トピックス
- 2011_日本代表・・どうも、うまくまとまらない・・でもいいや、「エイヤッ!」でアップしちゃえ〜っ!・・また追記も・・(日本vsチェコ, 0-0)・・(2011年6月7日、火曜日)
- 「このゲームについて、色々と長くお話になったところを恐縮ですが、一度、アタマのなかをリセットして(真っ新にして)いただき、短いキーワードなどを使ってお答えいただければ幸いです・・ということで質問ですが、先ほど、ペルー戦にくらべて(サッカー内容が)かなり良くなったとおっしゃいました・・それは、何が良くなったのでしょうか??・・そしてそれは何故ですか??」
実は、ザッケローニ監督が、「ヨシダとイノハが、しっかりとビルドアップにも参加してくれた・・それも、このゲームの内容が良くなったバックボーンの一つだった・・」とコメントしたことを受けて、こんな質問を投げかけるつもりだった。
「スリーバックの場合、攻撃となったら、最終ラインの三人のうち一人がしっかりと押し上げなければ、中盤の人数が足りなくなってしまう・・それをマネージするのがリベロ(前気味のリベロ)というわけだが、その押し上げがうまく機能しなかった場合、最終ラインで選手が一人余ってしまうという事態に陥ってしまうことも多い(3人対1人というムダが生じてしまう)・・たしかに、監督がおっしゃるように、伊野波雅彦と吉田麻也は、しっかりと押し上げていく場面もあったが、相手のトップが一人になったとき、何度か、3人の日本ディフェンダーに相手フォワード一人といったムダが生じた状況もあった・・これは、修正すべき課題だろうか?」
でも、吉田麻也と伊野波雅彦について、スリーバックの両側の選手(ストッパー)のクオリティーというテーマの質問が出たこともあって、そのクエスチョンを止めにした。まあ、重箱の隅を楊枝でほじくるようなニュアンスになるかもしれなかったから、冒頭のようなシンプルな質問にしてよかった・・と思う。
さて、その質問に対するザッケローニ監督の反応。彼は、こんなニュアンスのことをコメントしてくれた。
・・ペルー戦についてだが、準備期間が二日しかなかったこともあって、内容は芳(かんば)しいモノではなかった・・それが、このチェコ戦では好転したわけだが、そこでのキーワードは、サッカーがコンパクトになったことと、より積極的にタテへ仕掛けていったことだ・・
・・先ほど、イノハとヨシダが、ビルドアップでもしっかりと機能していたと言ったが、この試合での彼らは、しっかりと(勇気をもって!?)タテへの仕掛けパスを供給したのだ・・彼らが供給した仕掛けパスは特筆だったと思う・・また今日の日本代表は、ビルドアップだけではなく、最終勝負プロセスでも優れたところを魅せてくれた・・
・・特に、ウチダとナガトモがよかった・・彼らがサイドゾーンで頑張ったことも、サッカー内容が良くなったことの重要なバックボーンだった・・特に、ボールがないところでの動きが、とてもよかった(だからこそ、相手を引きつけたことで攻守にわたる組織プレーの量と質がグレードアップした!?)・・ただ、チェコが、サイドゾーンを重点的にケアーしていたことで、うまく押さえられてしまった感は否めないし、彼らのクロスの精度にも課題があると感じた・・
・・まあ・・まとめると・・とにかく、ペルー戦よりも(逃げの!?)横パスが少なかったことと、より頻繁に、バイタルエリアへの優れた仕掛け(タテ)パスが入り、そこから最終勝負を繰り出していけたことが良くなったポイントだったということかな・・
ザッケローニ監督は、別の質問に応えて、こんなニュアンスの内容もコメントしていた。
・・チェコは、サイドゾーンを、より重点的にケアーしていた・・だから、そこでスペースを見出すことは難しかった・・そんな前半の展開を踏まえ、本田圭佑と話し合った・・それが、後半になって本田圭佑が、より積極的にセンターゾーンへ入り込んでいったことのバックボーンにあった・・
そう・・、たしかに日本は、後半になってサッカーの内容を高揚させた。
グラウンド全面をうまく活用するサッカー・・要は、スペースを、より効果的に攻略していく攻撃サッカー・・とも言える。またそれは、サイドゾーンを重点的に抑えようというチェコ守備のイメージのウラを突いた仕掛けプロセス・・とも言えそうだ。
