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2010_天皇杯四回戦・・勝ち切ったことには、とても大事な価値があった・・(レッズ対ジュビロ、1-0)・・(2010年11月17日、水曜日)

まあ・・レッズの粘り勝ち。

 今のレッズにとっては(この試合で先発したチームにとっては)、勝ったこと「自体が」とても重要な意味をもっている・・。わたしは、「どんなカタチでもいいから、石にかじりついてでも結果を出す・・」ということこそが、今のレッズにとって、とても大事な価値があると思っているわけです。

 でもフォルカー・フィンケは、「この勝利はとても大きな価値がある・・と言われたが、その価値を、もう少しブレイクダウンしていただけないか?」という私の質問に対して、別の視点のコメントを出していた。

 「若手にとって、とても価値のある発展機会になった・・彼らが、これだけ主力がケガをしているなかでチャンスをもらい、しっかりとしたプレーで結果を残せたことが大きな価値をもっている・・若手が、ホンモノのブレイクスルーを果たすためには、とにかくホンモノの勝負の場で、ホンモノの経験を積み重ねていかなければならない・・その視点で、このゲームは、とても大事な価値を内包していた・・例えば岡本拓也のプレー姿勢・・彼は、最後の最後まで仕掛けていった・・その積極的な意志は、高い評価に値する・・」

 フムフム・・まあ、そんな視点もあるだろうけれどサ・・

 この試合、いまのレッズ中盤の屋台骨ともいえるダブル・ボランチ、柏木陽介と細貝萌がケガで不在ということになりました。わたしは、敢えてこの二人のことを、守備的ハーフコンビではなく、ホンモノのダブルボランチと呼ぶことにしています。普段は、”ブラジル”に対する敬意から、安易にボランチという表現は使わないようにしているのですが・・ね。

 でも、柏木陽介と細貝萌は別格。攻守にわたり、チームの「重心」として(まあ・・ボランチ本来の意味であるチームのハンドルとして・・)とても素晴らしい活躍を魅せつづけている。だから、彼らのことをダブルボランチと呼ぶのに躊躇(ちゅうちょ)しないというわけです。

 でもこの試合では、その二人がいない。鈴木啓太は、まだ試合勘を十分に取り戻していないこともあって、プレーがちょっと不安定(まあ・・試合が進むにつれて、本来の安定したプレーを展開できるように進化していったけれど・・)。また堀之内聖は、たしかに、フォルカー・フィンケが言うように、極限の汗かきプレーで中盤ディフェンスを支えていたとはいっても、やはり限界がある(この試合では、たしかに限界を超えたガンバリを魅せていた・・拍手っ!!)。

 それでも、そんな(この二人には申し訳ないけれど・・)どちらかといったらマイナス要因を、久しぶりの先発に入ったロブソン・ポンテと、試合ごとに、目に見える発展(ブレイクスルー)を遂げていると感じさせてくれる高橋峻希が、よくカバーしていた。

 前述の、フォルカー・フィンケが示唆した「若手の発展機会」というテーマでは、高橋峻希のことをもっと前面に押し出してコメントしてもよかったと思う。このポジションには、セルヒオ、原口元気、はたまたケガで戦列を離れている田中達也や梅崎司といった猛者がいる。

 それでも、攻守にわたって、主体的に、極限まで「仕事を探しつづける」という今の高橋峻希のパフォーマンス(強烈な意志の爆発プレー!)だったら、ライバルとして十分に対抗していける。そして、レッズの健全な競争環境が、よりアクティブに整備されていく・・。いいね・・

 ところで、二日前に発表した「最後の半歩が出ないレッズ・・というコラム」

 その「半歩」の根源的なエッセンスは、もちろん心理・精神的なファクターですよ。たしかに、フィジカルやテクニック的な要素もあるけれど、それらにしても、「深いところ」では、スピリットというエネルギーに支えられているのです。

 まあ・・「意志」のチカラ。その視点で、まだまだ課題が山積みなことは論をまたない。

 この試合でも、後半には、前田遼一の、スーパーな「すり抜けドリブル&シュート」とか、左サイドをワンツーで突破されたピンチとか、ジュビロに決定機を演出された。逆にレッズは、あれほど「空いたスペース」が出来ていたのに、そしてチャンスも作り出したのに、結局は追加ゴールを奪えなかった。

 それでも(ケガなど多くの困難を乗り切って!?)勝ち切った。そのことには(フォルカー・フィンケが言う若手にとっての貴重な学習機会という意味合いでも!?)とても大きな価値があった。もちろん、「そのこと」を大事な体感(価値)として、しっかりとチーム内でシェアするというアフター・マネージメントがうまくいけば・・のハナシだけれどネ。

 とにかく、次のガンバ戦が、様々な意味合いで、何らかの「分水嶺」になるかもしれないね。わたしは、その日の夜に放送される「レッズナビ」にも出演する予定です。いまから、とても楽しみです。

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 またまた、出版の告知です。

 今回は、後藤健生さんとW杯を語りあった対談本。現地と東京をつなぎ、何度も「生の声」を送りつづけました。

 悦びにあふれた生の声を、ご堪能ください。発売翌日には重版が決まったとか。それも、一万部の増刷。その重版分も、すでに店頭に(ネット書店に)並んだそうな。その本に関する告知記事は「こちら」です。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。

 4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。

 出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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