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2011_WM予選_さて、本田圭佑の価値というテーマ・・(2011年9月7日、水曜日)

多くの方々から、「本田圭佑の不在」をテーマにコラムをアップして欲しいという要望(要求!?・・アハハッ・・)がありました。

 迷ったけれど、簡単にポイントだけをまとめてみる気になったのでキーボードに向かいました。骨子のディスカッションは、今回の2試合で、本当に本田圭佑の不在が大きなマイナスになっていたのか・・というポイントに収斂されます。

 さて、ということで、本田圭佑のポジティブな価値を見直してみることにしましょう。

 ・・例えば・・正確なトラップスキルをバックボーンに、前線でしっかりとボールをキープできる・・そのことで効果的な「タメ」が演出できる・・そして、そのことで(信頼ベースで!)チームメイトもサポートに上がってくるから、より人数を掛けた(数的優位な)攻撃を展開できる・・!?

 ・・例えば・・もちろん相手は本田圭佑をケアーするから、そこにパスが回ってくると、より「そこ」に集中してボールを奪いかえそうとする・・そんな、何人もの相手選手を「集中させた」状況で本田圭佑は、(才能故に周りの状況把握が正確に出来るからこそ)まさに相手のボール奪取勝負の勢いを逆手に取るようなシンプルなパスを展開してしまう・・そんなとき、肩透かしを食らった相手ディフェンスは、次の日本の仕掛けの流れから「置き去り気味」になってしまう場面もある・・!?

 ・・例えば・・これも才能だけれど(また前述のポイントに似通っているけれど)、ボールコントロールスキルが素晴らしいことで、周りの状況を常に余裕をもって観察できる・・だから、前述のシンプルな展開パスだけじゃなく、効果的な「タメ」から決定的なパスが出るケースも多い・・!?

 ・・そして、何といってもシュートやセットプレーに代表されるキックスキルが特筆だね・・もちろんパワーも素晴らしい・・これは、確かに、とても価値がある・・だからこそ南アWMでは、彼をワントップにして成功した・・!?

 あっと・・、本田圭佑が秘める「ポジティブ&ネガティブポイント」については、札幌で行われた日韓戦の後に順次アップしていった「このコラム」でまとめたっけ。そちらも、ご参照アレ。

 ということで、本田圭佑の「価値」を評価するわけだけれど、そのもっとも骨子になるポイントは、やはり、組織サッカーにおける「チームとしての動きの量と質」に対する影響内容ということになるだろうね。

 要は、本田圭佑によって、仕掛けの流れが停滞することがあるという視点です。

 もちろん、シンプルなパスを回せば、前述したようなポジティブ効果も誘発できるけれど、そんなケースの多くで本田圭佑自身は、パスを出した後、その場で足を止めてしまうのですよ。要は、忠実なパス&ムーブを繰り出すことで次のスペースで再びパスを受けようとするのではなく、止まって足許パスを「待つ」ケースがとても多いということです。

 彼は、「オレさまがチャンスメイクするんだ・・オレにボールを預ければ、決定的なパスを供給できるんだから・・」ってなイメージなんだろうね。たしかに、オレさまがおっしゃるとおり、「そこ」から決定的なパスが出ることもあるし、危険な中距離シュートが出てくることもある。でも、その多くが、仕掛けの流れが遅くなってしまうというネガティブ現象の元凶になっているという現実もある。

 フ〜〜、難しいネ。

 以前のコラムでも書いたように、最後はザッケローニが、様々な「トレードオフ要素」の詳細な分析をベースに決断するわけだけれど、この2試合については、抜群の組織プレーを展開した若武者、清武弘嗣の活躍によって、本田圭佑不在のネガティブな影響をまったく(!?)」感じなかったという印象の方が強いよね。

 いや、逆に、清武弘嗣の加入によって、組織サッカーの(中盤での)機能性は、明らかにアップしたとも思う。

 どうだろうね・・。結局本田圭佑の場合、最終勝負プロセスに「専念」するワントップという役割が、彼の才能をもっとも効果的に活かしていく道なのかもしれないね。

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 告知ですが、明後日(金曜日)から、私用で外国へ行かなければならなくなりました。たぶん、2週間くらい日本を留守にすることになります。

 ナデシコと北朝鮮の勝負マッチまではレポート出来ますが、その後はコラムを休みます。悪しからず。ではまた・・

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 ちょっと話題は変わりますが・・。

 このところ、わたしが愛用しているウエストバッグやバックパックについて質問してくる方々が増えています。ということで、それを軽くご紹介することにしました。

 ブランドは、METAS(メタス)といいます。

 以前「サザビー」という有名ブランドのチーフデザイナーを務めていたわたしの友人が、10年前に独立して作り上げたプライベートブランド。その、痒(かゆ)いところにも楽に手が届くっちゅう感じの、実用的なアイデアが満載されたビジネスツールが、とても気に入ってます。

 METAS(メタス) が扱っているのは、わたしが愛用するウエストバッグやバックパックだけじゃなく、ショルダーバッグやハンドバッグ、はたまたボストンバッグやブリーフケース等もあります。

 全体的なデザインはオーソドックス(どこか懐かしいスタンダード・・というのがコンセプトらしい)だけれど、高質な材料の選択や、その素敵な組み合わせだけじゃなく、細かな気配りアイデアにも感嘆させられるスグレモノです。使い込めば込むほど(長寿もコンセプトの一環!?)、愛着がわいてくる。そして、安物とは違い、古くなればなるほど、素敵なチャック金具やおしゃれな裏地といった「細かなデザイン」が光り輝いてくる。

 ちょっと誉めすぎ!? まあ私は、メタスの哲学と、それを具現化したバッグ類を、とても気に入っているのですよ。

 様々なタイプのバッグを日々のアクションに活用している方々こそが、その細かな気配りアイデアを高く評価するに違いないと確信する筆者なのでした。ちょっと「押し」過ぎ!? あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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