湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第15節(2025年5月7日、水曜日)
早すぎるタイミングの決勝ゴール・・だから、その後の「ゲームの構図」は、お察しの通り・・だからこそ、ミヒャエル広島サンフレッチェの、質実剛健ディフェンスが、光り輝いた・・(ベルマーレvsサンフレッチェ、0-1)
やっぱり・・
この試合のテーマは、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)に集約されるかな・・
それも・・
そう、一点を追いかけるベルマーレの「それ」。
テーマがそうなった背景は・・
そう、キックオフ後の前半6分・・
ミヒャエル広島サンフレッチェが、PKを獲得し、それを、ジャーメイン良が、しっかりとゴールに蹴り込んだんだよ。
そしてそこからゲーム展開が、ずっと、ずっと、ベルマーレが、一点を追いかけるってな、躍動感に乏しい「停滞気味」なモノへと沈み込んでいった。
そう、ゲームの勝負展開が、ある「構図」に落ち着いていったんだよ。
心理・精神的にも、ベルマーレが、イニシアチブを握るのも、自然の成り行きだったんだ。
でも相手は、塩谷司、荒木隼人、佐々木翔といった、強者ベテランに代表される、とても強力なディフェンスのサンフレッチェだからね。
そこで「スペースを攻略」していくのは、並大抵のコトじゃないんだよ。
ところで、サンフレッチェ守備の何が、強力??
もちろん、そのバックボーンは、前述した「深く・広い経験の権化」みたいなベテランによる、ものすごく実効レベルの高い「イメージング・シンクロ」さ。
そう、互いに、「使い・使われる」協力アクションの積み重ね。
そして、そんな、強者の「深く・広い体感の積み重ね」から発されるオーラが、相互カバーリングも含めた組織ディフェンスを、しっかりとリードするっちゅうわけだ。
そんな強者ディフェンス・・
彼らは、ベルマーレの、人とボールの動きが、「足許パス」に陥ってしまうように、目立たないトコロで、完璧にコントロールしつづけていた。
そう、クレバーなマーキングやカバーリング、そしてポジショニングバランスなどなど・・
そんなだから・・
ベルマーレの人とボールの動きの「リズム」だって、単調の極みってな感じに「コントロール」され、落ち込んでしまうんだよ。
もちろんベルマーレだって、たまには、ワンツーで抜け出そうとはするけれど・・
それにしても、例の「強者オーラ」が、スペースのカバーリングを、完璧に機能させちゃう。
そしてだからこそ、観ている方に・・
ベルマーレが、単純なリズムで、ボールを「回させられている」ってな印象を与えるわけだ。
さて・・
これまで何度も主張してきたように、ミヒャエル広島サンフレッチェが、再び、リーグ優勝レースに復活してきた。
リーグ実力トップの一つ、サンフレッチェだからね、まあ、当たり前の展開だけれど・・
これから、ケガ人も復活してくるだろうし、リーグ優勝レースを、よりエキサイティングに盛り上げてくれることでしょう。
ガンバレ~、ミヒャエル~~・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか~~・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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