、とても危険なレッズのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)を、全体的には、うまく抑え込んでいたんだ。

あっと、レッズのボール奪取プロセス(守備)だけれど・・

その機能性は、いつものように、高水準だったよ。

でも・・

そう、マティアス・ヘグモ浦和レッズは、優勝争いをしなきゃいけないチームだからね。

もっと「余裕」をもって、守り、攻め上がって欲しいって感じていたのは、私だけじゃなかったでしょ。

あっ、そうそう・・

ここまで書いて、ハッと思いだすわけさ。

そう、リーグ全体のレベルが、とても「高次平準化」しているっちゅう、事実をね・・

そんな背景があるから・・

このところ、昔のように、サッカー内容に「大きな差」が目立ったり、大量ゴールを奪われて勝負がついてしまうってな「大雑把」なゲームは、少なくなっているっちゅうわけだ。

別な表現をすれば・・

そう、勝つことが、どんどん難しくなっている、昨今なんだよ。

だからこそ・・

微妙なトコロを支配することで、より良いカタチでボールを奪い返し、より効果的に、スペースを攻略できなきゃダメだっちゅうわけさ。

あっと、微妙なトコロ・・

ソコを支配するためにも、フォルカー・フィンケが言うところの、ボール・オリエンテッドなプレー(創造力!?)を磨かなきゃ、いけないんだよ。

素早く、具体的な「勝負イメージング」をアタマに描けるようになるわけね。

ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても。

たしかに、その「微妙なトコロ」は、これ以上、具体的に表現するのは難しい。

そりゃ、そうだ、これだけ不確実なファクターがテンコ盛りのサッカーだから・・さ。

だからこそ、「サッカー的な感性」を、もっと磨かなきゃいけないっちゅうわけだ。

そこで効果を発揮するのが、ビデオなどを駆使した、イメージトレーニングっちゅうわけだ。

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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