湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第14節(2025年5月3日、土曜日)
レッズ選手たちのなかで、素晴らしく醸成されつつある「相互信頼」という、心理パワー・・FIFAクラブワールドカップに臨む彼らだからこそ、そんな「感性」は、着実な自信と確信のベースアップになるはず・・(レッズvsヴェルディ、2-0)
まあ、レッズの完勝。
特に・・
後半になってから活性化したヴェルディのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)だけれど・・
結局は、まったくといっていいほど、危険な「機能性」を、感じさせられなかった。
そして、それこそが、いまのレッズ再生の決定的バックボーンっちゅうわけさ。
ボール奪取プロセス(守備)でのチェイス&チェック(寄せ)への意識と意志の高揚ね。
私は、その「変化」のバックボーンについて・・
チアゴ・サンタナを外したことによる、ポジティブな「心理・精神的な効果」・・
そう思っているわけさ。
皆さんも、ご存じの通り・・
これまで何度も、コラムで、チアゴ・サンタナの、チェイス&チェック(寄せ)のサボリを、指摘した。
チト、アタマにきていたんだよ。
それが、チーム全体に与える、ネガティブ影響は、計り知れないっちゅうわけだ。
もちろんチアゴ・サンタナが、ディエゴ・マラドーナとか、オネル・メッシのような、レベルを超えた、個のスーパー「打開プレー」ができるのならば・・
チームが「許せる」かどうか、ディスカッションの俎上に、のぼってはくるんだろうけれど・・
あっと、許せるかどうか・・
もちろん、それは、サッカー内容に決定的な影響を及ぼす、チームのなかでの、選手たちの「感性」のことだよ。
実際・・
彼が、外されてからは、全体的な、守備における、ボールがないところでのアクションの量と質は、明確にアップしたよね。
だからこそ・・
そう、マテウス・サヴィオや渡邊凌磨、松尾佑介、金子拓郎だけじゃなく・・
ボランチコンビ(安居海渡とサミュエル・グスタフソン・・松本泰志)だけじゃなく、両サイドバック(長沼洋一と石原広教)の、攻守にわたる「意志の爆発レベル」も、明確にアップした。
そう感じるのは、わたしだけじゃ、ないでしょ!?
とにかく・・
サッカーが、究極の、「組織ボールゲーム」であり、「心理ボールゲーム」でもあるコトが言いたかった。
だからこそ・・
そう、それぞれの選手たちが抱える、「意識と意志のハーモニー」こそが、チームのなかでディスカッションしなきゃいけない、絶対テーマなんだよ。
・・アイツ、なんで、もっと走らない(もっと頑張らない)んだ・・
・・あんなヤツのために、汗かきで頑張るなんて・・
チームのなかに、そんな、微妙な「不満」があるとき、すぐにでも、「その不満」が、雪だるま式にチーム内で膨れ上がっちゃう。
逆に・・
心理マネージャーが、そんな「微妙な、心理ネガティブ要素」を・・
巧みなプロセスで取り除けたら、すぐにでも、その効果が、フォームの改善となって、グラウンド上の現象に、ポジティブに現出してくる。
フォーム≒物理的、心理的、戦術的な、チーム状態・・ね。
よく、「カタチ」でサッカーを語ろうとする輩がいるけれど・・
もちろんドイツにも、うまくメディアに乗って、視聴者をケムに巻くような「口八丁手八丁」のヤツがいるんだよ。
でも結局は・・
そう、すぐに淘汰される。
というか、周りからの「ふざけるなよっ!!」ってなブーイングを浴びることで、黙らざるを得なくなる。
それもまた、伝統の為せるワザってなコトなんだろうね。
あっと・・
前述した、レッズ選手たちのなかで、素晴らしく醸成されつつある「相互信頼」という、心理パワー。
FIFAクラブワールドカップに臨む彼らだからこそ、そんな「感性」は、着実な自信と確信のベースアップになるはず。
本番での、彼らの、自信と確信溢れる「組織と個のコラボレーション」を、楽しみにしましょう。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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