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2010_J2_・・強烈な意志が迸(ほとばし)るガチンコ勝負・・誰もが感動したに違いない・・(横浜FCvsトリニータ, 2-1)・・(2010年4月29日、木曜日)

本当に面白かったですよ、横浜FC対大分トリニータのJ2マッチ。

 何がそんなに面白かったんだろうか・・。やっぱり、実力的にはほとんど互角の(まあ・・どちらかといったら、トリニータの方に、微妙な一日の長があるかもネ・・そんな)両チームが、全力を出し尽くすガチンコ勝負を展開したからだろうね。

 横浜FC岸野靖之監督に言わせれば、気持ちが入った素晴らしいファイトを魅せてくれた・・っちゅうことになる。

 もちろんミスは多いし、テクニックや戦術レベルも、「J1」と比べれば明らかに劣る。でも、彼らが展開する全力の「せめぎ合い」から目が離せない。

 今日は、早朝からUEFAチャンピオンズリーグを観戦し、レポートまでアップしたから、ちょっと寝不足。それでも、眠気に襲われることなどまったくなかった! やっぱり、全身全霊を傾注する強者たちの「闘う意志のぶつかり合い」は、それだけで人々を感動させられるポテンシャルを秘めているということなんだろうね。

 「我々は(攻守にわたって)ボールがないところで、どんなプレーをしているかを評価するわけですが、その視点で、横浜FCは、本当に素晴らしいゲームを展開したと思う・・岸野さんが言う、気持ちの入った素晴らしいファイト・・まさに、そういうことだったと思うけれど、そんな素晴らしいサッカーを展開できる横浜FCが、どうして5連敗もしちゃったんですか?」

 そんなわたしの質問に、岸野靖之監督が、真摯に答えてくれました。

 「フ〜〜・・5連敗・・逆に、どうしてか、教えて下さいよ(岸野靖之さんは、わたしが読売サッカークラブでコーチをしているときの選手だったこともあって「距離」は近い)・・」

 「いや・・私は、まったく試合を観ていないんですよ・・」と、わたし。

 「そうですか〜〜・・それは、徳島ヴォルティスとの試合でPKを取られたところから始まったんですよ・・そして、スキを突かれたり、セットプレーで失点したり・・でも、こちらは追いつけない・・先制されたことで消極的で縮こまったサッカーになってしまう・・もちろん、原因は、とても小さなことなんですが、それに、心理的な要因も積み重なったということですかネ・・」

 「ところで、開幕から三連勝したことですが・・たしかに勝ってはいたんですが、サッカーの内容自体は、そんなに満足できるものじゃなかったんです・・逆に、例えばジェフ戦とか、かなり良いサッカーが出来ていても負けてしまう試合もある・・まあ、これからも、横浜FCのサッカーを模索し、少しずつ、それを作り上げていくという目標に向かって全力を尽くしていきます・・」

 いいね・・岸野靖之監督。とても魅力的なパーソナリティーを放散している。彼の下で、選手たちが、強烈な意志が迸(ほとばし)るサッカーを展開するのも、よく分かる。

 「あまり詳しいことは言えませんが・・選手たちのなかから、(連敗を止めるために)何とかしようという機運が高まっていたんですよ(選手たちによる自主ミーティングが開かれた!?)・・この試合の前には、何かが起きるに違いないと感じさせてくれるほどの強い息づかいがあったんです・・」

 岸野さんは、戦術的なことよりも、心理的な部分を強調する。そう・・その通り。サッカーは、ホンモノの心理ゲームだからネ。もちろん、彼らのプレー内容を観ていれば、例えば、チェイス&チェックから相手を追い込んでいく協力プレスの輪の作り方とか、攻守にわたるボールがないところでのアクションの量と質とか、チーム戦術的に、しっかりとトレーニングされていることが分かる。

 そんなチーム戦術的な基本イメージを、最高の効果レベルで機能させるための絶対的なベース。それこそが、心理的な要素(強烈な意志のパワー)なんですよ。意志さえあれば、おのずと道が見えてくる・・

 今日のサッカーを観ていて、とても彼らの発展プロセス(=私の学習機会)に興味が湧いた。これからも、時間を作って観戦しよう。

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 お知らせですが、きたる5月3日の月曜日。NPO法人横浜スポーツコミュニケーションズ(ヨココム)が主催する「湯浅健二の独演会」が、昨年につづいて開催されることになりました。テーマは「岡田ジャパン」・・まあ、「日本人はなぜシュートを打たないのか?」っちゅうテーマにも入っていかざるを得ない!? さて・・。詳しくは「ここ」を参照してください。

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 ところで、三年ぶりに新刊を上梓しました。4月14日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定したらしい。フムフム・・。タイトルは『サッカー戦術の仕組み』。池田書店です。この新刊については「こちら」をご参照ください。

 




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