湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2024年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第8節(2024年4月13日、土曜日)
- 耐えられないほど悔しいからこそ、主体的に「考えなきゃ」いけない・・そうすれば、確実に、次への希望が芽生えてくるモノさ・・とにかくヴェルディ選手たちは、自分たちが、着実に進化&深化していることを、肌身で体感しているはず・・(ヴェルディvsFC東京、2-2)
- レビュー
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- ヒエ〜〜!!
開幕から、もう何度も体感させられた、タイムアップ寸前で起きた「悔しい結果」という不運。
それが、このゲームでも、再現しちゃった。
エネーチケー試合後インタビューで、そのコトを聞かれた染野唯月は、ものすごく悔しそうに、こんなニュアンスの内容を、絞り出すように語った。
・・(結果からすれば!?)FC東京が強かったというコトだと思います・・
いや、そんなコトはない。
・・アンタたちは、ものすごく強くなっている・・
・・それだけじゃなく、このゲームでも、その事実を、世間に知らしめたじゃないか・・
とにかく、城福浩は、期待に違わぬ、スーパーな仕事をしているんだよ。
あっと、プロコーチ(監督)の良い仕事・・
わたしが、そう評価するときのバックボーンだけれど・・
これまでに、もう、何度も書いているように・・
それは、選手たちの、攻守にわたる主体性プレーの「内実」にあるんだ。
この試合で「も」、城福浩ヴェルディは、素晴らしい主体性サッカーを魅せてくれた。
主体性サッカーの体現・・
それは、1人の例外なく、全員が、常に、攻守にわたって、ハードワークとリスクチャレンジを「探しまくれているか、どうか」に、かかっている。
まあ、ハードワークだから、その主体は、ボール奪取プロセス(守備)にありだよね。
このゲームのヴェルディ選手たちは、まさに、1人の例外なく、競うようにして(!?)仕事を探しまくっていたんだ。
そんなプレー姿勢を代表していたのが、キャプテン森田晃樹、その人だった。
そして、そんなプレー姿勢だからこそ・・
攻守の切り替えが、ものすごく素早く、効果的なんだ。
彼らは、ボールを失うコトを感じた次の瞬間には(実際にボールを失う直前に!?)、次のディフェンスアクションに、入っている(もちろん様子見の仲間もいるよ・・)。
だからこそ、ゲーゲンプレス(プレスバック)も、殊の外うまく機能しつづけていた。
そしてだからこそ、「そこ」からのショートカウンターも、抜群の「効果レベル」でブチかませていた。
もちろん、局面デュエル、忠実なマーキングやカバーリング、協力プレスの集散、そして、決定的ピンチで光り輝く「最後の半歩というファクター」等なども、素晴らしい内容だった。
そして、ディフェンスが、素晴らしく機能しつづけたからこそ・・
次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)も、見事に、流れつづけるんだ。
ヴェルディ選手たちは、おしなべて、スキル水準が高い。
だからFC東京の選手たちも、イージーにアタックしたら、簡単にかわされ、その場に置き去りにされちゃうという恐怖によって、逡巡するシーンが多かった。
ヴェルディ選手たちの多くは・・
子供のときから、ゲーム形式のトレーニングで、そのスキルを培ったっちゅうわけだ。
ハナシは変わるけれど・・
世界中で、「ストリート・サッカー」が姿を消したと言われて、久しい。
たしかに、それは事実だよね(もちろんドイツでも!)。
だからこそ、レギュラーなトレーニングに、その「遊びの要素」を盛り込まなきゃいけないんだよ。
・・選手たちに、ルールや、戦術、メンバーなどを決めさせる(もちろん大まかな方向性などのヒントは、与えるよ)・・
・・そしてコーチは、変な「介入」をすることなく、選手たち「主体」で、ミニゲームを、楽しませる・・
そんな「ストリート・サッカー要素」が、選手たちの進化&深化にとって、いかに重要か。
わたしは、このゲームを観ながら、そんなコトに、考えを巡らせていた。
ヴェルディ選手たちが、攻守にわたり、主体的に、仕事を探しまくっている(探しまくれている!?)という事実のコトね。
このコラムじゃ、城福浩ヴェルディの進化&深化をベースに、そのことを強調したかった。
もちろん、それに結果がついてくれば、スーパーハッピーだったんだろうけれど・・
それでも・・
そう、人は、ハッピーなコトからは、多くは学べない・・
そうではなく・・
やっぱり、「悔しい、厳しい、耐えられない」そんなネガティブ体感こそが、人を育てるんだ。
それは・・
人は、そんなときには、「納得いくまで考えつづけなければ」耐えられないから・・ネ。
もちろん、納得を得るのは簡単じゃない。
それでも、考えれば、確実に、「次への希望」が芽生えてくる(はず・・少なくても、私の、ドイツ留学時代は、そうだった!!)。
そのコトが言いたかった。
とにかく、ガンバレ〜〜城福浩ヴェルディ〜〜
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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