もちろん、そのバックボーンには、内田篤人と長友佑都という「超」危険なサイドアタッカーが、ものすごく積極的に『危険なアップダウン』を繰り返していたこと「も」あった。要は、彼らがチェコ守備をサイドゾーンに引きつけたことによって、(ザッケローニ監督が言う!)クレバーな本田圭佑が、うまくセンターゾーンに入り込んで最終勝負の起点になれた・・ということなのです。フムフム・・
あっと・・ザッケローニの「3-4-3」。わたしは数字の羅列は好きじゃないから、まあ・・ザッケローニ的なスリーバックと呼ぶことにしますよ。
・・攻守にわたって、サイドゾーンを席巻することをイメージした攻撃的なチーム戦術(わたしは、基本的に、そう解釈することにしている!)・・
・・スリーバックの両サイド選手とサイドハーフ(まあサイドバックとも言える)、そしてスリートップのウイング(攻撃的サイドハーフ)を基本ポジションにする、縦の関係にある3人が、攻守にわたって協力することで(タテにポジションをチェンジすることで・・攻守にわたって相互にカバーし合うことで!?)相手の攻撃の芽を摘み、攻撃では相手ディフェンスブロックを翻弄する・・
・・もちろん相手にボールを奪い返されたら(=守備に入ったら)、素早く効果的な「攻撃から守備への切り替え」を絶対的なベースに(!!)本来のスリーバック、両サイドバック、2人の守備的ハーフ、そして2人の攻撃的ハーフ(ウイング)が、チェイス&チェックの汗かきプレーを絶対的ベースに、あうんの組織ディフェンスを展開する・・
・・もちろん、相手が強ければ、ファイブバック的なポジショニング&人数バランスになるケースだってあるけれど、それは、まったく問題ないよね・・何せ、次の攻撃では、チャンスを得た誰もが、「そこ」から積極的に飛び出していくわけだから・・そのためにこそ、シンプルなタイミングを基調にしたタテへの仕掛けパスが、とても重要な意味をもってくる・・「そこ」でボールを、こねくり回したら、取り返しがつかなくなる・・
・・とはいっても、ザッケローニ監督は、この「チーム戦術」は、一つのオプションにしか過ぎないと何度も繰り返して言う・・そう、相手や(ゲームの)状況によって、複数の「チーム戦術」を、効果的に使い分けられるようになる・・それは、ザッケローニ監督が言うように、ギリギリの勝負を勝ち抜くために、とても大事なことだよね・・フムフム・・
何か、言葉が尽きない。それって、錯綜する様々な戦術ファクターをまとめ切れない自分の能力のなさの証明だったりして・・。フ〜〜・・
ザッケローニ監督に、短くポイントをまとめて欲しい・・などと言っておきながら、自分は、こんな体たらく。まあ、哲学もそうだけれど、難しい事象やコンセプトを、誰もが分かる簡単な言葉で短く表現することほど難しい作業はない・・っちゅうこです。
とにかく、日本代表については、ペルー戦とチェコ戦のビデオを見直すことで、より詳細なポイントをピックアップすることにしますよ。何せ、次の日本代表のゲームは、二ヶ月後なんだからね。
ということで、ビデオを見直すことで、自分自身のイメージトレーニング(学習能力アップ)に励もうと心に誓った筆者なのでした。フ〜〜・・
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(追記)
ところで・・
いま、水曜日の午後一時を過ぎたあたりなのですが、友人ご夫妻がはじめたイタリアン・テイクアウトのお店へ行って、ピアダを食してきた。頬(ほお)が落ちた。もちろんパスタもありまっせ。
お店は「PaninoNino」といいます。友人の奥様が(調理も含む)実務を取り仕切っているのですが、その友人は優秀な建築デザイナーで、長くミランで仕事をしていた。イタリアサッカーファン。彼がイタリア(ミラノ)で仕事をしていた当時、ACミランの監督を、アルベルト・ザッケローニさんが務めていたということです。
奥さんが、「ザッケローニさんは、ピアダが大好きだと聞いているから、一度お越しになるように言ってくださいな・・」と上品に言われたけれど、そう簡単にザッケローニと立ち話するわけにゃいかないよね。あははっ・・
ということで、一度お試しあれ。ホント・・美味しいよ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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