トピックス
- 2011_なでしこジャパンを観ながら、サッカーのエモーショナル価値を考えていた・・(2011年8月27日、土曜日)
- 偶然だったけれど、NHKのBSにチャンネルを合わせたら、激闘プレイバックと題して、ドイツ女子ワールドカップの勝負マッチをやっていた。
・・再々放送!?・・日本対ドイツ(決勝トーナメント一回戦)・・日本対スウェーデン(準決勝)・・そして今日は、日本対USA(決勝)・・
もちろん私は、スタジアムの記者席で観ていたわけだけれど、テレビ映像を追っているうちに、そのときの感覚と感動がよみがえり、視線と意識が釘付けになった。そして思った。
・・やっぱり当事者意識だよな〜・・それがあるから、サッカーの内容だけじゃなく、そこで展開されている局面勝負に「感情が移入」しちゃう・・絶対負けるな・・何とかガンバレ〜・・とかさ・・まあ、サッカーロジック的にはワケ分からないわけだけれどネ・・あははっ・・
・・そういえば、今回の女子ワールドカップのグループリーグ最終マッチになったイングランド戦じゃ、笛を吹いたカナダ人レフェリーの、あまりに露骨な(イングランドに肩入れした!)ジャッジにアタマにきたものだった・・
・・記者席の隣にFIFAの役員が座っているにもかかわらず、「フザケルナよ〜っ!!」なんて叫んだっけ・・スタジアムを埋めたドイツ人観客も、そのアンフェアなジャッジに、大ブーイングのオンパレードだった・・
・・試合後に、そのFIFA役員に謝罪したけれど、その役員は、一言・・サッカーはエモーショナルなものだし、それがなけりゃ、サッカーに「命」を注入できない・・私にはアナタの感覚や感情がよく分かるから、とても爽やかな印象が残っていますよ・・なんてネ・・あははっ・・
そう・・エモーショナル。
皆さんもご存じのように、私は、サッカーの戦術的な内容を、出来る限りニュートラルに(中立に)分析してコラムを発表しています。とはいっても、レッズ戦や日本代表のゲームでは、ちょっとエモーショナルになることもある。それは、ジャーナリストとしては良くないことかもしれない。それでも、それ「も」楽しい。あははっ・・
聞くところによると・・「J」の観客動員が徐々にダウンしている・・(女性も含めて)新規顧客が増え難くなっている・・とのことらしい。
たしかに、サッカーのクオリティーを上げれば、観客は増えていくと思う。でも「それだけ」じゃ、結局はヨーロッパサッカーと比較されてしまうことになる。また、(ネットも含む!)メディアノイズを上げて、社会的な興味を喚起すればいいという議論もあるけれど、でも、その方向性を強化し過ぎれば、「一過性のバブル状況」を(再び!)呼び起こす危険性が高くなってしまう。
要は、価値交換なんだよね。サッカーを観に来る人々にとっての「価値は何なのか・・」という議論を深めていけばいいっちゅうことなんですよ。
もちろんそこでは、「シロかクロか・・」といった短絡的なディスカッションではなく、サッカーが提供する価値を、『全方位』的に分析し、追求していくという基本姿勢が大事だと思うわけです。
サッカーのクオリティーを粘り強くアップさせていくのは当然として、メディアノイズを様々な意味合いで喚起する努力も惜しまない。
そして、もっとも大事なのが、人々にとっての「エモーショナルな価値」を、いま一度しっかりと分析し、それを創造する努力を惜しまないっちゅうことです。
日本代表に対するエモーショナル価値と、「J」をサポートするエモーショナル価値の「内容」は違うでしょ。
日本代表に対するエモーショナル価値は、「国対抗」という集約されたバックボーンがあるから、そんなに大きな努力は要らない。それに対して「J」のエモーショナル価値は、とても多岐にわたる。だから、「それ」を追求し、喚起する努力を怠ってはならない(大変なエネルギーが必要になつてくる・・)と思うわけです。
ということで、現状では、フランチャイズ(公民権・・一定地域内での独占販売権)をベースにした「地域密着性の内容」を拡充する努力が、根源的なテーマかもしれませんね。そう、エモーショナル価値の拡充・・
なでしこジャパンを観ながら、そんなことを考えていた筆者でした。
===============
ちょっと話題は変わりますが・・。
このところ、わたしが愛用しているウエストバッグやバックパックについて質問してくる方々が増えています。ということで、それを軽くご紹介することにしました。
ブランドは、METAS(メタス)といいます。
以前「サザビー」という有名ブランドのチーフデザイナーを務めていたわたしの友人が、10年前に独立して作り上げたプライベートブランド。その、痒(かゆ)いところにも楽に手が届くっちゅう感じの、実用的なアイデアが満載されたビジネスツールが、とても気に入ってます。
METAS(メタス) が扱っているのは、わたしが愛用するウエストバッグやバックパックだけじゃなく、ショルダーバッグやハンドバッグ、はたまたボストンバッグやブリーフケース等もあります。
全体的なデザインはオーソドックス(どこか懐かしいスタンダード・・というのがコンセプトらしい)だけれど、高質な材料の選択や、その素敵な組み合わせだけじゃなく、細かな気配りアイデアにも感嘆させられるスグレモノです。使い込めば込むほど(長寿もコンセプトの一環!?)、愛着がわいてくる。そして、安物とは違い、古くなればなるほど、素敵なチャック金具やおしゃれな裏地といった「細かなデザイン」が光り輝いてくる。
ちょっと誉めすぎ!? まあ私は、メタスの哲学と、それを具現化したバッグ類を、とても気に入っているのですよ。
様々なタイプのバッグを日々のアクションに活用している方々こそが、その細かな気配りアイデアを高く評価するに違いないと確信する筆者なのでした。ちょっと「押し」過ぎ!? あははっ・・
===============
重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
==============
ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
-
[ トップページ ] [
Jワンポイント ] [湯浅健二です。
]
[ Jデータベース ]
[トピックス(New)] [
海外情報 ]