トピックス
- 2011_ACL・・昨日の大阪ダービーを皮切りに、グランパス、アントラーズの勝負マッチを書き足していきます・・(2011年5月25日、水曜日)
- ガンバ対セレッソという大阪チーム同士の戦いになった決勝トーナメント初戦。ギリギリのせめぎ合いがつづいた末、結局セレッソが競り勝つことになりました。
この結果だけれど、ゲームの実質的な内容からすれば、セレッソがフェアな勝利を収めたという評価に異論を唱える方はいないでしょ。でも、勝負の行方という視点では、最後まで本当にどうなるかは五里霧中だったよね。
要は・・あれほどゲームを支配されていたガンバだったけれど、たまに繰り出すカウンターは、やっぱり危険そのものだったし、対するセレッソにしても、ゲームを全体的に支配している割には決定的チャンスを簡単に作り出せているわけでもなかった・・ということです。
ガンバの「ワンチャンス」。宇佐美やアドリアーノという才能連中が有機的に絡んだ(ドリブルとコンビネーションの効果的コラボレーション!!)チャンスメイクシーンでの瞬発力や危険度は、全体的にはジリ貧の展開だったにもかかわらず、やっぱり、とても危険なニオイを放っていた。またガンバ守備ブロックにしても、ゲームの全体的な流れはセレッソに支配されていたとはいえ、簡単には決定的スペースを使わせなかった。
そんな、表面的な現象と、そのカゲで蠢(うごめ)いていた神様ドラマの「相克」というのが、このゲームの構図だったわけだけれど、そこでピックアップすべきテーマは、何といっても、セレッソのレヴィー・クルピ監督が魅せた采配。要は、後半立ち上がりからの選手交代です。
前半の20分くらいまでは、忠実でダイナミックな守備をベースに、セレッソがゲームを支配していたわけだけれど、時間が経つにつれて、その(中盤)ディフェンスの勢いがダウンし、逆にガンバがゲームのイニシアチブを握るという具合に、ゲーム展開が変容していった。
その変容についてだけれど、わたしは、セレッソの守備がペースダウンしてきたことでガンバの勢いがアップしていったと考える。でも、もしかしたら、ガンバの盛り返し(もちろん守備の勢いと機能性アップ!)が、要はガンバ選手の「意志」が、そのバックボーンだったのかもしれない。
まあ・・ね、サッカーは究極の「相対性ボールゲーム≒本物の心理ゲーム」なわけだから・・
そして後半、セレッソのレヴィー・クルピ監督が動くことになるわけです。中盤での(汗かき)ディフェンス仕事の量と質がダウンしはじめていた(!?)乾貴士と倉田秋に代え、中後雅喜と小松塁をグラウンドに送り込んだのです。
そこでは、小松塁をワントップに、マルチネスと守備的ハーフコンビを組んでいた韓国代表のキム・ボギョンを攻撃的ハーフに上げた(またピンパオンをシャドーに下げた!)。そして、この采配がピタリとツボにはまっちゃうんですよ。
まず何といっても中後雅喜。彼の守備力によって、マルチネスの、リンクマン&ゲームメイカーとしての能力が「より解放」された。また、ピンパオンをシャドーハーフに下げることによって、彼の運動量豊富なダイナミズムが攻守にわたって「より」効果的に発揮されるようになった。それだけじゃなく、キム・ボギョンが、攻守にわたって素晴らしい機能性を発揮することで、チームメイトたちも「より解放されたマインド」でリスクにチャレンジしはじめた。
それが、セレッソ右サイドバック、高橋大輔の決勝ゴールにつながった・・と思う。聞くところによると、高橋大輔自身も、キム・ボギョンがカバーしてくれるという確信が高まったことで、よりフッ切れたマインドでオーバーラップしていけるようになった・・と語っていたとか。フムフム・・
わたしは、(後半の流れのなかで)いつかはガンバが盛り返してくるはずだと思っていました。でも結局は、最後の最後までセレッソがゲームペースを牛耳りつづけて決勝ゴールまで奪ってしまった。確かにそこでは、「神様ドラマ=ガンバの一発カウンターゴール」のニオイはしていたけれど・・。
本当に、とてもエキサイティングな勝負マッチだった。大阪では、この二つの実力チームが切磋琢磨することで、(もちろんヴィッセルやサンガも含めて!)関西圏のサッカー文化が着実に発展・深化している・・と思う。頼もしい限りじゃありませんか。
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
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